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養護老人ホームとは?特別養護老人ホームとの違い・入所申込みの方法や毎月の費用について解説!
養護老人ホームは高齢者の養護と社会復帰を目的とする施設
養護老人ホームとは、環境的・経済的な理由により居宅において生活を維持することが困難な65歳以上の者(原則)を入所させ、養護する施設のことです。(老人福祉法第14条)
目的は、高齢者の養護や社会復帰であり、介護施設という扱いではありません。(老人福祉法第20条の4)
入所には市区町村の措置決定が必要です。
措置(そち)決定とは?
措置決定とは、市区町村が入所の要否を決定し、提供サービスの内容や利用者等の費用負担額とともに養護老人ホームへの入所を決定することの意味。
養護老人ホームに入所できる条件
養護老人ホームに入所するためには、以下の要件に該当する必要があります。
・年齢が65歳以上(原則)
・環境上・経済的な理由から現在の場所での生活を維持することが困難と判断されること
例えば•••低所得など経済上の理由から自宅での生活が続けられない、身寄りがなく、自力で暮らせない、住居が狭い、虐待を受けている、さまざまな理由から家族と一緒に生活できない など。
・身体的に自立しており、介護を必要としていないこと
など。
養護老人ホームで受けられるサービス
養護老人ホームでは、毎日の食事が提供される他、健康面のチェックや経済面での相談などのサービスが受けられます。
加えて、自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導や訓練など、自立・社会復帰に向けてのサポート、季節の行事に合わせたレクリエーションなどが行われる場合もあります。
特別養護老人ホームと養護老人ホームの違い
養護老人ホームとは別に「特別養護老人ホーム」という施設があります。
特別養護老人ホームは、「特養(とくよう)」とも呼ばれ、介護度の重い高齢者を対象とする介護施設(介護保険の対象となる施設)です。
養護老人ホームと名称は似ていますが、入所基準や受けられるサービス、入所期間などで大きな違いがあります。
入所基準
特別養護老人ホームは、介護度の重い高齢者が身体的な介護や生活支援を受けながら生活していく場所(入居施設)です。
そのため、原則として要介護度3以上の高齢者がその対象とされています。
環境上・経済的な理由から現在の生活を維持することが困難なものの、身体的には自立している高齢者が入所の対象である養護老人ホームとは、入所基準に大きな違いがあります。
介護を受けられるかどうか
特養の主な目的は、入居者の身体的な介護や生活支援にあります。
一方、養護老人ホームでは、当該施設の職員による介護サービスはありません。入居中に何らかの介護を希望する状態に至った場合は、外部からの介護保険居宅サービスの利用を検討することになります。
※平成18年4月からは、入居しながらも介護保険居宅サービスの利用が可能となりました。
ただし、
・介護度が重くなってきた
・3か月以上入院することになった
・認知症がかなり進行した
など、自立した生活や共同生活が難しくなってきたと判断される場合には、措置が廃止され、退去もしくは住み替えが必要となります。
申込先が異なる
特別養護老人ホームは、利用したいという場合は、希望する施設に直接申し込みます。一方の養護老人ホームは市区町村の措置決定が必要なため、申し込みの窓口は市区町村役場となります。
養護老人ホームにおける入所者負担額は0円〜14万円
養護老人ホームは、入所時の一時金などは必要ありませんが、毎月、一定の費用を負担しなければなりません。(老人福祉法第28条)
その負担額は前年の収入に基づき決定されます。月の限度額は14万円です。
また、生活保護の適用を受けた場合は、減額または免除となるケースもあります。
入所者負担額(抜粋)
前年の収入 | 入所者負担額(月額) |
270,000円まで | 0円 |
400,001円から420,000円まで | 10,800円 |
1,440,001円から1,500,000円まで | 81,100円 |
1,500,001円以上 | 市区町村が定める計算式で算出 |
前年の収入は、税金・社会保険料・医療費などを控除したもので算定されます。
養護老人ホームにおける扶養義務者負担額
入居者と同一世帯に属する扶養義務者(扶養の実態がある別居の配偶者や子供なども含む)も、一定の費用を負担しなければならないと定められています。(老人福祉法第28条)
扶養義務者負担額(抜粋)
前年の所得税 | 費用負担額(月額) |
所得税非課税(市区町村民税所得割非課税(均等割のみ課税) | 4,500円 |
所得税非課税(市区町村民税所得割課税) | 6,600円 |
所得税課税(税額6,270,000円以下) | 9,000円〜191,200円 |
所得税課税(税額6,270,001円以上) | 被措置者に係る措置費支弁額 |
生活保護受給者や市区町村民税が非課税の方は、費用負担はありません。
どの区分に該当するか不明な場合は、市区町村役場の窓口に確認しましょう。
養護老人ホームへの入所手続きから入所までの流れ
入所を希望する場合は、以下の流れに沿って申し込みや手続きを進めましょう。
①入所基準に該当するか相談
養護老人ホームは誰もが入所できるわけではなく、入所基準を満たしているかどうか市区町村役場や地域包括支援センターなどに相談することが必要です。
また、地域の民生委員や養護老人ホームなどでも相談を受け付けているため、足を運びやすいところで相談してみると良いでしょう。
②入所を申し込む
入所の相談を済ませ、入所基準を満たしているとなれば、入所の申し込みが可能となります。
入所の申し込みは、本人または家族など本人の状況を把握している人が行います。合わせて、本人の収入申告書や、健康診断書、経歴書、住民票謄本など、市区町村が定めている書類が必要となります。
③入所審査を受ける
申し込み後は、市区町村の担当者が入所希望者の元を訪問し、実態を調査します。
調査の内容は
・入所希望者の養護の状況
・心身の状況
・環境、家計の状況
などで、環境的・経済的に生活が困難であるかどうかについても確認していきます。
④入所要否の判定
調査が済めば、入所判定委員会で入所の要否が判定されます。
入所判定委員会の審査基準や開催の頻度は自治体により異なります。さらに、開催に合わせて入所申込みに期限を設けている自治体もあるので、申込みのタイミングには注意すると良いでしょう。
⑤入所が決定する
市区町村長が入所判定委員会から報告を受け、入所の要否を決定します。(=措置決定)
また、虐待など申込者本人の命に危険がある場合などは、入所判定委員会の審査を経ず、入所要となるケースもあります。
入居要と決定すれば、申込者と養護老人ホーム側で入所日を相談し、入所という流れとなります。
養護老人ホームについてよくある質問
まとめ:養護老人ホームとは高齢者の養護と社会復帰を目的とする施設
養護老人ホームとは、現在の環境下では生活の維持が困難であり、経済的にも問題がある高齢者が入所できる施設のことです。入居者の養護と社会復帰を目的としているため、身体的な介護が必要でないことも申し込み基準に該当します。
また、入所には自治体による措置決定が必要となるため、申込みは市区町村役場という特徴もあります。
入所を希望する場合は、市区町村役場で入所基準に該当するかどうかを相談し、合わせて費用負担額(月額)も確認しておくと安心です。