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    香典とは?|意味や金額相場・渡し方のマナーを解説

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    香典とは故人への供養の気持ちを表す金品

    香典とは、故人への供養の気持ちを表す金品です。現代では、香典袋(不祝儀袋)に現金を包んで、通夜もしくは葬儀の際に遺族に渡すのが一般的です。ここでは、香典の歴史をはじめ、金額相場や香典袋の書き方、渡し方のマナーについて解説していきます。

    香典の意味や歴史をチェック

    香典は故人の供養として渡す金品で、香料(こうりょう)とも呼びます。「香」の字には、線香の代わりという意味があり、「典」はもともとお供え物の意味で「奠(でん)」の漢字が使われていました。

    香典は英語で『funeral offering』

    香典は英語で「funeral offering」または「incense money」と表現します。お悔やみの贈答を意味する「condolence gift」が使われる場合も。英語圏では香典を渡す文化はなく、葬儀にはお花を贈ることが多いです。

    例文1:彼のお葬式に香典を持っていきます。

    I bring incense money to his funeral ceremony.

    例文2:私は香典としてお金を持参しました。 

    I took some money along as a funeral offering.

    香典の習慣は室町時代ごろから

    現代のように香典に金銭を用いるようになったのは、武士階級で室町時代ごろに始まり、明治時代には都市部の庶民へ、そして昭和初期ごろになりようやく全国的に広がっていったと言われています。

    葬儀を自宅で行っていた時代は、僧侶や会葬者に食事を振る舞う習慣があり、遺族を支援する目的で、食料や酒を香典として渡すのが一般的でした。また、会葬者が死の穢れ(けがれ)に接するのを避けるために、故人の家族とは同席しないよう、地域の食堂や宿屋などで食事を出す「村香典」のしきたりもあったようです。

    香典の金額相場

    香典の金額は、故人との関係性によって変わります。金額が少なすぎても多すぎても遺族に不快感をあたえる可能性があるので、相場を知っておくことが大切です。

    故人との関係香典額備考
    5~10万円喪主や葬儀費用を負担する場合は除く
    祖父母1~3万円親に扶養されている場合は除く
    兄弟姉妹3~5万円親に扶養されている場合は除く
    配偶者の親5~10万円
    配偶者の祖父母1~3万円
    配偶者の兄弟姉妹3~5万円
    叔父・叔母1~2万円
    いとこ5千~1万円
    友人3千~1万円
    友人の家族3千~1万円
    ご近所3千~5千円
    会社の上司・部下・同僚やその家族5千円~1万円

    香典に包んではいけないお金

    香典を包む際には、いくつかのタブーがあるので注意しましょう。

    『偶数は避ける』

    偶数は割り切れる数字であり、「故人とのつながりを切る」ことを連想させることからタブーとされています。金額もお札の枚数も奇数にするのがマナーです。

    『4と9は避ける』

    4は「死」を、9は「苦」を連想させるため、4千円、9千円、4万円、9万円は、全てNGです。

    『新札は避ける』

    新札がそろっているということは、あらかじめ死を予想して用意していたという印象を与えてしまいます。新札を使う場合も折り目をつけてから包むようにしましょう。

    香典袋の選び方

    香典袋は故人の宗教や宗派、包む金額によって使い分けることが大切です。いざという時に慌てないよう、香典袋の種類についても知っておきましょう。

    香典袋の種類

    香典袋は宗教や宗派によって表書きが変わります。事前に準備する時は、表書きが空欄になっているタイプか、ほとんどの宗教に使用できる「ご霊前」と印刷されているものを選びましょう。ただし、キリスト教のプロテスタントと浄土真宗では、「ご霊前」は使えません。

    なお、水引は黒白の結び切りが一般的ですが、関西では黄白の水引を使用する地域もあります。また、双銀の水引は格が高く高額な香典にはこちらを使うのがベターです。

    金額によって香典袋の格を変える

    香典に包む金額と香典袋の格をあわせることも大切です。金額が低い場合は水引が印刷された封筒タイプを、高額の場合は水引が別になった折りたたみ式の香典袋を使いましょう。

    香典額 香典袋の種類備考
    3千~5千円印刷タイプ水引が印刷されている
    1万円~水引金封(みずひききんぷう)黒白または黄白の5本の水引がかけてある
    3万円~中金封(ちゅうきんぷう)・水引金封よりも一回り大きいサイズ・高級感のある和紙などを使用・7本以上の双銀の水引
    10万円~大金封(だいきんぷう)・中金封よりも一回り大きいサイズ・高級感のある和紙などを使用・封筒ではなく1枚の紙で包むタイプ・10本の双銀の水引・中央に短冊つき

    香典袋の表書きのマナー

    宗教や宗派ごとに、香典袋の表書きについて解説します。全ての宗教や宗派に使える万能な表書きはないので、香典を贈る際のマナーとして基本知識を身につけましょう。

    仏教

    仏教の表書きは、「御香典」「ご香料」「ご霊前」を使います。四十九日の忌明け(きあけ)までは、故人は御霊(みたま)としてこの世に存在するという考えから「ご霊前」を使う宗派が多いです。ただし、浄土真宗では故人は亡くなるとすぐに仏になるため「ご霊前」ではなく「御仏前(ごぶつぜん)」や「御佛前(ごぶつぜん)」を使います。

