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袈裟はどこで買える?種類は?お手入れ方法は?意味や起源まで徹底解説!

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目次

袈裟とは仏教僧侶の制服

僧侶が身につける袈裟(けさ)。仏教僧侶の制服である法衣(ほうえ)の一種で、一番外側に左肩から斜めにつけるのが特徴です。僧侶の階級によって身につける袈裟の色が異なるので、僧侶の階級を知る目安にもなります。

お遍路(おへんろ)をはじめとした霊場の巡礼の際には、動きやすいよう略式の輪袈裟(わけさ)を使うのが一般的です。

ここでは、袈裟はどこで買えるのか、種類や着方、お手入れ方法をはじめ、意味や起源、階級との関係について解説していきます。

袈裟はどこで買えるの?

袈裟は、法衣専門店のほか、通販サイトでも購入できます。

専門店では僧侶が法要で着用する七条袈裟(しちじょうけさ)の仕立てから、既製品まで幅広く取り扱っていて、こちらは僧侶向けといったところ。既製品の輪袈裟が5000円~5万円ほど。オーダーメイドの七条袈裟(しちじょうけさ)では安いものでも約30万円~、高級品になると500万円以上になることも!

一方、通販サイトはお遍路に便利な輪袈裟や半袈裟(はんけさ)を中心に扱っているショップが多く、気軽に購入できるので在家信者(ざいけしんじゃ)の方にもおすすめです。価格も2千円前後~とリーズナブルです。

袈裟の種類と着方

袈裟にはさまざまな種類がありますが、共通しているのは、複数の長方形の布を縫い合わせて大判の長方形の布に仕立てている点です。複数の布は田んぼの形の象徴であり、そのため袈裟を福田衣(ふくでんえ)とも呼びます。

ここでは、袈裟の種類ごとの特徴やつけ方、お手入れ方法を紹介します。

袈裟の種類

袈裟は正式には、大衣(たいえ)上衣(じょうい)中衣(ちゅうえ)の三種類の三衣(さんね)から成り、大衣は正装用、上衣は修行用、中衣は日常生活とされています。

また、機動性を重視した輪袈裟や禅宗で使われる絡子(らくす)、浄土宗の威儀細(いぎぼそ)など、目的や宗派によって袈裟の種類も異なります。

九条袈裟(くじょうけさ)

もっとも格式の高い大衣として僧侶が用いる袈裟です。小さな布片が縦に9列入っていることに由来して九条袈裟と呼ばれています。かつては王宮にまねかれた際の正装として着用していました。現代では、説法の際や特別な法要の際などに着用します。

七条袈裟(しちじょうけさ)

上位として僧侶が用いる袈裟で、もともとは普段着として修行に用いられていましたが、日本では葬儀や法要で礼装として身につけるのが一般的です。縦に7列の布が縫い付けられていることに由来します。

五条袈裟(ごじょうけさ)

中衣として僧侶が用いる袈裟で、縦に5列の布が縫い付けられており、さらに肩ひもがついているのが特徴です。肩ひもの部分は威儀(いぎ)といい、威儀は左肩にかけて着用します。七条袈裟がヒザ下まで覆うサイズなのに対して、五条袈裟は膝上サイズで動きやすく普段着としてはこちらをつけるのが一般的です。

その他の袈裟

輪袈裟(わけさ)は袈裟を細長く折りたたみ、首からかけられるように仕立てた袈裟です。布の先に紐がついた半袈裟(はんけさ)は輪袈裟をさらに簡略化したタイプです。僧侶が日常的に使うだけでなく、在家信者も仏教徒として正装する際には輪袈裟を使います。

禅宗の絡子と浄土宗の威儀細は、いずれも布片を縫い合わせた長方形の布に威儀がついた袈裟で、威儀を首からつり下げてつけます。絡子には威儀の片方に環(かん)が付いているのが特徴です。威儀細は環がついていないので見分けがつくでしょう。

袈裟の着方(正式には「つけ方」)

僧侶が袈裟をつける場合は、左肩から右脇の下に斜めにつける偏袒右肩(へんたんうけん)が一般的です。これはお釈迦様が両肩を覆う通肩(つうけん)で袈裟を身につけているのに対して、右肩を出し敬意を表したことに由来します。不浄な手とされる左手を布で隠し、右手を働かせて尽くすという、仏への崇拝を表す意味が込められています。つけ方や結び方は、正式な定めがありとても複雑です。

