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流紋岩とは?花こう岩とは違う?特徴や用途、他の岩石との違いを解説
流紋岩とは火成岩の一種
流紋岩は、マグマが冷えて固まってできた岩石で、火成岩のひとつです。同じく火成岩である花こう岩とは、似た成分を持っています。色は白っぽいものが多いものの、なかには黒い流紋岩もあるため、色だけで判別することはできません。
流紋岩の特徴
岩石はそのでき方によって、火成岩、堆積岩(たいせきがん)、変成岩(へんせいがん)の三種類に分類されます。流紋岩が該当する火成岩はさらに火山岩と深成岩に分類ができ、流紋岩は火山岩に該当する岩石です。
表面の模様が名前の由来
流紋岩は、マグマが流れつつ冷えて固まってできたものです。流紋岩のなかには、このマグマの流れ模様が(流離構造)が、しま模様として見られるものもあります。流紋岩と言う名前は、このしま模様に由来しているのです。ただし残念ながら、実際に模様が見られる流紋岩はあまり多くありません。
流紋岩は英語で「rhyolite」
流紋岩は英語では「rhyolite」と呼ばれます。rheoはギリシャ語では“流れる”という意味を持ち、rhyaxは“溶岩流”のことを意味し、これが英語の「rhyolite」の由来です。
流紋岩を含む火成岩の種類と違い
流紋岩が該当する火成岩とは、火山のマグマが冷えてできる岩石のことを指します。そしてこのマグマが冷える早さによって、火成岩は火山岩(かざんがん)と深成岩(しんせいがん)にさらに分類されます。
流紋岩はマグマが冷えてできる火成岩ですが、そのなかでも火山岩に当てはまる岩石です。
火山岩と深成岩
マグマの冷える早さは、マグマがどこで冷やされるのかで決まります。比較的浅い地表近くではマグマは急激に冷やされますが、地下深くではゆっくりと時間をかけて固まっていきます。この前者を火山岩、後者を深成岩と呼ぶのです。
そして含まれる組織成分によって、さらに火山岩は流紋岩、安山岩、玄武岩の三種類に分かれ、深成岩は花こう岩、閃緑岩、斑レイ岩の三種類に分けられます。
組織成分の違い
火山岩と深成岩は、含まれる鉱物の色によっても見た目の色が異なります。岩石の種類と色の対応については、表にして確認しておきましょう。
分類・色 | 白 | 灰色 | 黒 |
---|---|---|---|
火山岩 | 流紋岩 | 安山岩 | 玄武岩 |
深成岩 | 花こう岩 | 閃緑岩 | 斑レイ岩 |
花こう岩と流紋岩の違い
流紋岩と花こう岩は含まれる成分はとても似ています。花こう岩は墓石の素材としてもよく使われる石材であり、目にする機会も多いでしょう。
しかし、これらはマグマの冷え方が異なり、深成岩である花こう岩に対して流紋岩は火山岩です。そのため岩石の結晶構造が、大きく異なります。含まれる成分は似ていても、流紋岩と花こう岩は性質も見た目もまったく違い、用途も異なる岩石なのです。
流紋岩の用途
流紋岩は、陶磁器やガラス製品によく用いられます。天然ガラスとも呼ばれる黒曜石やピッチストーンなども流紋岩に属しており、ガラス工芸品などで目にすることができます。
流紋岩は墓石には適さない
流紋岩は、お墓でよく使われる花こう岩と成分が似ています。ですが前述のとおり、流紋岩と花こう岩はまったく別の特徴を持つ岩石です。
流紋岩はマグマが急速に冷えるため結晶構造が不均一となり、密度が低くなり岩石となり、頑丈とはいえない硬さです。一方、結晶構造が均一な花こう岩はとても硬く、頑丈な石となります。そのため、花こう岩は墓石に適した素材であるのに対し、流紋岩は墓石に適さず、ほとんど使われません。
まとめ:流紋岩はマグマからできた岩石でガラス製品や陶磁器に使われる
マグマが急激に冷やされてできた流紋岩。独特なしま模様は溶岩の流れを示し、またその名の由来ともなっています。岩石の特徴を覚えておくと、石材選びの際の参考にもなりますよ。