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死亡診断書とは?取得場所や提出方法、必要な料金・再発行の可否・コピーをとったほうが良い理由を解説

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目次

死亡診断書とは死亡したことを医学的・法律的に証明する書類

死亡診断書とは、その人が亡くなったことを医学的な視点だけでなく、法律的にも証明するための書類です。死亡診断書がないと、たとえ亡くなっていたとしても生存しているとみなされ、火葬や埋葬などの手続きができません。そのため、死亡の事実が判明したらできるだけ早い段階で死亡診断書を取得する必要があります。

基本的には医師・歯科医師しか記入できない

死亡診断書は、原則医師もしくは歯科医師しか記入できないとされています。

しかし、郊外では医師による死亡診断が行われるまでに時間がかかることや、死亡診断のために救急車を利用し、医療機関を訪問する状況などを改善すべく、平成29年9月に「情報通信機器(ICT)を利用した死亡等のガイドライン」が厚生労働省によって策定されました。このガイドラインに基づき、一定の条件を満たしている場合は医師または歯科医師に変わり看護師が死亡診断書を代筆・交付できるようになりました。

看護師による代筆・交付ができる要件

医師または歯科医師に変わり感が滋賀死亡診断書を代筆・交付する場合の「一定の条件」は下記になります。

(a) 医師による直接対面での診療の経過から早晩死亡することが予測されていること

(b) 終末期の際の対応について事前の取決めがあるなど、医師と看護師と十分な連携が取れており、患者や家族の同意があること

(c) 医師間や医療機関・介護施設間の連携に努めたとしても、医師による速やかな対面での死後診察が困難な状況にあること

(d) 法医学等に関する一定の教育を受けた看護師が、死の三兆候の確認を含め医師とあらかじめ決めた事項など、医師の判断に必要な情報を速やかに報告できること

(e) 看護師からの報告を受けた医師が、テレビ電話装置等の ICT を活用した通信手段を組み合わせて患者の状況を把握することなどにより、死亡の事実の確認や異がないと判断できること

厚生労働省 情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドラインより抜粋

https://square.umin.ac.jp/dementia/pdf/guidline0312.pdf

死亡診断書に書かれている項目

死亡診断書には、以下の項目が記入されています。

●故人の情報(氏名・性・生年月日)

●死亡したとき

●死亡した場所・種別(病院・自宅・介護施設など。施設の場合は名称も掲載)

●死亡の原因

●死因の種類(病死及び自然死、外因死、不詳の死)

●外因死の追加事項(傷害の発生した時と場所など)

●生後1年未満で病死した場合の追加事項

●その他特に付言すべきことがら

●診断年月日・病院名・医師の氏名など

死体検案書との違い

死亡診断書と同じく、人の死を証明する書類に「死体検案書」があり、両者は同じ用紙に記入し使用されています。検案とは「医師が死体に対して、臨床的に死因を究明する作業」のことで、死因が明らかでない場合は外傷性なのか、病死なのかなど、故人の死因を評価する必要があります。

犯罪性の有無に関わらず、以下のケースが死亡原因である場合に使用されます。

・医師の診療を受けていない人が事故や自殺などで亡くなった場合

・医師の診療を受けていたが、死因が診療していた疾病や怪我ではない場合

・何らかの異常があると死体だと認められる場合

死体検案書に該当する場合は、死因がハッキリしないことも少なく無いため、より入念な診察が必要となるケースもあります。

死亡診断書の取得方法と必要な料金

死亡診断書の取得方法は、故人がどのような状況で亡くなったのかによって違ってきます。

取得方法

取得に必要な料金の目安

場所目安料金  注意点
医療機関  3千円〜
5千円程度
死亡診断書は健康保険の項目に該当しないため、医療機関により設定金額が異なる。私立病院の場合、目安金額以上に必要なケースもある。
介護関連施設5千円〜
1万円程度   
医療機関同様に介護保険でまかなえないため、発行に費用がかかる。施設ごとに定めているため、施設事に料金が異なる。入所案内などに掲載されているケースもある。
検案後3万円〜
10万円程度 
死因をより詳しく調べる必要があるため、死亡診断書と内容が変わらないとはいえ、費用がかかることが多い。事件制がある場合などは、検視や司法解剖が必要となったることもあり、その場合は目安金額以上に費用がかかる可能性が高い。

再発行はできる?

