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伽藍(がらん)とは?配置や意味、宗派による違いをわかりやすく解説
「伽藍」とは僧侶が集まり修行する清浄な場所
伽藍(がらん)とは、僧侶が集まって修行する清らかで広い静かな場所を指す言葉。語源はサンスクリット語(梵語)の「サンガラーマ」で、この言葉を音写して「僧伽藍摩(そうぎゃらんま)」「僧伽藍」となったものが略され、「伽藍」になったと言われています。
転じて「大きな寺」や「寺院」という意味も持つ
僧が集まり修行をする場所という意味から転じて、伽藍は「大きな寺」や「寺院の建物」という意味も持つようになりました。一般的に「伽藍」といえば、寺の敷地内にあるお堂や塔、門などの総称として建築物全体を意味します。
伽藍の構成と伽藍配置
伽藍は主に、山門、本堂、仏塔、講堂、庫裏(くり)、食堂(じきどう)、鐘楼(しょうろう)、東司(とうす)などの建築物から構成されています。また「伽藍配置」とは、これらの主要な建築物の配置方式を指したものです。
具体的な構成や配置は宗派や時代によって変わる
伽藍が指す構成物や、配置の方式は、宗派によって変わるのはもちろん、時代によっても変わります。
たとえば、奈良時代までは本堂を中心として、建物は左右対称に配置されるのが一般的でした。ところが平安時代以降は、山の斜面に建設される寺院も増えたため、左右対称にならない配置も多く見られるようになりました。
七堂伽藍(しちどうがらん)とは必要な設備すべてがそろっていること
七堂伽藍(しちどうがらん)とは、お堂など必要な設備がすべてそろった状態のこと。
古くは金堂、塔、講堂、鐘楼(しょうろう)、経蔵(きょうぞう)、僧坊(そうぼう)、食堂(じきどう)の七つの建物があるものを伽藍とし、これを七堂伽藍と呼びました。
その後の七堂伽藍の構成は、時代によっても変わり、さらには宗派や地域によっても異なります。また実際の建物が7個である必要もありません。今では主要な建築物がひと通り揃った寺院を形容する言葉として用いられます。
伽藍を用いた比喩表現
伽藍という言葉自体はあまり用いることはないかもしれません。ですが、伽藍を用いた比喩表現は今も多くの場面で使われています。
がらんどう
がらんどうとは、大きな建物や広い室内で“何もなく広々とした様子”のことを指して使う言葉です。もしくは「がらんとしている」といった言葉を使うこともあるでしょう。
この言葉はもともと「伽藍(堂)」が語源となっています。伽藍の内部は、僧侶が集まって修行するためとても広々とした空間でした。そのためこのような比喩表現が生まれたとも言われています。