一方、輪袈裟は首からかけるだけなので、特につけ方を練習する必要はありません。遠方の巡礼に行く際も、持ち運びやすくつけ方も簡単です。

袈裟のお手入れ方法

袈裟は基本的に水洗いを想定して作られていないため、水洗いをすると色落ちやほころびが生じる恐れがあります。袈裟専門のクリーニング業者に依頼するのが無難でしょう。

また輪袈裟であれば、一般のクリーニング店でもドライクリーニングをしてくれる場合があります。自宅で手入れする際は、デリケート用洗剤で優しく押し洗いし、しぼらずに形を整えて陰干ししましょう。

「袈裟を洗うと徳が落ちる」と言って、洗わずに消臭スプレーと陰干しで済ませる場合もあるようですが、お遍路のような長い道のりを歩く巡礼では、輪袈裟にも汗や汚れが付着しやすく、汚れを放置すると汗染みや臭いの元になります。

気持ちよく参拝するためにも、定期的なお手入れをおすすめします。

袈裟の意味や起源をチェック

袈裟はインド伝来の仏教僧侶の衣装のひとつで、細かい布を縫い合わせて長方形の1枚の布に仕立てているのが特徴です。インドや東南アジアの僧侶は黄土色や赤褐色に染めた袈裟を直接身につけているのに対し、日本の僧侶は下に法衣を着た上から、装飾的に袈裟をつけるのが一般的です。

袈裟は英語で『surplice』

袈裟は英語で『surplice』または『stole』と表現します。stoleは日本でもファッションアイテムとして知られるストールと同じ表現なので、『Buddhist priest’s stole』と言った方が、より袈裟の本質が伝わるでしょう。

また、袈裟の語源であるインドの『kasaya』をそのまま英語としても使う場合もあります。ただし、仏教信者や仏教に精通している人以外には理解されない可能性があります。

袈裟の起源と伝来

袈裟が生まれたインドでは、袈裟を「カーシャーヤ」と呼び、日本語の袈裟もこの音に漢字をあてたものです。

仏教では出家した僧侶は私有財産を持つことが禁じられており、衣類もまた財産のひとつとされました。そのため、捨てられたボロ布や死体置き場にあった死者の衣類、汚物を拭く布など、不用とされる布を拾い集めて縫い合わせ、身に着けたのが袈裟の起源といわれています。この名残から、新しい布を使う現代でも、袈裟は小さな布を縫い合わせて仕立てられます。

インドでは在家信者と区別するために、袈裟に使う布は草木や鉄の錆(さび)などで染め直していました。現在でもインドや東南アジアでは、質素な褐色の袈裟をまとった仏教僧侶の姿を目にします。

一方、日本の袈裟は種類や色が豊富で、複数の法衣の一番上に装飾的につけるのが一般的です。インドから中国に仏教が伝来する過程で、袈裟だけでは寒さをしのげず衣類を着た上に袈裟をつけたことが、日本の袈裟の原型になったといわれています。

日本では袈裟にきらびやかな色も用い、僧侶の位を表す意味を持つなど、独自の発展を遂げました。

袈裟の色と階級の関係

僧侶の階級に袈裟の色を用いるようになったのは、推古天皇の冠位十二階(かんいじゅうにかい)が始まりです。僧侶も位ごとに着用する色が定められ、当時の最上位の色は紫でした。江戸時代までは、紫色の袈裟は天皇の許可無しには身につけることは許されなかったといいます。

現代は、出家から年数がたつごとに僧侶の階級が上がり、身につける袈裟の色も変化していきます。多くの宗派で、緋色(ひいろ)もしくは紫色が、もっとも階級の高い色です。その下は、緑、黄色、茶色などで、宗派によって扱いが異なります。

また、黒色はかつてはもっとも下位の僧侶が身につけていましたが、現代では階級に関係なく用いられています。

まとめ:袈裟は仏教徒の正装衣装

袈裟は僧侶だけでなく、仏教徒の正装に欠かせない衣装です。日本では、着用する場面や目的にあわせて、さまざまな種類の袈裟が発展していったことは興味深いですよね。僧侶以外、普段は馴染みのない袈裟ですが、巡礼に行く際には袈裟を身につけてみてはいかがでしょう。

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