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枕経は他の読経と何が違うの?枕経の服装やお布施についても解説

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枕経は臨終の際に不安なく旅立たせるために上げるお経

枕経(まくらぎょう)とは、臨終間近の人の枕元でお経をあげる儀式です。死への不安や恐怖を取り除き、迷いなくあの世へ旅立てるようにする意味があります。

現在は病院で亡くなるケースが多くなったため、枕経をすることは少なくなりましたが、臨終後に行われることもあります。

この記事では、枕経を依頼する際の準備やマナー、お布施、宗派による枕経の捉え方の違いなどを解説していきます。

枕経の準備

本来、枕経は危篤状態にある人の枕元でお経を上げる儀式ですが、現在は臨終後に遺体を自宅などに安置してから行うのが一般的です。

枕経の本来の意味から、臨終後すみやかに行うことが良いとされていますが、病室や霊安室で行うのは不適切です。入院患者や利用者には、返って不安な行為となるからです。

納棺までのごく短い時間に、限られた親族や知人だけで行うので、臨終を確認したら親族や故人と親しかった人たちに連絡をして集まってもらいましょう。

誰に依頼する?

枕経は菩提寺に依頼するのが一般的です。故人の臨終を知らせる際に、枕経についても依頼します。その際、故人の名前、生年月日、享年、死亡時間なども伝えます。菩提寺がない場合は、葬儀社に相談しましょう。

僧侶が到着すると、すぐに枕経をあげてもらうので、親族はそれまでに到着していることが望ましいです。枕経の時間は30~40分ほどです。

その後、僧侶に通夜や葬儀の日程を伝え、その際に依頼する僧侶の人数、戒名などの相談をしましょう。

あわせて、お布施の額についても確認します。お布施の金額については、菩提寺や地域によって大枠は決まっているので、確認することは失礼ではありません。

特に僧侶の人数と戒名のランクは、お布施の額に大きく関係するので、事前に確認することが大切です。

準備する物

遺体を安置する場所の枕元に枕飾りを用意します。

枕飾りとは、納棺する前に遺体の枕元に飾る小机(台)のことです。サイズは畳半畳~1畳に収まる程度のこじんまりした長方形で、白木のもの、もしくは白い布をかけて設置します。

その上に、香炉、ロウソク立て、花立の三具足(みつぐそく)と、水、一膳めし、枕団子などを備えますが、これは地域によっても異なるので葬儀社に確認すると良いでしょう。

枕飾りに必要なもの一式は、葬儀社に依頼もできるので、全て自宅で揃わなくても心配はありません。

服装のマナー

枕経は臨終前に行う儀式という性質上、喪服で参加するのはむしろ違和感があります。平服で参加するのが一般的です。

男性は、黒や茶、グレーなどの落ち着いた色のスーツで、靴下や靴は黒が好ましいです。女性も同じく落ち着いた色のスーツかワンピースで、ストッキングや靴は黒にします。

男女ともに、アクセサリーは結婚指輪以外は控えるのがマナーです。カフスやネクタイピン、ネックレスやピアス、イヤリングなどの着用は控えましょう。葬儀では着用しても良いとされる真珠も、枕経では控えた方がベターです。

学生の場合は、制服があれば制服で、ない場合は大人に準ずる服装にしましょう。

また、いくら平服とはいえ、Tシャツやジーンズのようなカジュアルすぎる服装はNG。大切な人を亡くし悲しみにくれる遺族への敬意を表すために、最低限の礼節を持ちましょう。

枕経のお布施はどうする?

結論から言うと、枕経だけでお布施をお渡しすることはありません。葬儀のお布施として、まとめてお渡しするのが一般的です。

枕経を依頼した菩提寺もしくは葬儀社が手配する僧侶に、通夜や葬儀もお世話になるので、葬儀でまとめてお布施を包むようにしましょう。

お布施の金額については、僧侶の人数によって異なるので、まずは何人お願いするのか検討します。

お布施は僧侶1人あたり5~10万円が相場です。伝統的な葬儀では3~4人の僧侶で執り行うのが一般的です。

しかし、都会では1~2人で行われる葬儀も少なくありません。菩提寺を持たない人が多くなり、葬儀は簡易に済ませたい人が増えているからです。

ただ、菩提寺によっては僧侶の最低人数が指定されることもあるようです。その場合、少ない僧侶で葬儀を執り行った場合、略式(正式な葬儀ではない)とみなされ、お墓に納骨を認めてもらえないこともあるので注意しましょう。

枕経の後にはお車代が必要

枕経が終わると、僧侶は一旦お帰りになります。その際に、お車代を渡すのがマナーです。

お車代とは、足を運んでいただいたことに対する謝礼で5千~1万円が相場です。

お車代はお布施とは違い、その都度お渡しするのが一般的です。そのため、葬儀で読経をあげていただいた場合は、僧侶の人数分のお車代が必要です。

お車代は白封筒に「お車代」と書き、切手盆に乗せてお渡しするのがマナーです。お布施とあわせてお渡しする場合も封筒は分けて、お布施が一番上になるように重ねてお渡しします。

枕経の際に葬儀や戒名について相談する

枕経には親族などのごく近しい人しか集まらないので、僧侶も交えて葬儀の相談をする良い機会です。

戒名は故人が仏門に入るための大切な名前で、ランクによって金額が異なります。戒名についても、僧侶に相談しながら決めると良いでしょう。

枕経の由来と宗派による違い

枕経の起源は平安時代にまでさかのぼると言われます。

もともとは、危篤状態からの回復を願って家族が仏にすがる想いで枕経を僧侶に依頼することもあったようです。

その後、時代を経て、今わの際にある人が仏弟子となり成仏できるようにする意味と、看取りをする親族の心を落ち着ける意味で行うように変化していったようです。

その意味では、看取りの一環として枕経が行われていたとも言えるでしょう。

現代では、たとえ自宅で看取ったとしても、死を予測して行う枕経には抵抗がある人が多いのではないでしょうか。

本来の目的からは外れますが、臨終後に枕経をすることが一般的になっているのも、仕方のないことと言えるでしょう。

宗派ごとの枕経の違い 

枕経は仏教の儀式ですが、宗派によって考え方や方法が異なります。

例えば、故人の枕元で枕経をする宗派が多い中で、浄土真宗では枕経とは言わず「臨終勤行(りんじゅうごんぎょう)」と言い、読経も仏壇や掛け軸に向かって行います。これは、死によって仏弟子になる機会を与えていただいたことを、阿弥陀様に感謝するためです。

一方、日蓮宗では故人が悟りを開き、成仏できるよう祈りを捧げます。その点では、故人に向けた読経と言えるでしょう。

また、神道やキリスト教など他の宗教では、枕経は行いません。

まとめ

看取りの環境や死生観の変化によって、現代の枕経は本来の目的を果たしているとは言えなくなっています。

しかし、たとえ臨終後であっても故人を尊び、遺族の気持ちを慰める意味では、枕経は意義のある儀式です。

枕経は故人の死を受け入れ、葬儀への覚悟を作る第一歩とも言える儀式なのです。

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