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葬祭業は葬儀屋だけではないの?葬祭業の職種や資格ついても解説
葬祭業とは葬儀や祭事の執行を請け負う事業
葬祭業とは葬儀や祭事の運営を請け負う事業のことです。
葬儀業と混同されやすいですが、厳密には葬儀業は葬儀のみの運営に関わる事業を意味します。
例えば、生花店やホテルなども葬祭に関わるならば葬祭業ということになります。
現在のところ、葬儀や葬祭の執行に必要な公的資格はなく、自治体への届出も不要です。
そのため地域によっては、農協や生協が葬祭事業を行っている場合もあります。
この記事では、葬祭業として厚生労働省が示している基準や葬祭業に関係する資格について解説していきます。
厚労省が示す葬祭業の基準とは
繰り返しになりますが、葬祭業には事業を始めるための資格や許可は必要なく、従業員に求められる資格もありません。
その一方で、葬儀は遺族にとって重要な意味を持つ儀式であり、事業者によって葬儀の質が大きく変わるのは問題です。
そこで、厚生労働省は葬祭業に従事する人の資質を向上させるために、職業能力基準を設定しました。
この基準では、執行業務、企画・営業、生花の3つの職種に分類して、それぞれの職種の業務を以下のように規定しています。
職種 | 仕事内容 | 具体的な業務 |
執行業務 | ご遺族等と打ち合わせを行って葬儀の段取り準備を整え、会場の設営、式典の運営等を行うとともに、葬儀後のアフターケア、苦情があった場合の対応等を行う仕事。 | 事前相談葬祭企画見積り、受注搬送遺体処置・湯灌、納棺会場設営式典運営アフターケア施行業務管理葬具管理 |
企画・営業 | 顧客ニーズや、地域動向に対応する、新しいサービスなどの企画・立案や、個人・企業・病院・団体等に対する営業活動を推進する仕事。 | 【企画】 市場・地域動向等の調査・分析新サービスの企画・立案 【営業】 営業管理営業活動アフター営業 |
生花 | 祭壇や装飾で使用する生花の仕入れ、保管、企画・デザイン、製作、設営・撤収などを行う仕事。 | 仕入れ保管企画・デザイン製作設営・撤収 |
さらに、職種ごとに求められる能力の評価基準として、4段階のレベルを目安として設定しています。
レベル1は葬祭業の会社に入社して、葬儀の基本知識を身に着けていく段階で、スタッフや担当者と言われる立場です。
個人葬の執行に携わりながら、知識を経験を積んでいく段階と言えるでしょう。
一方、もっとも高いレベル4になると、部長や統括責任者という立場で、あらゆる葬儀についての体系的な知識を持ち、顧客満足を実現させる能力が求められます。
あらゆる葬儀とは、社葬や合同葬のような大規模な葬儀も含みます。
こうした大規模な葬儀では参列者が多いので、会場の設営や葬儀の進行など、滞りなく式を遂行できるようスタッフを統括するためのリーダーシップ力も重要です。
高齢化社会では、葬祭業の需要はさらに高まり競争も激しくなっていくことが予想されます。
その中で、葬祭業者にもスキルアップが求められていると言えるでしょう。
葬祭業に関係する資格
葬祭業に携わる人なら、取得しておくと有利な資格があります。
利用者は葬祭業者の歴史や実績または付き合いの有無などを、選ぶ際の基準としていた傾向がありますが、今後は以下に紹介するような資格がセールスポイントになる可能性もあります。
基本的には経験年数に応じて受験資格が決められていますが、専門学校で所定のカリキュラムを修了すれば受験できる資格もあります。
これから葬祭業に就職を目指す人も、参考にしてみてくださいね。
葬祭ディレクター
葬祭ディレクターとは、葬儀に関する知識や技能があることを証明する資格です。
葬祭業に従事する人の知識・技能の向上を図り、あせて社会的地位向上を図ることを目的に作られた民間資格で、現在は厚生労働省の技能審査の認定を受けています。
葬祭ディレクター技能審査協会が毎年9月に検定を行っています。
葬祭ディレクターには1級と2級があり、それぞれ受験資格や求められる知識と技能が異なります。
1級は個人葬から社葬のような大規模な葬儀まで、全ての葬儀を執り行える知識と技能が必要で、厚労省のレベル区分では3相当になります。
1級の受験資格は、5年以上または2級取得後2年以上の実務経験が求められるので、葬祭業者に就職して、現場での経験を積む必要があります。
また、2級は個人葬を執り行える知識と技能を認定する資格で、レベル区分では2相当にあたります。
受験資格は2年以上の実務経験または協会から認定を受けた専門学校などで所定のカリキュラムを修了する(見込みも含む)ことが必要です。
葬祭業者での実績がなくても、専門学校で受験するチャンスがあるので、これから葬祭業への就職を考えている人は取得を目指してみても良いでしょう。
さらに、2級取得者は1級の受験資格である実務経験が2年間と、実質的に3年間短くなる点でも有利です。
葬祭ディレクターの資格取得が目指せる専門学校を一部紹介します。
仏事コーディネーター
仏事コーディネーターとは、仏教と仏壇仏具、さらに法要や寺と付き合いまで、仏事に関する豊富な知識を有することを証明する資格です。
仏事コーディネーター資格審査協会が認定する民間資格で、2004年から毎年11月ごろに検定が実施されています。
仏事コーディネーターの仕事は、主に葬儀後に遺族の相談に乗ることがメインです。
具体的には、仏壇の種類や設置方法、必要な仏具のアドバイスや、四十九日、1周忌のような法事のしきたりについての疑問を解決することなどです。
これらの仕事は厳密には葬儀に関わる葬祭業とは異なりますが、法要や墓、仏具などをどうするかは、葬儀後に必ず直面する問題なので、今後も仏事コーディネーターの需要は高まっていくことが予想されます。
仏事コーディネーターの受験資格は以下の通りです。
・宗教用具を扱う事業所を経営する者ならびにその従業員(※パート、アルバイト、非常勤の従業者も含む)
・全日本宗教用具協同組合の組合員とその従業員
資格の有効期限は5年間で、その後は更新することができます。
フューネラル・フラワー技能検定
フューネル・フラワー技能検定とは、生花を使った葬儀用祭壇の装飾技術証明する検定です。
一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会が認定する資格で、葬祭事業の中で生花装飾文化の普及や技能育成を目指すことを目的としています。
生花祭壇を作る際には、花の知識が豊富なことはもちろん祭壇ならではのデザイン力と葬儀の知識も求められます。
そこで、葬儀用の生花祭壇に特化した技術を磨き、その技術力を証明する資格として作られたのがこの資格です。
受験資格を得るために、まずはフューネラル・フラワー技能検定協会に入会する必要があります。
受験資格は、レベルD~B級が生花祭壇装飾従事者およびそれに準ずる者、A級がB級取得者、S級がA級取得者とされています。
検定内容については、D~A級までは実際に花を祭壇に指していく挿花実技、最高位のS級はデザイン試験、マナー講習、実技試験という構成でS級の難易度はかなり高くなっています。
こちらの協会では講師派遣型の講習やセミナーも行っているので、社員のスキルアップのために利用することも可能です。
まとめ
葬祭業はこれから需要が伸びていく業界の一つです。
昔ながらの葬儀会社だけでなく、他の業界から葬祭業に参入してくるケースも増えているので、今後は競争は激しくなっていくことが予想されます。
選択肢が増えることで利用者の評価はよりシビアになっていくので、厚労省が示す基準なども参考に、各葬祭業者がレベルアップしていく必要があるでしょう。