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生花祭壇は本当に高い?生花祭壇を制作する仕事に就く方法も解説

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目次

生花祭壇とは生花で作る祭壇

生花祭壇とは文字通り、生花で作る祭壇のことです。

かつては葬儀の祭壇といえば、白木で組まれた祭壇が一般葬でしたが、現在は生花祭壇の方がむしろ主流と言ってよいほど人気があります。

宗教や宗派を問わないことや、好きな花を自由にデザインできることなどが人気の理由です。

この記事では、代表的な祭壇の種類をはじめ、気になる生花祭壇の価格、さらに生花祭壇の制作の仕事に興味がある人向けの情報も解説していきます。

代表的な祭壇の種類

祭壇とは、もともと神や死者などにお供え物を捧げるために作られた壇を意味する言葉で、その意味では仏壇も祭壇のひとつです。

葬儀の祭壇は仮設用に作られるものですが、豪華に装飾することもあり、祭壇と言えば葬儀の祭壇をイメージする人がほとんど。そのため、祭壇=葬儀の祭壇の意味で使われています。

現在、葬儀用の祭壇の主流になっているのが、生花祭壇と白木祭壇、二つを合わせた折衷祭壇の3種類です。

それぞれの特徴について見ていきましょう。

生花祭壇

生花祭壇は生花の他に草や葉、枝付きの花や葉なども用いる祭壇です。

造花を使った花祭壇もありますが、現在は生花を使った生花祭壇の方が人気です。

宗教を問わずスタイルも自由に選べるのが生花祭壇の魅力。

以前は生花祭壇と言えば、菊を隙間なくライン状に並べて流線形のデザインを作る豪華なスタイルが人気で、社葬などの大規模な葬儀で使用されるというイメージでした。

しかし現在は、一般葬や家族葬でも生花祭壇を希望する遺族が増え、使われる花の種類やデザインもより多様になっています。

花は白菊の他にも洋花や故人の好きだった花を用いることも多く、色も白に限らずピンクやブルー、赤が使われることもあります。

フラワーアレンジメントの籠盛を遺影の周りに飾るシンプルなスタイルもあれば、故人の趣味をモチーフに花をデサインするスタイルなど、希望に応じてさまざまなタイプが選べます。

また、基本的には祭壇に使われた生花は持ち帰れるので、そのまま仏壇に供えることもできます。

白木祭壇

白木祭壇とは、杉やヒノキなど白木の木材で作られた祭壇です。

かつて葬儀後に棺を火葬場まで担いで運ぶ野辺送りの風習があった頃に、棺を入れるための興(おこし)を祭壇に設営していたことに由来しています。

現在は、野辺送りは行われていないので祭壇を棺と共に火葬することはなく、斎場の設備として設置されているものを使用するのが一般的です。

仏式の葬儀では伝統的かつ格式のある祭壇で、和風の落ち着いた印象になります。

折衷祭壇

折衷祭壇とは、生花祭壇と白木祭壇、またはその他の祭壇を組み合わせた祭壇です。

伝統を大切に守りつつ、オリジナリティのある祭壇にしたい場合や、故人が好きだった花で飾りたい場合にもおすすめです。

白木祭壇をメインに、贈られた供花を飾り付けて生花祭壇のような華やかさを演出することもできます。その場合は、葬儀社を通して指定の供花を贈ってもらうようにすると祭壇に統一感が出ます。

