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火葬許可証を紛失してしまったら?申請・発行・再発行の方法と埋葬許可証との違いについても解説
火葬許可証とは火葬にも埋葬にも必要な書類
火葬許可証は文字通り火葬を許可するもので、市区町村役所が発行する公的な書類です。
火葬許可証無しには火葬はもちろん、墓に納骨することもできません。
それだけ重要な書類なのですが、万が一、紛失してしまったら…
この記事では火葬許可証の申請から発行の流れと、許可証が必要な場面、さらに紛失した場合の再発行の手続きについても解説していきます。
火葬許可証の申請と発行は市区町村の役所で
火葬許可証については、「墓地、埋葬等に関する法律」の中で定められています。
火葬の許可を与えるのが市区町村長で、役所で手続きをすると火葬許可証が交付されます。
さらに法律では、火葬場の管理者は火葬許可証を受理後に火葬を行うことや、火葬後は必要事項を記入して遺族に書類を返還することなども定められています。
出典:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)|厚生労働省
火葬許可証はどこの市区町村役所で発行してもらう?
火葬許可証の申請には役所で死亡届を提出する必要がありますが、問題はどこの役所に届け出るのかです。
法務省では、以下のいずれかの役所に提出することを定めています。
- 死亡地
- 死亡者の本籍地
- 届出人の所在地
死亡した人の所在地は含まれないので注意しましょう。
なお、死亡届は死亡した日から7日以内(国外の場合は3か月以内)に提出することも定められています。
災害などで火葬の日程が遅れる場合も、届出は必ず7日以内に行いましょう。
火葬許可証の発行の流れ
所定の役所に必要書類を提出すると、その場で火葬許可証が発行されます。
基本的には土日祝日でも対応してくれますが、対応時間や発行にかかる時間は、それぞれの役所ごとに違うので確認しましょう。
死亡診断書または死亡検案書を受け取る
病院で亡くなった場合は、死亡を確認した医師が死亡診断書を書きます。
入院していなくても、医師が自宅療養を認め自宅で死亡した場合などは、主治医が死亡診断書を発行します。
一方、通院や既往歴がなく突然亡くなった場合は、警察による検視が行われる場合があります。その際に発行されるのが、死亡検案書です。
いずれも死亡を公的に認める書類で、火葬許可証の発行にはこれらの提出が必要です。
死亡届と死亡診断書を役所に提出
死亡届は死亡診断書または死亡検案書と一体になっています。用紙の左側の空白の部分が死亡届になっているので、必要事項を記載しましょう。
死亡届も死亡診断書も提出後は戻って来ないので、何枚かコピーをとっておくことをおすすめします。金融機関での相続に関する手続きや、保険金の請求手続きなどで死亡診断書が必要になることがあるからです。
また、死亡届の手続きは申請者も法律で定められているので、注意が必要です。
法律では以下のいずれかの者が行うこととされています。
- 親族
- 同居者
- 家主
- 地主
- 家屋管理人
- 土地管理人等
- 後見人
- 保佐人
- 補助人
- 任意後見人
- 任意後見受任者
とはいえ、実際には葬儀社が届出と火葬許可証の取得を代理で行うケースがほとんどです。
葬儀社を通さず家族葬や直葬などをする場合は、親族や条件を満たす人が手続きを行いましょう。
火葬許可証発行
死亡届が受理されると、火葬許可証が発行されます。
基本的には手続きをしたその場で発行されますが、土日休日や夜間に提出した場合は、翌日の業務時間内に発行されることもあります。
火葬許可証が必要な場面
火葬許可証が必要になるのは、次の場面です。
火葬
火葬は所定の火葬場で行うことが定められていて、火葬場の管理者は必ず火葬許可証を確認しなければなりません。
火葬は死後24時間経過しなければ行うことができないので、時間を確認するうえでも火葬許可証は重要な書類です。
葬儀会場から火葬場に移動する際は必ず持参し、火葬場の管理事務所に提出しましょう。
埋葬
埋葬に必要なのは正確には埋葬許可証ですが、火葬済の印を押された火葬許可証が埋葬許可証を兼ねるのが一般的です。
埋葬とは焼骨または遺体を土の下に埋めることですが、日本の火葬率は99.9%と非常に高く、火葬後は納骨をするのが一般的です。そのため、火葬が済んだことがわかる火葬許可証を提出すれば、納骨が認められるのです。
遺体をそのまま埋葬し土葬にする場合は、役所から埋葬許可証を取る必要があります。
火葬許可証を紛失した場合は再発行してもらう
もし、火葬許可証を紛失してしまったら、同じ自治体の役所にできるだけ早く再発行の依頼をしましょう。
5年以内であれば、控えが残っているので再発行してくれます。
葬儀中は火葬許可証を葬儀会社が預かってくれることが多く、火葬場で火葬許可証を戻される際も紛失防止のために骨壺に入れて戻してくれるので、火葬場で紛失する心配はほとんどないでしょう。
問題は自宅で保管する際の紛失です。
四十九日までは骨壺を自宅に置いて供養するのが一般的ですが、墓がまだない場合などは、一周忌やそれ以上の期間、納骨ができない場合もあります。
期間が長くなると保管場所を忘れてしまうこともあるので注意が必要です。
また、5年以上経過すると再発行が難しくなる可能性があります。コピーも取り大切に保管しましょう。
埋葬許可証と火葬許可証の違い
火葬許可証と混同されやすいのが、埋葬許可証です。
埋葬許可証は文字通り、埋葬に必要な公的書類で火葬許可証と同じく、役所で発行してもらいます。
ただ実際には、火葬と埋葬の許可証を同一様式で発行している自治体がほとんどです。
埋葬許可証は遺体や遺骨を土に埋めるために必要な書類ですが、土葬ができる霊園や墓地は日本では限られているので、実質的には納骨の際に必要な書類と言って良いでしょう。
火葬場で火葬許可証を提出し、火葬済の印を押されると埋葬許可証として使用できます。
埋葬許可証を発行してもらう場合の注意
親族の希望で複数の墓地に納骨する場合は、遺骨を分ける分骨を行います。
分骨をする場合は、それぞれの墓地の管理者に埋葬許可証を提出する必要があります。
火葬場に事前に分骨の希望を伝え、必要な枚数を発行してもらいましょう。
また、火葬場によっては分骨証明書が発行される場合もあります。
まとめ
火葬許可証は火葬や埋葬のための公的な書類です。納骨まで必要な書類なので、大切に保管しましょう。
万が一、紛失した場合は早めに再発行の手続きをすることをおすすめします。5年以内であれば、基本的には再発行してもらえますが、それ以降は再発行が難しくなる場合もあるので注意が必要です。