MENU

余命について考える・余命とは?余命宣告をされたときの心構え

本ページはプロモーションが含まれています。

目次

余命とはこれから先に残された命の期間のこと

余命は『よめい』と読み、これから先に残された命のことを指します。

2021年に『余命10年』という映画も公開され、残りの人生に関しての関心が高まっているのではないでしょうか。

余命という言葉を耳にするのは、多くの場合、病を患ったときです。

「余命宣告」「余命いくばくもない」などと使われるため、深刻なイメージがあります。

余命の意味

余命とはこれから先に残された命の期間のことです。

類語には天寿・天命・命数・命脈・寿命などがありますが、余命という言葉を使うときは、残り少ない命という意味で使うことが多いのが特徴です。

また病気を患った際に、医師から「余命○年です」などと期間を告げられることを、余命宣告といいます。

寿命との違いは?

余命と似ている言葉に、寿命(じゅみょう)という言葉がありますが、意味がまったく異なります。

寿命:生まれてから死ぬまでの時間

余命:残された命の時間

寿命とは、人間が生まれてから死ぬまでの時間のこと、余命とは残された命の時間のことです。

近年では健康余命という言葉もあり、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義されています。

平均寿命と健康寿命には差があり、男性よりも女性の方が差が大きいことが特徴です。

高齢化社会が進む日本では、健康寿命が重要視されています。

余命に関連する語句を解説

余命という言葉には、関連する語句がいくつかあります。

どれも日常生活では馴染みがないため、いざというときに意味が分からないということになりかねません。

それぞれの語句がどのような意味を持つのか、わかりやすく解説します。

平均余命・平均寿命

平均寿命(へいきんじゅみょう)という言葉は、たびたびメディアなどで登場するので、耳にすることが多い語句です。

平均寿命とは、その年に誕生した子どもが、何年生きるかを推計した数値です。

厚生労働省が毎年夏に発表します。

平均余命(へいきんよみょう)とは、年齢ごとに「あと何年生きられるか」という期待値を算出した数値です。

平均余命や平均寿命という言葉は、保険業界で使われることが多く、個人年金保険などを検討する際に用いられます。

健康余命

健康余命とは、健康寿命と似た意味を持つ語句で、平均余命のうち、健康で普通の日常生活を送れる年数のことです。

日本は平均寿命が長い国の1つですが、健康で長生きをしたいというのが人々の願いでしょう。

長い人生の中には、健康な時期と不健康(身体に変調をきたしている状態)な時期があります。

不健康な時期は若いときにも起こる可能性があるため、加齢によって高齢者だけに起こるものではないことを理解しておく必要があります。

余命宣告

余命宣告とは、医師が患者に対して、その人があとどのくらい生きられるかという余命を伝えることです。

余命とは寿命ではないため、余命宣告の際には生存期間中央値というものが用いられます。

生存期間中央値とは、同じ病気の患者のうち50%の人が亡くなるまでの期間を表した数値です。

がん患者の場合は、同じがんで同じ治療をした人が、5年後に生存している割合を表す5年生存率から計算されることがあります。

月単位・週単位

月単位・週単位とは、がんの予後予測を年単位・月単位・週単位・日単位・時間単位で表現したものです。

  • 月単位:1~3ヶ月程度
  • 週単位:1週間から1ヶ月程度
  • 日単位:数日から1週間程度
  • 時間単位:数時間から1日程度

月単位・週単位という予後予測は、医療機関や医師によって異なり、緩和ケアなどへの移行時期の指標とされているケースが見受けられます。

あくまでも予測であるため、確実な数値ではありませんが、患者さんや家族の意向を反映した医療を提供するために、予後予測は大切であるという考えが一般的です。

余命宣告を受けたらどうする?そのときにできることとは

余命宣告を受けるということは、自分自身も家族にとっても非常にショックなことです。

しかし、残された時間が限られているからこそ、できることをやらなければいけません。

自分が余命宣告を受けた場合と、家族が余命宣告を受けた場合にできることとはどんなことなのでしょうか?