    神式

    神式の表書きは、「御榊料(おさかきりょう)」「玉串料(たまぐしりょう)」「御玉串料(おたまぐしりょう)」「神饌料(しんせんりょう)」「御神前(ごしんぜん)」を使います。神式で線香は使わないので、「御香典」は不適切です。水引の色は、黒白、双銀のほか、双白も使われます。

    キリスト教

    キリスト教はカトリックとプロテスタントの宗派によって、表書きが変わります。カトリックでは、「お花料」「御花料(おはなりょう)」「御ミサ料(おみさりょう)」を、プロテスタントの場合は「お花料」「御花料」「献花料(けんかりょう)」「忌慰料(きいりょう)」を使います。プロテスタントでは故人はすぐに天に召されるので「ご霊前」は使用しません。なお、キリスト教用の香典袋には、ユリの花や十字架などが印刷されているタイプもあり、水引がなくてもOKです。

    宗教がわからない場合

    故人の宗教がわからない場合は、一般に広く使える「ご霊前」を使うことが多いです。とはいえ、できれるだけ宗教や宗派は確認したいところです。故人が浄土真宗またはプロテスタントだった場合は「ご霊前」は不適切になります。

    名前の書き方

    香典袋に名前を書くことも大切なマナーです。名前がないと香典返しを贈ることができないばかりか、故人との関係が不明瞭なために遺族が不信感を抱く可能性もあります。

    氏名は香典袋の下段中央に、フルネームで書き入れます。悲しみの気持ちを表す薄墨を使い、毛筆で書き入れましょう。3名までのグループの場合は、優先順位の高い順に右から列記します。4名以上のグループの場合は、代表者の氏名を中央に書き、左側に「外一同」と添え、各人の氏名や住所、金額は別紙に書いて同封すると良いでしょう。

    また会社として香典を出す場合も、必ず代表者の氏名を書き入れます。代表者の氏名を中央に、右側に会社名を書くのが一般的です。職場の連名で出す場合は、中央に会社と部署名、その下に「一同」と添えましょう。

    香典の中袋(中包み)の書き方

    香典は中袋に入れてから、香典袋に包みましょう。中袋の表には金額を、裏には氏名と住所を書きます。表書きの金額の頭には”金”を、単位には”圓(えん)”を書き、最後の”也(なり)”はつけてもつけなくても構いません。また、金額は旧字体の漢数字で、一は”壱”、三は”参”を、五は”伍”、十は”拾”、万は”萬”を使いましょう。

    香典の渡し方

    香典の包み方や渡し方にも決まりがあります。香典のマナーを身につけることは社会人の常識としても、故人へのお悔やみと遺族へ敬意を表すうえでも大切です。

    香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参

    香典袋は袱紗に包んで持参するのがマナーです。袱紗の色は弔事用のグレー、藍色(あいいろ)、紫色、深緑色のいずれかを使います。袋状になっている袱紗は、香典を中に入れるだけなので便利です。一枚布タイプを使う場合は、折り方に注意が必要です。弔事では左開きになるように包むのがしきたりです。袱紗の裏が上になるように広げて、香典袋を中央より右側に置きます。この時、表書きが上になるようにしましょう。右の布を内側へ折り、次に上下の布を内側に、最後に左の布を全体にかぶせるように折り、余った布は内側に折り込みます。

    香典を渡すタイミング

    香典は、通夜もしくは葬儀や告別式の受付で渡すのが一般的です。受付でお悔やみの言葉を述べたら、まずは芳名帳に氏名と住所を記帳します。袱紗を右の手の平に置き左手で広げて香典袋を取り出し、表書きが受け取る人の正面になるように向きを整えて、両手で渡しましょう。

    祭壇に供える場合は、遺影に一礼して手を合わせてから袱紗を取り出し、香典を祭壇に置きます。この時、表書きの正面は自分に向くようにしましょう。

    香典を郵送で送る方法

    通夜や葬儀に参加できない場合は、香典を郵送する方法もあります。香典袋を現金書留の封筒に入れて送りますが、お悔やみの言葉を書いた手紙を添えることも忘れずに。香典袋だけを送るよりも、故人や遺族への想いが伝わります。また、通夜や葬儀に参加できないので、弔電もあわせて送りましょう。

    香典を渡す際の注意点

    最近では、遺族が香典を辞退するケースも増えています。理由は会葬者に負担をかけたくないといった故人の遺志のほか、近しい親族のみの家族葬を希望するケースや、香典返しを省略するためなどです。香典を辞退するのは故人や遺族の意思なので、無理に渡すことは失礼になります。

    遺族が香典を辞退する場合は、あらかじめ通夜や告別式の会葬案内に記載があるのが一般的です。次のような記載があれば、香典は控えましょう。

    「ご厚意辞退申し上げます」

    香典だけでなく一切の供物を遠慮するという意味です。供花(きょうか)も控えましょう。

    「供花・供物の儀はご辞退申し上げます」

    香典以外は遠慮するという意味です。香典は持参してOK。

    まとめ:香典は故人の冥福を祈り遺族を慰めるための贈り物

    香典は故人に対する感謝と悲しみを表し、遺族を慰めるための習慣です。マナーを踏まえた金額や渡し方を心がけることは、故人の冥福を祈り、遺族の悲しみに寄りそうことにもつながります。

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