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回し焼香とは?手順や注意点・最後に回ってきた時の対応・宗派による違いを解説

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目次

回し焼香とは参列者の間で香炉を順に回す焼香の形式

回し焼香とは座った状態で進める焼香形式のひとつです。隣の人から自分の席に香炉がまわってくるため、参列者が移動する手間を省くことができます。会場が狭い場合や自宅で葬儀・告別式を実施する場合などで多く採用されています。

回し焼香を採用する場合は、焼香時に使用する焼香セットと呼ばれる一式の仏具が必要です。手持ちがない場合は、用意を検討しましょう。

回し焼香のやり方

初めて回し焼香をする場合は、やり方に戸惑うことも少なくありません。直前に慌てないよう、回し焼香の進め方を把握しておきましょう。

スタートは喪主から

回し焼香のスタートは、喪主です。その後、喪主の周りの人から順に香炉を回していきます。香炉はお盆に乗っていることが多いですが、台車などに乗っている場合もあります。

自分に香炉が回ってきたらどうする?

香炉が回ってきた際は、隣の人に会釈し香炉を受け取り、焼香を進めましょう。一般的な手順と内容をご紹介します。

手順内容詳細
1祭壇へ合掌し、一礼香炉を自分の前に置き、手を合わせます。その後祭壇に向かい合掌し、一礼します。
※ご遺族が背を向けていることも多いため、遺族への一礼は行わないことが一般的です。
2抹香をつまみ香炉へくべる右手の親指と人差し指、中指の3本で抹香をつまみ、目の高さくらいまで持ち上げたあと、香炉へ静かにくべます。この動作は、「押しいただく」と呼ばれ、1〜3回繰り替えすことが一般的です。
3祭壇へ合掌焼香が済んだら、再度合掌し、祭壇に向かい一礼します。
4隣の人へ回す香炉を乗せたお盆ごと隣の人、に回します。隣に人がおらず、後ろに回す場合もあります。回す際は、次の人へ軽く会釈すると良いでしょう。

自分が最後の焼香者になったら

自分が最後の焼香者になった場合は、回す人がいないため香炉を乗せているお盆を喪主に返す必要があります。その際は、香炉を落とさないように注意しましょう。

最後の焼香者が足の悪い方や年配の参列者となるケースも考えられます。参列者が移動に負担を感じる場合は、他の方が代わりに届けるなど、周囲への配慮も忘れないようにしましょう。

喪主との距離がある場合は、前列の方に協力してもらい前方へ戻していくことでもOKです。

喪主側が香炉の回収に不安を抱いている場合には、事前に葬儀社のスタッフに相談し、お手伝いを依頼することも検討しましょう。

回し焼香の注意点

焼香のやり方を理解した上で、焼香する際の注意点も把握しておきましょう。少し意識を向けるだけでも、失礼なく対応することが叶います。

宗派により少し違いがある

浄土真宗では目の高さまで抹香を持ち上げる「押しいただく」作法はありません。回数も1回が基本です。このように抹香を上げる高さや回数は宗派により違いがあることも把握しておきましょう。

故人の宗派にあわせることが望ましいと推奨される一方、ご自身の宗派の作法での対応でも問題ないとされています。

お盆にお金をおくケースも

地域の習慣によっては、100円硬貨などのお金を香炉台に置き、回すこともあります。このお金は、焼香銭(しょうこうぜに)と呼ばれ、開式前に「焼香銭の相場」のアナウンスが入るケースもあります。

関西から九州、北陸や中部の一部に残っている習慣のため、これらの地域での葬儀に参列する場合は、小銭を用意しておく方が無難です。

なお、集まったお金はまとめてお寺に納められます。

押しいただく動作の回数を限定する場合もある

押しいただく動作は3回程度繰り返すことが多いです。しかし宗派に関係なく、回数を限定することもあります。

そのケースは、焼香者が多く後が詰まっている場合です。このようなケースであれば、焼香の回数を1回だけなどと限定することもあります。回数が限定される場合は、指定数を丁重に行うように心がけましょう。

香炉を落とさないように注意

焼香を済ます際、畳などの床に置いたまま焼香するケースと自分自身のひざの上に乗せて焼香を済ませるケースもあります。特に椅子席の場合は、ひざの上で焼香を済ます事が予測できます。

ひざに置かなければならない場合は、謝って落とさないように注意しましょう。

子どもがいる場合は、周囲の大人がフォローする

参列者の中に子どもが居ることも考えられます。香炉に躓いたり、落としたり等、思わぬケガに繋がる可能性も捨てきれません。保護者だけでなく周囲の大人がフォローする姿勢が大切です。

回し焼香に必要な焼香セットとは?

回し焼香を進める場合は、焼香セットとして以下の仏具を用意しましょう。

品物読み方用途
香炉こうろ大切な仏具のひとつであり、線香をさして使用することが多い器のことです。
香炉灰こうろばい香炉用の灰で、お香を燃え残ることなくキレイに燃やすために用いられます。この他、線香が倒れることを防ぐ役割もあります。
焼香炭しょうこうたん焼香の火種となる炭のことです。自宅での葬儀であれば、自分で用意しておく必要があります。
香合こうごう香を収納する際に使用する、蓋付きの容器のことです。※角香炉を使用する場合は、香合の用意は不要です。
抹香まっこう粉末状のお香のことで、焼香時に使用します。シキミの樹皮と葉を乾燥させたものを使用されることが多いです。
お盆おぼん香炉を乗せるために使用します。お盆の上には、左側に香炉・右側に香合をセットします。※角香炉の場合は、香炉のみを乗せます。

焼香セットがない場合は?

初めての葬儀の場合であれば、焼香セットを持ち合わせていないことも多いでしょう。特に仏壇がない場合は、香炉を持ち合わせていないことも十分に考えられます。その場合は、

●葬儀社でレンタルする

●購入する

などの方法で用意しましょう。急な葬儀の場合はレンタルが重宝しますが、香炉は大切な仏具のひとつで葬儀シーンに必要なもの。用意しておくことも得策だといえます。葬儀社はもちろん、インターネットなどでも購入できるためチェックしてみましょう!

回し焼香とは参列者の負担少なくできる焼香の形式

回し焼香は、立ち上がり焼香台に進むことなく焼香を済ませられるというメリットがあります。自宅や会場が狭い場合だけでなく、移動の負担もなく焼香を済ませられることから高齢者が多い葬儀に採用されることも多いです。

失礼なく進められるよう、回し焼香の作法を把握することはもちろん大切ですが周囲への気遣いを忘れず対応することも忘れないようにしましょう。

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