本ページはプロモーションが含まれています。
巡礼の旅の魅力とは?人気巡礼地や巡礼のマナーについても解説
巡礼とは宗教の聖地を訪れて参拝すること
巡礼とは日常空間から離れて宗教の聖地や霊場に参拝に訪れることです。
日本だけでなく世界中に巡礼の習慣は根付いていて、歴史の古い宗教に特徴的に見られる儀礼です。
この記事では、巡礼の基本的な意味と巡礼の楽しみ方やマナー、日本で有名な巡礼地について解説していきます。
巡礼の種類
巡礼は訪問方法や巡礼地の体制によって、いくつかの種類に分類できます。
- 巡礼の方法
- 直線型:キリスト教やユダヤ教のエルサレムや、イスラム教のメッカのように1か所を訪れる巡礼
- 回国型:日本をはじめアジアで見られる複数の聖地を訪れる巡礼
- 巡礼地の体制
- 限定型:メッカのようにイスラム教徒以外の立ち入りを禁止する巡礼地
- 開放型:四国のお遍路のように信者も観光客も広く受け入れる巡礼地
それ以外にも、集団で巡礼をする集団型巡礼と個人で巡礼に赴く個人型巡礼にも分けられ、ひと口に巡礼と言っても、方法はさまざまです。
巡礼は英語で『pilgrimage』
巡礼は英語で「pilgrimage」と言います。
ラテン語の「peregrinus ペレグリーヌス」が語源で、「通過人」や「異邦人」などの意味も含むことから、遠方にある聖地に赴く巡礼者を指して使われるようになったと考えられます。
そのため、近場のお寺や聖地に参拝に行くことに、「pilgrimage(巡礼)」を使うことはありません。
日本の有名霊場
日本では四国をはじめ全国に霊場があり、旅行会社のツアーでも霊場巡りは人気のコースです。
ここでは、以下の霊場の特徴について解説していきます。
- 四国八十八か所
- 西国三十三所
- 坂東三十三観音
- 秩父三十四観音
四国八十八か所
全行程にかかる期間:
- 車やバスで一気に巡る場合:10~12日間前後
- 徒歩で巡る場合:35日~50日
- 徒歩と公共交通機関を使って巡る場合:3週間くらい
弘法大師(空海)が約1200年前に開いた霊場で、国内では最も有名な霊場のひとつです。
お遍路とは四国八十八か所を巡礼することで、巡礼者をお遍路さんと呼びます。
四国の徳島に23ヶ所、高知に16ヶ所、愛媛に26ヶ所、香川に23ヶ所の計八十八ヶ所の霊場があり、全行程は1200㎞にも及びます。
お遍路では、守るべき十善戒(じゅうぜんかい)が定められています
- 不殺生(ふせっしょう)生き物を殺さない
- 不偸盗(ふちゅうとう)与えられていないものを盗まない
- 不邪淫(ふじゃいん)不倫のような道徳に外れた関係をもたない
- 不妄語(ふもうご)うそをつかない
- 不綺語(ふきご)無意味なことや大げさなことを言わない
- 不悪口(ふあっこう)人の悪口や乱暴な言葉を言わない
- 不両舌(ふりょうぜつ)二枚舌を使わない
- 不繿貧(ふけんどん)多くの欲を抱かない
- 不瞋恚(ふしんい)怒りを抱かない
- 不邪見(ふじゃけん)誤った考え方をしない
西国三十三所
全行程にかかる期間:
- 車やバスで一気に巡る場合:8日間前後
- 徒歩の場合:徒歩での巡礼者がほとんどいないため不明
約1300年前に大和長谷寺の開山徳道上人が閻魔大王からのお導きで開いた、日本最古の観音霊場です。
奈良・京都・大阪・兵庫・和歌山・滋賀・岐阜の二府五県にまたがり、全長は約1000㎞にも及びます。
全行程が日本遺産に登録されているほか、熊野古道は世界遺産にも登録されています。
観音巡礼の起源となっていて、閻魔大王から授かったと言われる33の宝印を集めると極楽浄土への手形になるとされ、これが御朱印の起源になったと言われています。
坂東三十三観音
全行程にかかる期間:
- 車やバスで一気に巡る場合:10日間前後
- 徒歩の場合:徒歩での巡礼者がほとんどいないため不明
鎌倉時代に源実朝が西国霊場を模して開いた東国最大の札所で、西国霊場と同じく33か所に観音様をお祀りした霊場があります。
鎌倉から千葉の館山まで、神奈川・埼玉・東京・群馬・栃木・茨城・千葉の一都六県にまたがる、1300㎞にも及ぶ広大な霊場です。
秩父三十四観音
全行程にかかる期間:
