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【例文付き】他界の意味は?類義語・訃報の例文・注意点を解説
他界とは「死」を意味する
他界は、人の死を意味する言葉です。
他界は、自分の属さない世界のことで、仏教では死後の世界を表します。人が亡くなると死後の世界に行き、そこで再び生きると言われています。
仏教に基づいた葬儀を行うケースが多い日本では、他界という言葉がよく使われます。
「死」の婉曲的な言い方
他界は、死を婉曲的に表現しています。婉曲的な表現とは遠回しな言い方です。
たとえば、「死にました」「死んだ」「死んでいる」という言い方ですと、残酷でデリカシーを感じられません。
しかし、「他界」を使いますと、死を感じさせず、どちらかというと旅立ちのようなイメージになります。以下で比べてみてください。
死を使った表現:今朝、父が死にました。
他界を使った表現:今朝、父が他界しました。
他界の類義語
死を表現する言葉は、他界の他にもいろいろあります。ここでは、類義語として「逝去」「死亡」「永眠」「死去」「亡くなる」について説明します。
逝去
逝去は死去の尊敬語です。身内以外の方、目上の方などが亡くなった時に使います。
使い方
・上司のAさんが今朝、病院で逝去されました。
・母の友人で、私の恩師でもあるBさんが逝去されたことを初めて知りました。
・先生がアメリカで逝去されたとは、思いもよらないことでした。
死亡
死亡は亡くなること、命がなくなることです。生物の持つ機能が永久に停止した状態のことを言います。ニュースや新聞など、感情抜きで人の死に関することを知らせる時に使います。
また、書類上でも使うことが多いです。
使い方
・今回の玉突き事故で、10人が死亡した模様です。
・死亡手続きは速やかに行うべきですが、家族にとってはつらいものです。
・死亡推定時刻は午前3時でした。
永眠
永眠は、永遠の眠りにつくことです。死を意味していますが、あえて死という言葉を使っていません。
使い方
・祖父は99歳で永眠し、残された祖母は思い出の詰まった家で余生を送りました。
・院長先生の永眠により、クリニックは閉院されました。
・あの方は、はるか遠くの地で永眠されたそうです。
死去
死去とは、人が亡くなることを言います。「死」は、生物としての生命活動をしないこと、「去」はその場からいなくなることです。
死去は尊敬や謙譲などの意味をなさずに、ただ単に人が亡くなったことを公に伝える場面で使います。
ニュースで伝える場合、死因で死去と死亡を区別することがあります。死去は病気や老衰、死亡は事件、事故を扱うことが多いです。
使い方
・作家のCさんが老衰のため、都内の病院で死去しました。
・昨年、叔父が90歳で死去いたしました。
・俳優のDさんが番組内で、身内の死去を伝えました。
亡くなる
亡くなるは、人の死を婉曲的に表現しています。死に対する丁寧な言い方です。
使い方
・かつてお世話になった上司がすでに亡くなっていたことを知り、悲しくなりました。
・私の父は3年前、母は昨年亡くなりました。
・祖父母はすでに亡くなり、住んでいた家は、不動産会社に売却しました。
他界を使った訃報の例文
他界を使った訃報の例文を挙げてみます。また、訃報の連絡で気を付けることもご紹介します。
訃報は電話が望ましいものですが、都合上メールでしか出来ない場合もあります。
訃報の連絡で気を付けること
訃報の連絡で気を付けることです。
- 連絡する順番:家族や身内→葬儀社→仕事先→友人・知人
- メールや手紙で知らせる場合、時候のあいさつは不要。
- 誰がいつ亡くなったのか、葬儀の日程などを明確に伝える。
- メールの場合は送信先をまちがえないように
- 故人との関係性を重視して伝える。
- ※忌み言葉を使わないように
※忌み言葉:4や9のように死、苦をイメージする数字、「たびたび」「重ね重ね」のような重ね言葉など。
身内の死を伝える場合
身内の訃報を伝える場合、どのように伝えたらよいのか、例文でご紹介します。たとえば、友人と約束していたのですが、身内の不幸のためにキャンセルしたい場合です。
「Jさんへ
申し訳ございません。今回のコンサート、ご一緒できるのを楽しみにしておりましたが、キャンセルさせて頂きます。