自分が余命宣告を受けたら

自分が余命宣告を受けるというシチュエーションは、非常につらく衝撃的です。

ただし、医師が患者に直接伝えるということは、意識もハッキリとしている状態で、治療の選択などができる状態だから行うとも考えられます。

家族に伝えるかどうか

自分が余命宣告を受けたら、まずは家族に伝えるかどうかを考えましょう。

中には家族も一緒に医師から告げられることもありますが、家族が立ち会っていないケースも少なくありません。

筆者はがん経験者です。

余命宣告ではなく、がんのステージを基準とした5年生存率の話を医師から告げられたのですが、家族の立ち会いはありませんでした。

筆者には子どもがいるので、万が一のときの心構えをしておいて欲しいと思い、帰宅後に家族に伝えました。

家族の在り方はさまざまなので、自分の判断で構いませんが、治療のこと・費用のことなど、相談しながら決めたいという場合は、家族に伝えるべきでしょう。

終活に向き合う

自分に残された期間がわかったら、身体が動くうちに終活に取り組みましょう。

余命宣告を受けたということは、何らかの病気にかかっているということ。

いつまで元気に動けるのかという保障がありません。

  • エンディングノートを作成する
  • 生前整理を行う
  • 遺言書を書く
  • やりたいこと・したかったことに挑戦してみる

など、残された期間を有意義に過ごすためにも、終活に向き合うことをおすすめします。

自分の捉え方が大切

余命宣告は、本当に衝撃的でショッキングです。

ただし、人間はいつ死ぬかわかりません。

何も準備をしていないのに、ある日突然事故で亡くなるということもあります。

自分の命に期限が付いてしまうことは悲しいことですが、残された時間がわかるということは、準備ができるということです。

自分の捉え方次第で、残された時間をどう過ごすのかが決まります。

気持ちが落ち着いたら、やりたいことリストなどを作って、取り組んでみることをおすすめします。

家族が余命宣告を受けたら

家族が余命宣告を受けることは、家族全体に大きな影響を与えます。

ショッキングではありますが、家族としてできることをしなくてはいけません。

患者さんを支える

何よりも大事なのは、患者さんを支えることです。

一番ショックを受けているのは、患者さん本人です。

つらい気持ちに寄り添って、一緒に残りの期間をどう過ごすのかを考えるようにしましょう。

コミュニケーションを密にとる

余命宣告を受けた場合、治療に関する選択をしなければいけないこともあります。

患者さんはもちろん、担当の医師ともコミュニケーションを密にとり、今後の方針を決めましょう。

患者さんは誰よりもショックを受けている状態です。

無理に励ますのではなく、共感してあげる姿勢が大切といえるでしょう。

行わなければいけない手続きがある

現実的には、家族が行わなければいけない手続きなどもあります。

  • 介護が必要な場合は要介護認定の申請
  • 保険に加入している場合は保険会社への連絡
  • 親戚や友人への連絡
  • 相続・葬儀の準備

ショックで冷静に動けないときは、気持ちが落ち着いてからで構いません。

トラブルを防ぐためにも、行わなければいけない手続きがある場合は、早めに取り組むようにしましょう。

終活を勧める

患者さんが動ける状態で、意識もはっきりしているようであれば、終活を勧めることもおすすめです。

エンディングノートを書いてもらったり、葬儀やお墓のことなどを話し合っておくと、万が一のときに慌てずにすみます。

自分らしい最期を迎えるために、患者さんがどんなことを望んでいるのかを知ることはとても重要です。

終活は死ぬための準備ではなく、最期まで自分らしい人生を送るための準備のこと。

家族が終活の意味を正しく理解し、患者さんと話し合える環境を作ることも大切になります。

【実録】がん患者はどんなふうに宣告を受けるのか

筆者はがんを経験しました。

ステージⅢBの乳がんで、5年生存率は75%と医師から宣告を受けました。

実際にがんの患者はどんなふうに宣告を受けるのか、筆者やがん患者のコミュニティで知り合った患者さん達の実体験をもとにご紹介します。

ドラマのようなインフォームドコンセントではない

インフォームドコンセントとは、医師が病気や容態・検査・治療の内容・処方される薬について説明をし、患者が理解・納得した上で同意して治療を受けるということです。

実際のインフォームドコンセントは、テレビのドラマなどであるような深刻な雰囲気はありません。

特に、検査結果は特に心構えもなく通常の診察と変わらないので、「風邪ですね」といわれるように「がんですね」と言われます。

患者本人が悲しみにくれる間を与えず、治療法の選択肢を迫られる…実に事務的なものです。

コミュニティで知り合った患者さんたちは、全員本人が告知を受けていました。

重症度や緊急性にもよりますが、近年では本人が動ける状態のときは、家族だけに告知をするということはあまりないようです。

余命宣告は淡々と

参加したコミュニティには、実際に余命宣告を受けた患者さんもいます。

その患者さんは余命3ヶ月と言われたそうですが、筆者が会ったときにはすでに6ヶ月が経っており、車いすではありましたが、話はきちんとできる状態でした。

彼女の話では、余命宣告は淡々と行われるそうです。

淡々と行う意味は、変に感情的になるスキを与えないのではないかと。

家族だけではなく本人にきちんと伝え、心のケアができるような段取りを組んでくれるので、何も知らないよりは良かったと言っていました。

余命宣告をされると、残された期間をどう過ごしたいのか聞かれるそうです。

筆者もがんを経験して、医師・看護師・カウンセラーなど、さまざまな立場の専門家が寄り添ってくれる心強さは、何物にも代えがたいと感じています。

自分で落とし込む必要がある

余命宣告を受けた場合、その事実を自分で納得し、落とし込む必要があります。

生存率=余命ではないということ、医者は情報の1つとして生存率や余命を告げるということを理解しておくことが非常に重要です。

医師は命に関することはくわしく言いません。

「あくまでも一般的な」という表現を使うということは、予測が外れることも多いということです。

余命宣告をされたということは、残された期間がある程度わかったということだと捉えられるのがベスト。

悔いのない最期を迎えるためには、自分自身が余命を理解し、何をしなければいけないのかを見極めることといえるでしょう。

まとめ:余命とはゴールが見えたマラソンのようなもの

余命は寿命と異なり、これから先に残された命のことです。

余命には関連する言葉や似た言葉が多くあります。

それぞれの意味をきちんと理解しすることで、自分自身の心構えや家族としての役割がわかるはずです。

余命とは、ゴールが見えたマラソンのようなもの。残りの人生で希望を叶えるためのチャンス

これはコミュニティに参加していた余命3ヶ月の患者さんが教えてくれた言葉です。

そう考えることができれば、余命宣告を受けたとしても、絶望したり自暴自棄になったりせずに前向きになれるのかもしれません。

目次
閉じる