- 車やバスで一気に巡る場合:3~4日間前後
- 徒歩の場合:1週間くらい
秩父地帯の100㎞ほどの間に34か所の札所が点在する比較的小さな霊場です。
室町時代に庶民信仰から生まれた霊場で、江戸から近い立地なうえに、関所もなかったため江戸時代には多くの巡礼者で賑わいを見せました。
巡礼の楽しみ方
巡礼は霊場での参拝だけでなく、霊場や道中での楽しみがあります。
御朱印や散華を集める
巡礼の際に参拝した霊場で御朱印をいただいたり、散華を集めるのも巡礼の楽しみのひとつです。
御朱印とは参拝した際に寺院からいただくもので、いわば寺院や仏とのご縁の証しとも言えるものです。
御朱印帳を持参し参拝後に御朱印をいただきましょう。
散華(さんげ)とは、仏の供養のために散布する花びらのことです。
かつては生花が使われていましたが、現在は紙で造った蓮の花の花弁を模した散華が使用されています。
寺院ごとに独自の散華を発行していて、タイミングが合えばいただくことができます。
いただいた散華を自宅の仏壇や玄関などに飾りインテリアとして楽しむ人もいます。
旅として景色や行程を楽しむ
日本の霊場の多くが、複数の都府県にまたがっていているので、巡礼を旅として楽しむのもおすすめです。
特に霊場は自然が豊かな場所に造られていることが多いので、四季折々の風景を感じられるのも特徴です。
また霊場がある土地の、郷土料理を食したり街並みを観光したりすることも、巡礼の楽しみ方のひとつです。
巡礼のマナー
巡礼に行く際は、服装や持ち物などにマナーがあります。
普段着でもかまいませんが、身なりを整えることで、より真摯な気持ちで参拝に臨むことができます。
また、参拝の際の基本の作法を知っておくことも大切です。
ここでは巡礼の服装や持ち物と、参拝のマナーについて解説していきます。
巡礼の服装と持ち物
- 白衣
- 白い上着のことで、袖付きと袖なしのタイプがあります。普段着の上から袖なしを羽織るのもOKです。
- 金剛杖
- 巡礼で訪れる霊場の中には足場が悪いところもあるので、杖を持参しておくと便利です。
- 輪袈裟
- 仏教の正装の一つで、衣類の一番に上につけます。輪袈裟は通常の袈裟を折り畳み首からかけられるように簡易にしたものです。
- 数珠
- 参拝の際に左手にかけてお参りします。左手は不浄の手とされているためで、仏の前で清らかな心身でいるために数珠をつけます。
- 納札(おさめふだ)
- 願い事を書いた紙で、参拝の際に寺院の納札入れに入れます。納札には願い事だけでなく、氏名、参拝日、住所も記載します。
- 経本(きょうほん)
- お経が書かれた本です。巡礼では読経をするので経本があると便利です。フリガナがふってあるものなら、初めてでも読みやすいのでおすすめです。
- 納経帳(のうきょうちょう)
- 一般的には御朱印帳のことですが、納経帳は霊場巡り専用の帳面のことです。
- さんや袋
- 巡礼時の持ち物を納める鞄で、頭陀袋とも言われます。白のショルダータイプが一般的です。
- 持鈴(じれい)
- お遍路には欠かせないと言われる持ち手のついた鈴です。鈴を鳴らすことで、煩悩を払い、清らかな心に整えると言われています。また山道などを歩く際の動物対策としても持ち歩くことが推奨されてきました。
- 線香・ロウソクなど
- 参拝時に線香やロウソクをお供えする場合は、予め持参するのが原則です。
参拝のマナー
参拝の際は寺院に入る前に、輪袈裟をつけて身なりを整えましょう。
- 山門の前で一礼して境内へ入る
- 水屋で口をすすぎ、手を洗う
- 柄杓から左手に水を受けて口をすすぎ、その後に手を洗います。直接口をつけるのはマナー違反です。
- 数珠を左手に持つ
- 鐘をつく
- なお参拝後に鐘をつくのはNGです。
- 線香やロウソクをあげる
- 納札箱に納札を納める
- 賽銭をあげ、合掌する
- 読経
- 納経所で納経帳にご朱印をいただく
まとめ
巡礼とは宗教の聖地を巡ることで、日本では複数の霊場を巡る回国型の巡礼地が全国に点在しています。
聖地の独特な空気に触れ、神聖な気持ちになれるだけでなく、日常から離れることで気持ちリフレッシュできるのも巡礼の魅力です。