生花祭壇の価格相場

生花祭壇は一般的には白木祭壇よりも割高になると言われます。

白木祭壇は式場に常設してあるものを繰り返し使用できるのに対して、生花祭壇は注文が入って初めて花を飾り付けていくので、花代はもちろん人件費もかさむのは事実です。

一般的には20万~80万円が生花祭壇の相場と言われますが、相場というには価格に幅がありますよね。

実際、祭壇のサイズや葬儀のスタイルに合わせてさまざまな生花祭壇のチョイスがあり、価格も変わります。

ここでは、葬儀のスタイルに合わせた生花祭壇の種類やサイズ、価格などについて解説していきます。

家族葬の生花祭壇は10万円~

家族葬のように参列者が比較的少人数で式場も小さめの場合は、10万~30万円くらいの生花祭壇がおすすめです。

10万円くらいで生花祭壇を作る場合、祭壇のサイズは横幅150㎝~180㎝くらいで2段式のタイプ使用することが多いようです。

価格を抑えるなら、祭壇の両端と遺影の前に花を飾るシンプルなスタイルが良いでしょう。また、できるだけ旬の花を使うことでも価格を抑えることができます。

祭壇全体に花を敷き詰め、デザインにもこだわりたい場合は、20万円前後になることが多いようです。

30万円くらいの生花祭壇になると、祭壇サイズは横幅240㎝以上のものを使用することが多くなります。

さまざまな種類の花を使用して祭壇全体に花を敷き詰め、希望すれば花で模様を描いてもらえるところもあります。

デザイン性の高い生花祭壇を希望するなら、30万円前後の予算で考えると良いでしょう。

一般葬の生花祭壇は40万円~

広く参列者を招く一般葬では50人以上が弔問に訪れることが予想されるので、式場の大きさも参列者に合わせて大き目の部屋を選ぶことになります。

祭壇のサイズは式場の大きさに合わせるのが基本ですので、3~5mくらいの祭壇を使用するのが一般的です。

3m以上の祭壇を飾る場合は、価格が40万円以上になることが多いようです。

ユリやバラなどの高価な花を用いたり、何層にも花を重ねてデザイン性を高めたりすることも可能です。

祭壇サイズが大きいので、参列者の印象に残る豪華な祭壇にすることができるでしょう。

社葬の生花祭壇は100万円以上になることも

社葬や著名人のお別れ会のような大規模な葬儀の場合は、式場の大きさに合わせて生花祭壇のサイズは10m近くになることも珍しくありません。

祭壇の規模が大きいので、使用する花の数や種類、祭壇を作るスタッフの人数も必然的に多くなり、価格が100万円を超えることもあります。

葬儀後の花の処分方法

生花祭壇に使われる花の行方について、捨てるのはもったいないと感じる人は多いのではないでしょうか。

遺族や参列者の希望がなければ葬儀社が花を処分しますが、以下のように花を生かす方法もあります。

葬儀が終わると葬儀社や花屋のスタッフが祭壇から花を抜き取って準備してくれるので、希望があれば事前に確認しておくと良いでしょう。

別れ花として棺に入れる

出棺の儀式の際に、生花祭壇の花を棺に入れることができます。

別れ花として使用する場合は、茎の部分は取り除き、花だけを故人の周りに入れていきましょう。

ブーケにして参列者に渡す

花の種類や量が豊富な場合は、ブーケにしたり1輪挿しにしたりして、参列者に渡すこともできます。

その場合は葬儀社や花屋のスタッフがきれいにまとめてくれるので、事前に伝えておくと良いでしょう。

祭壇に飾った花は、長寿の縁起物とも言われるので、参列者に渡すのは失礼ではありません。

しかし事情があって受け取れない参列者もいるので、無理強いは禁物です。

逆に参列者として花をもらった場合、捨ててしまっても問題はありません。

生花祭壇を制作する仕事について

生花祭壇の製作者は、贈答用のフラワーアレンジメント作りとは違った技術が求められる、専門性の高い仕事です。

葬儀にふさわしい花の知識が豊富なことはもちろん、祭壇作りのデザイン力も必要です。

さらに、限られた時間内で祭壇を仕上げなければならないので、判断力と同時に体力があることも重要です。

ここでは、生花祭壇の制作者になるための方法について解説していきます。

生花祭壇の制作者になるためには

もっとも手っ取り早いのが、生花祭壇の制作会社に入ることです。

最初は花の管理や配達などから始まり、仕入れや現場作業などの実践を通じて、徐々に生花祭壇作りの技術を身に着けていきます。

また、セレモニーホールのような斎場で生花祭壇制作スタッフを募集していることもあります。その場合は、祭壇作りだけでなく葬儀全体の執行業務に携わる可能性があります。

まずは生花祭壇についてしっかり学びたいという人には、フラワーデザインやフラワービジネスの専門学校に入るのもおすすめです。

専門学校では就職先の紹介もしているので、卒業後の仕事が見つかりやすいのもメリットです。

生花祭壇の製作スタッフの給与

求人検索エンジンIndeed(インディード)で生花祭壇関連の求人を検索すると、給与は18万円~30万円前後の募集が多くなっています。

未経験でまずは花の知識を身に着けて生花祭壇の制作サポートからという求人もあれば、即戦力として制作技術や企画力が求められる経験者向けの求人などさまざまです。

求人は比較的多く、経験不問という会社もあるので、生花祭壇の制作スタッフを目指す人にとっては仕事は探しやすい環境と言えるでしょう。

生花祭壇の技術を認定する資格

フューネル・フラワー技能検定とは、生花祭壇の装飾技術を証明する検定です。

受験資格を得るために、まずはフューネラル・フラワー技能検定協会に個人または法人のいずれかで入会する必要があります。

受験資格はレベルによって異なります。

レベルD~B級は生花祭壇装飾従事者およびそれに準ずる者、A級はB級取得者、S級はA級取得者となっています。

検定内容はD~A級までが実際に花を祭壇に指していく挿花実技、最高位のS級はデザイン試験、マナー講習、実技試験という構成で難易度はかなり高くなっています。

こちらの協会では講習やセミナーも行っていて、S級認定者は生花祭壇の講師として活躍できる可能性もあります。

一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会

まとめ

生花祭壇はデザイン性や自由度の高さから、今後さらに人気が高まっていくことが予想されます。

故人が生前好きだった花で供養するという意味に加えて、優しい印象の生花祭壇は遺族の慰めにもなります。

プライベートな家族葬が増えていく中で、祭壇も対外的な豪華さよりも、遺族の気持ちに寄り添うことが目的になっていくのではないでしょうか。

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