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霊安室とは?|意味や利用の基本ルールを解説

目次

霊安室とは遺体を一時的に安置する場所

霊安室とは、病院や警察署、斎場などで、故人の遺体を一時的に安置する場所として設置されている部屋です。「遺体安置所」とも言われますが、病院では霊安室と呼ぶのが一般的です。ここでは霊安室の意味や語源、利用の際に覚えておきたい流れや基本的なルール、さらには自宅で亡くなった場合の遺体の安置方法について解説します。

霊安室の意味や語源をチェック

霊安室とは、遺体を一時的に安置する設備です。病院や警察署、斎場のように、遺体を扱う可能性のある施設には、霊安室が設置されている場合があります。必ずしも全ての施設に設置されているわけではなく、会議室や個室を代わりに使用することもあります。

霊安室は英語で『morgue』

霊安室は英語で「morgue」または「mortuary」と訳します。イギリスでは「mortuary」が一般的です。フランス語の「morguer」に由来していて、もともとは身元不明の死体を保管する、死体公示所(したいこうじしょ)を指して使われていました。アメリカではこの意味が転じて、陰鬱(いんうつ)な場所を表現する際に使われることもあります。

例文1:母の遺体と病院の霊安室で対面した。

I met my mother’s body in the morgue of the hospital.

例文2:看護婦はその遺体をすぐに霊安室に運んだ。

The nurse immediately carried the body to the morgue.

世界の霊安室事情

遺体は長期間の保存が難しいため、世界の多くの国では3日以内に埋葬や火葬を行うのが一般的です。しかし中には、1か月以上も遺体を霊安室に安置する地域もあります。宗教や風習を重んじる地域では、葬儀を行うための供物の準備や資金集めに時間がかかり、葬儀をすぐに行えない場合があるからです。そのため病院の霊安室は、長期利用に対応していたり、複数の遺体を安置できる広めの部屋を設置していたりすることもあります。

霊安室の利用の流れと基本ルール

霊安室は故人の遺体を一時的に安置する仮置きの場で、長時間の安置はできません。あくまでも公共の施設なので、大切な人を亡くしたとはいっても個人的な使用には節度が求められます。ここでは、霊安室を利用する際の流れや基本ルールについて解説します。

死後の遺体のケアと霊安室までの流れ

病院で死亡した場合は、病室で遺体にいくつかのケアを施します。まずは「末後の水(まつごのみず)」の儀式を行います。「死に水をとる」とも呼ばれ、故人が死後の世界で喉が渇くことのないようにと願いを込める儀式です。臨終に立ち会った遺族や親族が血縁の濃い順に、湿らせた脱脂綿で故人の口元を軽く潤します。

その後、看護師が遺体の清拭(せいしき)や死化粧などのエンゼルケアを施したら、病室を出て霊安室に向かいます。主治医と看護師は病室からの見送りが最後となるので、お礼はここで済ませましょう。

利用期間と費用

霊安室の利用は、最大3時間までとしている病院が多く、費用はかかりません。遺族が遠方で遺体の引き取りに時間がかかる場合は、保管が可能かどうか病院に相談しましょう。病院には遺体を24時間安置する義務がありますが、霊安室の数が限られている場合は、早めに出るように促される可能性があります。

霊安室は地下や目立たない場所にある

病院の霊安室は地下や裏口の近くなど、あまり目立たない場所に設置されることが多く、館内地図に表示されていないこともあります。霊安室が暗く寂しい場所だったために、悲しみが余計に増したという経験を持つ人も。できるだけ早く落ち着いた安置場所に遺体を移送することは、故人の供養はもちろん、遺族の気持ちを癒すことにもつながります。

安置施設への遺体の移送

遺体の安置場所が決まったら、速やかに霊安室から移送しましょう。遺体を安全に移送するためには、葬儀社を利用するのがベストです。葬儀社に安置場所の確保や葬儀を依頼している場合は、移送費もそちらに含まれます。

なお、遺体は貨物扱いになるので、タクシーで運ぶことはできません。また、自家用車での搬送は、車の揺れで遺体が傷ついたり、体液が流れ出て車が汚れたりする恐れがあるので避けた方が良いでしょう。

霊安室を利用する際の注意点

病院での死亡が約8割とも言われる日本では、霊安室の回転率が高い一方で、複数の霊安室を持つ病院は限られているのが現状です。霊安室に親族や友人が来ても、次の遺体が控えていては、落ち着いた対応はできません。弔問を受けるのは安置する場所が決まってからにしましょう。

なお、病院の霊安室で遺体を棺に納めることや、霊安室から直接火葬場へ遺体を移送することはできません。葬儀を行わずに火葬する直葬(ちょくそう)を行う場合は、一旦安置所に移し、その後に火葬場に移送する必要があります。

自宅で臨終を迎えた場合の安置方法と費用

最期は住み慣れた自宅で迎えたい、という本人や家族の希望から、注目されている在宅死(ざいたくし)。病院で死亡した場合とは、手続きや遺体の安置方法が異なります。ここでは、自宅で臨終を迎えた場合の、手続きや遺体のケア、費用について解説します。

死亡確認は医師の診断が必要

本人が自宅での最期を希望し、かつ在宅診療を受けながら療養していた場合は、容体の変化や危篤状態に陥った時点で、かかりつけ医に連絡し訪問してもらいましょう。そこで臨終を迎えれば死亡確認がなされます。医師が死因を特定し、死亡診断書を発行することで法的に死亡が認められます。

また、療養歴がなく突然の死亡だった場合は、警察にも連絡する必要があります。その際は、事件や事故の可能性を確認するまでは、遺体を動かしてはいけません。遺体を警察に運んで検死が行われ、死因が特定されると死体検案書が発行されます。こちらも法的に死亡を確認する書類になります。

自宅での遺体のケア

死亡が確認されたら、遺体のケアを始めます。安全な場所へ遺体を安置し、「末後の水」の儀式を行います。その後のエンゼルケアや死装束の準備などは、葬儀社に依頼して行ってもらいましょう。

自宅に安置する際の費用

自宅に遺体を安置する場合は、遺体を安置するための布団や、遺体の腐敗を防ぐためのドライアイスの手配が必要です。布団は新品である必要はないので、自宅にある清潔な寝具を用意すればOKです。ドライアイスは葬儀社が手配してくれます。費用は1日あたり10,000~20,000円が相場です。

斎場の霊安室の利用方法と費用

自宅に遺体を安置したり棺を設置するスペースが確保できない場合は、斎場の霊安室を利用しても良いでしょう。複数の遺体を安置するため、1日の利用料は一般保管で5千円程度、冷蔵保管でも1万円程度と比較的安価です。遺体との面会時間や方法に制限がある斎場もあるので、利用規約は必ず確認しましょう。

まとめ:霊安室に長居は無用

霊安室はあくまでも遺体の仮置きの場です。決して、故人の霊が安らげる場所ではありません。故人の死を親しい親族や友人とともに偲ぶためにも、霊安室からはできるだけ早く出て、安らげる場所へ遺体を移すことが大切です。

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