死亡診断書は医師の署名・捺印ののち、原本が1通発行されます。この原本は市区町村の役所・役場に提出する必要がありますが、提出後に返却されることはありません。さらに提出後に原本の提出が求められることはないため、再発行してもらう必要がなく、再発行の依頼は一般的ではないといえます。

しかし、提出前に紛失した場合や盗難にあったなど何らかのやむを得ない事情があり、再発行を希望する場合は、作成してもらった医療機関などに相談してみましょう。

死亡診断書の提出

死亡診断書を受け取ったあとは、きめられた期日以内に住まいのある市区町村の役所・役場へ提出する必要があります。

提出期限は「死亡の事実から7日以内」

死亡診断書は、死亡届と市区町村の役所・役場へ届ける必要があります。また「死亡の事実を知った日から7日以内に提出する」と、届け出期間が定められているため、期日に間に合うよう届け出ましょう。

後からの手続きに向けてコピーをとっておく

死亡診断書は、役所・役場に提出した後返却されることはありません。しかし、葬儀が済んだ後の手続きで必要な場合があるため、コピーをとっておくと安心です。

なお「死亡診断書の写しが必要」とされている場合は、死亡診断書原本のコピーではなく「死亡届の記載事項証明書」として交付される公的な書類の提出が必要となることもあります。「死亡届の記載事項証明書」は、死亡届を提出した市町村を管轄している法務局(もしくはその支局)に無料で請求できるため、必要になった場合は取り寄せると良いでしょう。

「後からの手続き」の例

手続き内容
世帯主の変更   ・住まいがある市区町村で「世帯異動届」を提出する
・世帯主が亡くなった場合は、住民票に記載される世帯主を空欄のままにはできないため、変更する。
・世帯主の死亡後、14日以内に済ませる必要がある。
健康保険・健康保険の資格喪失届を提出する。その際、保険証も返還する。
・死亡から14日以内に済ませる必要がある。
・会社の健康保険の場合も同様で、保険証は会社に返還する。
※遺族が故人に扶養されていた場合は、新たに国民健康保険や会社の健康保険に加入する必要がある。
年金・年金事務所もしくは、住民票のある市区町村の役所
・役場で被保険者の死亡届を提出する。※遺族が故人に扶養されていた場合は、国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者への変更手続きもあわせて済ます必要がある。
不動産などの名義変更  ・故人が不動や土地を所有していた場合は、法務局にて遺族に名義を変更する。
※書類の用意に負担を感じる場合は、司法書士などの専門家に依頼することも可能。
生命保険金の請求     ・生命保険に加入している場合は、加入先の保険会社に申告する。
・死亡から2年以内の請求必要。

死亡診断書とは故人の死後手続きに必要な重要書類

故人の死を証明する物で、以後の手続きにも必要になる死亡診断書。医師や歯科医師、条件を満たしている看護師でないと記入できない重要な書類です。

故人が死亡した場所や診療経験などにより、発行を依頼する場所が変わることを把握しておきましょう。また、医療保険でカバーできる項目ではないため、3千円〜1万円程度自費負担が発生します。発行に必要な料金は、医療機関や介護関連施設により異なることも理解しておきましょう。

故人の死が事故や自死などの不審死の場合や、事件性があると判断された場合は死亡診断書ではなく、書類の名称が死体検案書へ変わります。より詳しい診察が必要である場合は、死亡診断書以上に発行費用がかかる場合もあります。

家族の死を目の当たりにし、心労が重なるタイミングですが後日に控えた手続きに向けてコピーを取っておくことも忘れず、準備を進めましょう。

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