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大島石とは?|意味や特徴、ランクごとの違いを解説
「大島石」とは愛媛県で採掘される高級石材のこと
「大島石」は愛媛県・大島で採掘される石材で、日本を代表する高級石材です。「石の貴婦人」とも呼ばれる品質で、国会議事堂や赤坂離宮などの建築物にも使用されています。
産地は愛媛県今治市大島
大島は愛媛県今治市の北部、瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島に属した島です。しまなみ海道上に位置し、古くは村上水軍が活躍した地域としても知られています。
大島石の歴史は約400年前の安土桃山時代から
大島石の歴史は、およそ400年前にさかのぼります。徳川家康の命を受けた藤堂高虎により、伊予の国今治に城が築かれました。この築城に参加したのが、大阪城の築城でも腕を磨いた石屋治右衛門という職人です。
ところが城が完成すると、城の機密漏洩を恐れた今治藩主から職人に対して処刑命令が出されてしまいます。この難から逃れた治右衛門は、大島にたどり着きました。そこで、良質な花こう岩が埋もれていることに気づき、自分の技術を生かして石を切り出したのです。これが、大島石の由来だと言われています。
大島石の特徴
大島石は、細かい石目と、青みを帯びた岩肌の美しさが特徴。花こう岩の一種で、雲母や石英、長石が含まれます。これらの鉱物が均質であるため、吸水率は約0.111%と非常に低く、サビや変色が起こりにくくなっています。また経年によってさらに美しく青みを増す石肌は、青磁のようだとも言われます。
非常に耐久性にもすぐれており、墓石材としても建築石材としても、とても人気のある石材です。
大島石はランクによって品質も変わる
大島石には等級・ランクが存在し、採掘場所や見た目によって分類されます。もっとも良いものは細目で大島の特級と呼ばれ、そこから一級、カレイなどと続きます。大島石の価格に60〜300万円前後と大きな差が生じるのは、このランクと職人技術によるものです。
ここでは代表的なランクと石の特徴について説明していきますが、大島石を分類した際の呼称は、メーカーや商社によって異なる場合もあります。実際に利用する場合は、用途や内容に合わせて直接問い合わせてみるのが良いでしょう。
大島石 特級
大島石特級は、青みがかった石目の細かさが特徴の石。愛媛県今治市の宮窪町を中心に採掘されますが、非常に希少価値が高い石とされています。
大島石 一級(一等)
経年によって青みの増し方が大きく、大島特級に比べると石目が大きい特徴を持ちます。関西地方や中国地方で人気の高い石です。
大島石 カレイ
大島石カレイは、大島北東部にあるカレイ山でのみ採掘される大島石。石目がやや大きくなっており、黒玉が出ることもあるようです。石碑や巻石にも多く利用されています。
大島石 二等
大島一級よりも石目が大きなもの。石目が粗いためムラが目立つこともあります。吸水率も低いため、石碑よりも巻石などに利用されることが多いです。