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浮世とは憂世?本来の意味や由来を紹介!

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浮世とは人の世の中を意味する言葉

浮世とは「うきよ」と読み、現在の世の中、俗世間、辛くはかないこの世のことを意味する言葉です。

「うきよ」の他、「ふせい」との読み方もあります。

浮世の語源は「憂き世(辛く悲しい世の中)」

浮世の語源は、「苦しい、辛いことが多い世の中」を意味する「憂き世(うきよ)」だとされています。

その後、仏教的思想が定着し、この世は無常のもの、仮の世などと考えられるようになり「はかない世の中」という思想(現世を否定的にとらえる概念)が広まっていきます。そして「憂き世」ではなく「浮世(ふせい)」と表記されるようになりました。

これが江戸時代に入ると、それまでの思想の裏返しとして はかない世の中であれば浮かれて暮らそう といった現世を肯定的に捉える考え方が生まれます。この考え方から「浮世(ふせい)」を「浮世(うきよ)」と呼ぶようになりました。

浮世の使い方・英語・類義語

浮世の使い方、英語訳、類義語は以下の通りです。

使い方:浮世絵、浮世離れ、浮世話など

浮世は、他の語の上に付いて

浮世絵(うきよえ)

江戸時代初期に生まれた日本絵画の一つ。当時の風景や人々を題材に描いた作品。

■浮世離れ(うきよばなれ)

世間のことに無関心なこと。また考え方や生き方が世間一般の常識とかけ離れていること。

■浮世話(うきよばなし)

世間の噂話や色恋の話、世間話などのこと。

などの言葉として使うことが一般的です。

英訳:「this life」や「the world, life」など

浮世を「人の世の中」として解釈すると「this life」や「the world, life」などに訳すことができます。

例文1:浮世を捨て、仏の道に精進する。

Abandon this life and devote yourself to the Buddha’s way.

例文2:一度きりの人生だ。浮世の旅と楽しもう。

It’s a one-time life. Enjoy your trip to the world.

類義語:俗世、現世、現実世界など

浮世の類義語は

・俗世

・現世

・現実世界

などが該当します。

「憂き世から浮世へ」と表される元禄文化

元禄文化(げんろくぶんか)とは江戸時代前期である元禄年間(1688年〜1704年)を中心に栄えた文化のことです。

この元禄文化こそが、憂き世という世の中の思想から、はかない世の中であれば浮かれて暮らそう現世を肯定化し始めた世相を映し出しているといえます。

元禄文化で生み出されたものが

・大和絵

・浮世絵

・浮世草子

・人形浄瑠璃

・歌舞伎狂言

などであり、これらの多くが今日にも大きな影響を与えていると言えるでしょう。

まとめ:浮世とは「人生はかないからこそ今を楽しもう」というポジディブ思考から生まれた言葉

浮世とは「はかなく、辛いことがある今の世の中」のことです。

浮世の語源は「憂き世(辛く悲しい世の中)」ですが、江戸時代に入ると「はかない世の中だからこそ今を楽しもう」と肯定的に人生を捉える思想が根付き、「憂き世」を「浮世(うきよ)」と表現するようになりました。

これにより、浮世絵や浮世草子など、日本を代表する作品も登場し、さまざまな文化が発展を遂げていきます。

浮世は「素晴らしい世界」とは解釈できませんが、当時の人たちの人生を楽しもうとするポジディブな思考から生まれた言葉だと言えるでしょう。

しかし、一方では、考え方や生き方が世間一般の常識とかけ離れていることを意味する「浮世離れ」といった言葉などもあり、正しい使い方を意識することが大切です。

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