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骨壺とは?|役割や歴史、地域によるサイズの違いについて解説します
骨壺とは火葬終了後に故人の遺骨を納める壺のこと
骨壺とは、故人の遺骨を納めるために使用する壺のことです。時代と共に葬儀スタイルが変化することと同様に、骨壺の素材や材質、サイズなども変化しきました。しかし、どの時代も遺骨を納め、故人の冥福を祈り供養するための役割は変わっていません。
この記事では、骨壺の役割や歴史、地域によるサイズの違い、処分が必要になった際の方法についても解説していきます。
骨壺の役割や歴史をチェック
骨壺とは、火葬の後に故人の遺骨を納めるために使用する壺(入れ物)です。荼毘に付されるとが一般的になった昨今、遺骨は専用の入れ物である骨壺へと納められます。その後、お墓や納骨堂に安置することが多いですが、地域によっては、遺骨をそのまま土に還す風習がある場合も。必ずしも誰もが骨壺を使用するわけではありません。
骨壺は、陶磁器が一般的ですが、デザインに明確な決まりはありません。地域によるサイズの違いもあり、最近ではバリエーションに富んだデザインも登場してきました。デザインが変化しても、故人の遺骨を納め供養する目的はいつの時代も変わっておらず、目的を理解した上で自分(故人)らしいものを用意されるといいでしょう。
骨壺は英語で『Urn』
骨壺は英語に訳すと「Urn」になります。
例文1:火葬後、祖父の遺骨を骨壺に納める
After cremation, put the remains of my grandfather in an urn.
例文2:父の希望を受け、九谷焼の骨壺を用意した
At the request of my father, I prepared an urn of Kutani ware.
骨壺の歴史
今では火葬後に使用されることが一般的になった骨壺ですが、葬儀のスタイルや考え方が時代と共に変化することと平行し様々な変化を見せています。骨壺の歴史を簡単に紹介していきましょう。
骨壺は古くから使用されていた
飛鳥時代から平安時代は、火葬は高貴な人にだけ許された埋葬方法でした。その頃から骨壺は使用されており、中には貨幣と一緒に埋葬されている物も見つかっています。火葬が貴重なものだったことが想像できますね。当時の骨壺は蔵骨器(ぞうこつき)もしくは骨蔵器(こつぞうき)と呼ばれ、素焼きの土器である土師器(はじき)や甕(かめ)を用いた物が主流である一方、金属製もあるなどバリエーションが豊富でした。
鎌倉時代後期には一般庶民の火葬も普及
その後、鎌倉時代になると貿易を通して中国から青磁や白磁で造られた壺が伝わり、骨壺として使用するように。室町時代以降は一般の人の火葬も普及してきたため、青磁や白磁に加え、地域の特性を活かした雑器を用いるようになりました。
土葬の文化を残しつつ、墓地不足を回避するために火葬するケースも
江戸時代になると、土葬でなく火葬する選択がさらに増えるようになりました。その理由が墓として使用する土地が不足してきたためです。それまで同様に高貴な人の遺骨を納める骨壺は陶磁器が使用されていましたが、庶民はすぐ手に入る物で代用することも多くありました。
現代は骨壺ごと埋葬することが一般的
土葬を禁止している都市もあり、現代では火葬後の遺骨を骨壺に納めて埋葬することが一般的です。さらに、昔に比べるとデザインやサイズが豊富となり、後述しますが地域によるサイズの違いも生まれてきました。さらに家族の一員であるペットのための骨壺も登場し、使用されることが増えてきています。
東日本と西日本では骨壺の大きさが違う
骨壺のサイズは「㎝」ではなく「寸(1寸は約3.03㎝)」で表されます。一般的には2寸〜1尺(1尺は約30.303㎝)までの9種類のサイズがあります。幅広いサイズが存在する理由は、地域による習慣の違いや用途に合った選択を叶えるためです。
東日本では7寸サイズが一般的
東日本では、火葬した遺骨を全て納骨する風習があります。この風習は「総収骨」と呼ばれ、成人の場合であれば、7寸サイズの骨壺の使用が一般的です。
西日本では6寸サイズが一般的
一方西日本では、足や腰、腕、のど仏などの主要部分のみを骨壺に収める「部分収骨」という習慣があります。全ての遺骨を納めるわけではないため、成人の場合でも6寸サイズの骨壺の使用が一般的です。
地方の風習が自分の住まいの風習に必ず当てはまるわけではない
東日本に住んでいても「部分収骨が地域の習慣で骨壺は6寸サイズを用意する」といった例外ももちろん考えられます。東日本・西日本とはあくまで大きな区分で、各地の風習に必ずしも当てはまるとは言えません。お住まいの地域の風習が気になる場合は、葬儀会社やお寺などに確認してみるといいですね。
また遺骨の量で骨壺のサイズが変わるとはいえ、男性と女性でサイズを変更することは通常ありません。
素材・デザインはどんなものが主流?
骨壺の素材は、青磁や白磁などの陶磁器が主流です。他にも、大理石や金属製ガラス製のものなど様々な種類が登場しています。
さらに、シンプルなものだけでなく、有名窯元が手掛けた上品な絵柄が描かれたものや、可愛らしいデザインなど、素材だけでなく見た目も多様な骨壺が増えてきました。
オリジナルデザインを用意する人も
既存の骨壺を使用するのではなくオーダーメイドで用意される方や、ゴルフや野球ボールのデザインを象った骨壺など、個性的なデザインも増えてきました。このような個性的なデザインが増えた背景には、終活がトレンドになっていることが考えられます。
生前から骨壺を用意しておく方も増え、自分らしい最期を演出することが定番化しつつあるといえるでしょう。
通販サイトでも購入が可能
生前から骨壺を用意しておきたいと思う場合は、葬儀会社や仏壇店などで購入が可能です。さらにインターネットの通販サイトなどでも販売されています。どちらも様々なデザインを見比べて購入できるため、終活をすすめる場合は確認しておくと良いですね。
ペット用の骨壺も販売されている
近年、家庭で飼育しているペットも大切な家族の一員ととらえる方が増えています。亡くなった際は、ペット専用の葬儀場のなどを利用し火葬することも定着してきました。火葬後、遺骨を自宅に持ち帰り手元供養おこなう方も多く、ペット専用の骨壺も販売されています。
ペットの最期が近づいているのであれば、ペット葬儀の会社やインターネットを経由して骨壺の用意を検討しましょう。いざという時に備えておくことが大切ではないでしょうか。
処分方法について
陶器で出来ている骨壺は、中身を取り除けば一般廃棄物同様に処分することも可能です。しかし、骨壺と分かる場合は引き取ってくれない自治体も存在するため、注意が必要です。その場合は、廃棄前に骨壺を割り砕き、故人が誰かなどの特定ができないよう粉砕しましょう。
この他、専門の業者に依頼し引き取ってもらう事も可能です。処分費用も無料から数千円で済むため、割れない素材で出来ている物や、粉砕することに抵抗がある場合は利用されると良いでしょう。
骨壺とは遺骨を納めるために使用する壺のこと
青磁や白磁素材のシンプルな骨壺が一般的であるとはいえ、終活の普及を背景に様々なデザインの骨壺が登場しています。気に入ったデザインや希望のデザインがある場合は生前に用意しておくことも検討しましょう。ご自身で用意できない場合は、家族にリクエストしておく方法でもいいですね。
どのデザインであっても、遺骨を納め供養する意味合いは変わりません。地域の習慣にあったものを用意することや、お墓のサイズを事前に確認し、自分(故人)にあったデザインを検討していきましょう。