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死水とは?|意味や歴史、作法を解説

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死水(しにみず)とは亡くなった直後に故人の口に水をつける儀式

死水(しにみず)とは、亡くなった直後、臨終(りんじゅう)に立ち会った人が故人の口元を水で湿らせる儀式です。一般的には「死水をとる」と表現し、「末期の水(まつごのみず)」ともいわれます。ここでは、死水の意味や歴史、作法について解説していきます。

死水の意味や起源をチェック

死水は、臨終後、最初に行う儀式です。死水をとる目的は、死後の世界でも故人が喉が渇かないよう、安らかな旅立ちを願って口を湿らせるという説が一般的ですが、他にも「生き返らせるため」や「死者の穢れ(けがれ)を清めるため」など諸説あります。

病院で亡くなる人が8割を超える日本では、病院で死水をとることが比較的多いですが、親族が全員そろうのを待ち、遺体を自宅や斎場などに移してから行う場合もあります。

死水をとるは英語で『attend somebody’s deathbed』

死水をとるは、英語で『attend somebody’s deathbed』と表現します。正確には、誰かの死に床に立ち会うという意味ですが、死水をとる習慣のない英語圏ではこちらの表現の方が伝わりやすいでしょう。

「死水(しすい)」は、dead waterと訳しますが、こちらは航海用語で用いられる静止状態の流体領域を表す言葉で意味が異なります。

例文1:

私は母の死の床に立ち会った。

I attended my mother’s deathbed.

例文2:

もっとも辛かったのは、妻の死水をとった経験だ。

The most painful experience is attending my wife’s deathbed.

死水の起源と目的

死水の起源は、お釈迦様の入滅(にゅうめつ)、すなわちお亡くなりになった時のエピソードに由来するという説が有力です。最期を悟ったお釈迦様は弟子に喉の渇きを訴え、水を欲されました。川が濁っていて弟子が水をささげられずいると、雪山に住む鬼神(きしん)があらわれ澄んだ水をささげ、お釈迦様は喉を潤して安らかに旅立つことができたといいます。このエピソードから、故人の安らかな旅立ちを願うために、死水をとるようになったといわれています。

その他には、医療技術が未発達だった時代に、水を含ませて喉が動くかどうかを見て臨終確認を行ったという説や、故人のよみがえりを願ったという説、神式では死者の穢れを清めるためという説もあります。

現在は臨終の直後に行うのが一般的ですが、かつては臨終間際に行っていました。蘇生(そせい)を願う気持ちと、喉を潤し安らかに息を引き取らせてあげたいという、遺族の気持ちによるところが関係していたといわれています。

死水の作法とマナー

死水をとるのは、家族や親族など近しい人の臨終に際しての場合がほとんどで、頻繁に経験する儀式ではありません。そのため、死水をとるという言葉は知っていても、作法やマナーについては知らない人も多いでしょう。ここでは、死水をとるタイミングや場所、必要な物や作法、死水をとる順番などについて解説します。

死水をとるタイミング

かつては臨終間際に行われていた儀式ですが、現在は臨終前に行うのは死を予測した不謹慎な行為と感じる人もいます。そのため、臨終直後に一連の葬儀の最初の儀式として行われるのが一般的です。

病院で亡くなった場合は、医師の死亡宣告を受けた後に、看護師や専門スタッフが死水をとる準備や進行をサポートしてくれるので指示に従って進めましょう。病室や霊安室は使用できる時間に限りがあるので、臨終に立ち会った遺族や近親者のみで執り行います。

一方、病院以外で亡くなった場合や近親者がそろってから行う場合は、家や斎場に遺体を安置した後に、葬儀社や訪問介護のスタッフの指示に従って執り行います。死水はできるだけ多くの人にとってもらうことが望ましいとされているので、近親者がそろうのを待って行うようにしましょう。

死水に必要な道具

死水をとる際に必要になる道具は、次の4つです。自宅で行う場合は自分で用意する必要があります。

・ガーゼor脱脂綿(地域によっては、鳥の羽や菊の花の場合も)

・割り箸or新品の筆

・お椀(わん)や湯のみなど水を入れられる容器

・顔拭き用の布

死水をとる際の作法

割り箸もしくは新品の筆の先に、ガーゼもしくは脱脂綿を白い糸などでくくりつけます。お椀や湯のみに水をくみ、ガーゼを水に湿らせて故人の唇にあてます。

まずは上唇を左から右に、次に下唇を左から右に、脱脂綿でなぞるように湿らせていきます。この手順を1人が1回行います。この時、口を無理やり開けたり、繰り返し行うのはマナー違反です。

最後に故人の顔をきれいに拭いていきます。おでこ、鼻、あごと顔の上から下の順に、左かから右に優しく拭きましょう。

死水をとる人の順序

死水をとる順番は、故人との関係が深い人から行うのが基本です。以下の順番を参考にしてください。

配偶者→子→親→兄弟姉妹→子の配偶者→孫→叔父叔母・いとこ→その他の親族

ただし、小さな子どもは無理に行う必要はありません。箸を上手く使えず遺体を傷つける恐れや、子どもの負担になる可能性もあります。子どもの成長は個人差があるので、参加するかしないかは状況に応じて判断すると良いでしょう。

まとめ:死水をとるのは故人の死を受けとめる最初の儀式

死水をとるのは、残された家族と悲しみを分かち合い、故人の死を受けとめるファーストステップとなる儀式でもあります。死水をとる意味を理解しないまま儀式に参加しても、故人を心から偲び、死に向き合うことは難しいでしょう。死水をとる目的を理解しておくことは、大切な人の死に直面した時の心構えにもつながります。

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