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戒律とは?仏教徒が守るべきもの?読み方や意味を簡単に解説
戒律とは修行者の生活規律を指す仏教用語
戒律とは、仏教用語で「修行者の生活規律」を指す言葉です。
また、仏教だけではなく、宗教に対し信仰を持つ人が信仰生活において守るべき規律・規則を意味することもあります。この意味を指す場合は、宗教用語と言われます。
なお、英語では「religious precepts」となります。
仏教では戒と律は異なる意味を持っている
戒律は「宗教のきまり」と解釈されることも多いです。
しかし仏教では、仏のいましめを自発的に守ろうとする心の働きをいう「戒」と、僧侶を拘束する法律に等しいとも言われる規範「律」という別々の意味を持つ語を合わせた言葉と解釈されています。
つまり、戒と律は、厳密にいうと異なる意味を持っています。
一方で、戒によって律が成り立つことから「戒律」の語が使われるようになったと言われています。
それぞれの意味は以下の通りです。
戒:修行者の自発的な行為の基準
戒は、文字通り「戒め」のことであり、修行者の自発的な行為の基準を指します。これは、仏の戒めのことですが、規則ではなく、道徳的なもの。
つまり、戒を守らずに過ごしていても、罪に問われることはありません。しかし、堕落的な生活を送っていると、周囲から非難の声が上がることもあるでしょう。
また、戒の一部である五戒は、在家者にとって、人生をいかに善く生きるべきかの指標になるとも言われています。
五戒とは?
五戒とは、仏教徒が守るべき基準となる、以下の5つの戒のことです。
不殺生戒:生き物を殺してはならない。
不偸盗戒:盗みを働いてはならない。
不邪淫戒:不貞行為(不倫)を行ってはいけない。
不妄語戒:嘘をつかない。
不飲酒戒:お酒を飲まない。
律:僧侶を拘束する規則
律は、僧侶を拘束する規則のことです。僧侶が悪事を働いたり、民衆から非難されるような行為を禁止するために定められたもので、法律に等しいものとも言われています。
僧侶がこれに違反するとそれ相応の罰が科せられます。最も重いものでは破門となるものもあります。
また、律は僧伽(出家者の組織)を運用するためのものであり、僧侶に限り適用されます。つまり、僧侶でない人にまで及ぶものではありません。
宗教別にみた戒律の一例
戒と律に類するものは仏教だけでなく、多くの宗派で取りまとめられています。
その一例は以下の通りです。
宗教 | 戒律に類するものの名称 |
---|---|
イスラム教 | sharī‘ah=律法 |
カトリック教 | 修道戒律 |
道教 | 清規 |
ユダヤ教 | tōrāh=律法 |
戒律に関してよくある質問
まとめ:戒律とは戒と律という語が合わさったもので仏教の実践に重要なもの
戒律とは「戒」と「律」という別々の意味を持つ語が合わさった仏教用語で「修行者の生活規律」を指します。
戒は、文字通り「戒め」のことであり、修行者の自発的な行為の基準を指すもので、規則ではなく道徳的なものです。一方、律は僧侶を拘束する規則のことです。
このように厳密には戒と律は異なる意味を持っていますが、戒によって律が成り立つことから「戒律」の語が使われるようになったと言われています。
また、キリスト教など他の宗教においても仏教の戒律に類するものがあることから、これらの類するものも含めて戒律と通称されています。