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葬送の流れは?葬送の意味や歴史、世界の葬送について解説
葬送とは葬儀後に遺体を火葬場または墓まで運び送ること
葬送とは、葬儀会場から遺体を火葬場もしくは墓まで遺族、会葬者が運び送ることです。現代は実際に棺を担いで運ぶのは、祭壇から霊柩車までと短く、会葬者が棺の後に続いて葬列を作ることもほとんどありません。そのため現代で葬送といえば、出棺から火葬場まで棺と喪主を乗せた霊柩車や、親族や近親者を乗せたマイクロバスが列を成して向かうことを指すことが多いようです。ここでは、葬送の流れをはじめ、意味や歴史、世界の葬送について解説していきます。
葬送の流れ
葬送について簡単にイメージすると次のようになります。
葬儀→葬送→火葬
葬送には出棺をはじめ様々な儀式が含まれます。ここでは、葬送の一般的な流れを紹介しますが、地域によって葬送の意味合いや手順は異なる可能性があるので、詳しくは葬儀社などに確認することをおすすめします。
- お別れの儀
祭壇から棺をおろし、棺の蓋を開け故人の周りに花を飾ります。故人との血縁が濃い順に花を手向けます。
- 釘打ち
棺の蓋(ふた)に釘を打ち、故人と決別する儀式です。故人と血縁の濃い順に小石で2回ずつ釘を打ち付けます。
- 棺を霊柩車へ運ぶ
遺族や親族で棺を持ち霊柩車へ運びます。
- 喪主挨拶
喪主が会葬者に挨拶をします。この際、霊柩車の扉は閉めずに挨拶をします。
- 火葬場へ出発
霊柩車の扉を閉め、火葬場へ出発します。霊柩車がクラクションを鳴らすのにあわせ、会葬者は合掌し見送ります。
- 火葬場へ向かう
棺を乗せた霊柩車には喪主が乗車し、他の親族や近親者はマイクロバスなどに乗りあわせて火葬場へ向かいます。
葬送の意味や歴史をチェック
葬送は葬儀を終えた故人の遺体を、火葬場や墓地まで送る一連の儀式です。世界でも宗教や文化にあわせた葬送が行われています。
葬送は英語で『funeral procession』
葬送は英語で、葬儀や葬式を意味する『funeral』と直訳しますが、日本語の葬列の意味も含むと、葬儀の行列と言う意味を表す『funeral procession』の方がより適しています。
例文1:レーガン元大統領の葬送は5日間にもおよんだ。
Former President Reagan’s funeral procession lasted five days.
例文2:レーガン元大統領の葬送はアメリカ大統領経験者としては31年ぶりの国葬となった。
The funeral procession of former President Reagan was the first state funeral in 31 years for an experienced US president.
日本の葬送の歴史
かつて日本では、自宅で葬儀を行うのが通例で、葬送には「野辺送り(のべおくり)」を行うのが一般的でした。野辺送りとは、遺族や親族が棺を担ぎ、その後を会葬者が葬列を作って練り歩く風習です。土葬が一般的だった江戸時代は遺体を座らせて安置する座棺(ざかん)が広く使われており、座棺に担ぎ棒をつけて、その前後を遺族や親族が肩に担ぎ、火葬場や墓までの道のりを練り歩いたと言われています。棺に神輿のような飾り付けを施すこともあり、この装飾が現代の霊柩車のモデルにもなっています。
また、自宅から遺体を運び出す際の儀式や作法もありました。代表的なものは「棺は玄関以外の縁側や裏口などから運び出すこと」「棺は3回まわしてから埋葬すること」などです。これらは自宅の方角をわからなくする意味があり、死者の霊が現世と決別して迷わずに旅立てるようにするための習わしだったと言われています。現在も、一部の地域ではこの風習が残っていて、棺も実際に担いで運ぶ場合があるようです。霊柩車が往復で違う道を走るのも、同様の目的です。
世界の葬送
死者を埋葬地まで送る葬送の習慣は世界各地にあり、それぞれの文化と融合してざまさまな葬送のスタイルが受け継がれています。
イギリスでは黒馬が馬車を引く「霊柩馬車」があり、霊柩車が普及した現代でも、伝統に則った葬儀を望む人から根強い人気があります。
アメリカでは霊柩車は警察が先導し、その後を会葬者が個々の車で追走するのが一般的です。信号でも葬列の車両が優先となり、葬列の車両を追い越すことはマナー違反とされています。一方、元大統領のような重要人物の葬送は国葬扱いとして、道路を封鎖して霊柩馬車で棺を運ぶこともあるようです。
インドでは棺は用いず布に遺体を包み、台に乗せて火葬場まで運ぶのが一般的です。
また、インドと同じくヒンドゥー教信仰のあるバリ島では、遺体を布や植物で編んだマットで包み棺に入れ、竹を組んだ山車(だし)に乗せて火葬場まで担いで運ぶのが一般的です。葬送はガムラン(鉄製の打楽器)の楽団が先導し、お祭りのようなにぎやかな雰囲気で行われます。村人全員が火葬場まで見送り、火葬を見届けた後、遺族や親族が故人の灰を海まで流しにいくところまでが葬送の一連の流れです。
まとめ:葬送の方法は変わっても本質は変わらない
現代では、葬送と言えば出棺から火葬場へ出発するまで、もしくは火葬場へ霊柩車やマイクロバスで向かうところまでを指します。かつてのように棺を担ぎ、その後を葬列が追走する風習はほとんど見られなくなりましたが、方法は変わっても故人の冥福を祈るという本質は生きています。