昨夜、祖父が89歳で他界しました。長く入院していましたので、覚悟はしておりましたが、かわいがってくれた祖父がいなくなってしまうのは寂しいです。
コロナ禍のため、家族葬で済ませますが、しばらくはバタバタするかと思います。
せっかくお誘い頂いたコンサートですが、申し訳ございせん。またの機会にご一緒できることを楽しみにしております。
Nより」
こちらは、身内の死のために子供を欠席させる場合の保育園への伝え方の一例です。
「F先生
いつもお世話になっております。Rの母です。
Rにとっては、母方の親戚にあたる私の叔父が今朝、87歳で他界しました。Rをかわいがってくれた叔父でしたので、Rも葬儀に参列させるつもりです。
つきましては、今週いっぱいは園を欠席させてください。
よろしくお願い致します。」
こちらは、町内会の行事を欠席する場合です。
「町内会長O様
いつもお世話になっております。
昨夜、実家の父親が99歳で他界いたしました。100歳まであと一歩という大往生でした。
皆さまにはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、今回のお祭りは欠席させていただきます。
会計処理の仕事は、一段落ついてから行いますので、よろしくお願い致します。
会計係 Pより」
目上の人の死を伝える
ここでは、取引先の社長の訃報を伝えるケースです。
「令和4年3月10日
社員各位
文例部長 M川 D男
訃報
取引先F社社長のA野B平様は、心不全のため、令和4年3月9日23時30分、享年70歳で他界されました。
葬儀は家族葬で行うそうです。
故人のご冥福をお祈りいたし、謹んでお知らせ申し上げました。
以上」
会社への連絡の場合
ここでは、自身の身内が他界した場合の会社への伝え方です。
①親が他界した場合
「K部長
お世話になっております。今朝早く父が患っていた病気のため、87歳で他界いたしました。
葬儀は身内のみの家族葬で執り行う予定です。
つきましては、申し訳ございませんが、1週間ほど、お休みを頂きます。今進めておりますプロジェクトについては、同じ部署のLさんにお任せします。
もし、ご不明の点がございましたら、お電話いただければと思います。
お忙しい折にご迷惑をおかけして申し訳ございません。
何卒よろしくお願い申し上げます。
O谷K太」
②家族が本人の他界を伝える場合
「いつもお世話になっております。
S田の妻でございます。
夫は昨夜22時45分、享年75歳で夫が他界いたしました。
定年になってからも、お仕事を任せてくださり、ありがとうございました。本人も楽しみにしながら会社に通っておりました。
倒れてからは、皆様から、暖かいお言葉を多数いただき、励みになりました。社会復帰を願って闘病しておりましたが、残念ながら叶いませんでした。
葬儀は身内のみで行います。
生前はお世話になり、本当にありがとうございました。取り急ぎご報告させていただきます。
S田R子」
他界の注意点
他界は、どんな場合にでも使える言葉ですが、注意点があります。仏教の言葉なのでキリスト教の葬儀の場合は使わないこと、考え方の相違のため浄土真宗の場合も使わないことです。
以下で詳しく説明します。
仏教の言葉なのでキリスト教には使わない
他界は仏教の考えに基づいた言葉なので、キリスト教の葬儀の場合は使いません。
その他「成仏」「供養」「冥福」「往生」という言葉も仏教用語なので使わない方が賢明です。
キリスト教の場合、亡くなったことを「天に召された」と表現することが多いです。
浄土真宗には使わない
浄土真宗は仏教ですが、考え方が異なるので「他界」は使いません。
浄土真宗の場合は、人は亡くなると「往生即身仏」になると考えられています。つまり、人は死後、阿弥陀仏の導きですぐに仏様になるということです。
浄土真宗においては、あの世といわれる死後の世界は存在しません。
まとめ:他界とは死を意味する言葉・類義語は逝去や死亡、永眠などがある
「他界」は死を意味する言葉ですが、あえて死を使わず婉曲的に表現しています。亡くなったら、死後の世界に行くという仏教の考え方に基づいています。
類義語は「逝去」「死亡」「永眠」「死去」「亡くなる」など多数あります。
どんな時でも使える言葉なので、身内の死を知らせる必要があるとき、目上の人の死を伝える時などにも使えます。
ただし、キリスト教や浄土真宗では使えませんので、気を付けましょう。