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中啓とは?僧侶が持つ扇のこと?読み方、意味、購入先を紹介
中啓とは扇の一種で僧侶が使うもの
中啓とは、扇(扇子)の一種で、一般的には僧侶が使用するものを指します。
読み方は「ちゅうけい」。
暑さ、寒さを問わず、法要の際に威儀を整えるために持つものと言われています。
中啓の特徴:折りたたんでも先端が開いている
中啓の「啓」には開くという意味があります。
多くの人がイメージする扇は、折りたたむと先端も閉じますが、中啓は親骨(扇の一番外側両端の太い骨のこと)の上端が扇よりも外側に反らせてあり、折りたたんでも上端がイチョウの葉のように広がっています。
このため折りたたんでも半ば(中ば)開いて(啓いて)いるとされ、中啓と名付けられました。
考案は室町時代
中啓の考案は室町時代とされています。のちに朝廷や公家、武家、僧侶をはじめ、能や狂言さらに歌舞伎などでの芸能装束備品として、また神道でも持たれるようになりました。朝廷や公家においては、中啓のことを末広と読んでいたと言われています。
中には、能化(僧侶社会において長老、学頭などの指導者、先生、師範のような存在の人のこと)の葬儀や年忌法要の際に、後を継ぐ弟子が持つ黒骨で薄墨の地紙の中啓である「喪扇」も普及しました。
宗派によって異なる中啓の使われ方
中啓は、威儀を整えるために持たれるほか、経本や念珠など、直接床に置いてはならないものの起き台とされます。しかし、その使われ方は仏教宗派によって違いが見られます。
一例として真宗大谷派での使われ方を紹介します。
真宗大谷派:畳の上に音を立てて落とす
真宗大谷派の儀式作法では、中啓を持ち法要に臨むときにわざと「パタン」と音を立てて畳の上に落とすとされています。これには大人数で法要を勤めるときに、自分が着座したことを他の人に伝えるという意味があると言われています。
法要に参加している人は、中啓を落とす音が鳴り止めば、僧侶全員が着座したことが分かりますね。
落とすときは、明るい色の面が上に来るように落とすという作法もあります。
中啓に関してよくある質問
まとめ:中啓とは威儀を整えるために僧侶が持つ扇の一種
中啓とは、扇(扇子)の一種で、一般的には僧侶が使用するものを指します。あおぐためのものではなく、法要の際に威儀を整えるために持つと言われています。
中啓の「啓」には啓く(開く)という意味があり、折りたたんでも上端が広がっている形状が何よりの特徴。このため、折りたたんでも中ば啓いていると、中啓と名が付きました。
中啓は、威儀を整えるためだけでなく、経本や念珠など、直接床に置いてはならないものの起き台とされます。このほか、仏教宗派により使い方に違いが見られ、真宗大谷派では、法要に臨むときにわざと「パタン」と音を立てて畳の上に落とすとされています。