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慶弔金とは?香典との違いや相場・正しい渡し方について解説

目次

慶弔金とは企業が従業員の慶事・弔事に対して支払うお金のこと

慶弔金は、「けいちょうきん」と読みます

慶弔金とは、企業が導入する福利厚生制度の一つで、慶事(お祝いごと)や弔事(不幸なこと)に対して、企業が従業員に支払うお金のことを指します。

慶弔金の意味

慶弔金の「慶弔」とは、慶事と弔事の総称です。

  • 慶事:結婚・出産などのお祝い事
  • 弔事:葬儀・病気・被災などの不幸な事

従業員の慶事や弔事に対して、企業が支払うお金を『慶弔金』または『慶弔見舞金』といいます。

慶弔金は福利厚生制度の一環

慶弔金(慶弔見舞金制度)は、福利厚生制度の一環として、企業が導入するものです。

福利厚生制度は、法定福利厚生制度と法定外福利厚生制度に分かれ、慶弔金(慶弔見舞金)制度は法定外福利厚生制度に含まれます。

法定福利厚生制度:法律によって企業に実施が義務づけられている福利厚生のこと

・健康保険
・介護保険
・厚生年金保険
・雇用保険
・労災保険
・子ども・子育て拠出金 など
法定外福利厚生制度:法律で義務化されたものではなく企業が任意で導入する福利厚生のこと

慶弔金(慶弔見舞金制度)
・通勤手当
・住宅手当
・人間ドッグの費用補助
・短時間勤務制度
・資格取得援助
・財形貯蓄制度 など

法定外福利厚生制度は、法律で定められている企業の義務ではないので、すべての会社で導入されているとは限りません。

そのため慶弔金(慶弔見舞金制度)が定められていなくても、違法には当たらないので注意しましょう。

慶弔金(慶弔見舞金制度)の導入率

労働に関する総合的な調査研究や研修事業等を行う独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成30年に、福利厚生制度に関する調査結果を発表しました。

参考:「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」 企業/従業員アンケート調査|独立行政法人労働政策研究・研修機構

この結果からは、慶弔見舞金制度は、86.5%もの企業が導入していることがわかります。

慶弔見舞金制度は、会社の就業規則に明記されてなくてはいけないので、確認をしてください。

慶弔金と香典の違いは?

慶弔金と似たものに、香典(こうでん)や弔慰金(ちょういきん)・死亡退職金などがあります。

どれも弔事に関係する金銭と捉えられがちですが、明確な違いがありますので、理解しておきましょう。

香典とは

香典とは、葬儀で霊前に供えるお花・お香に代わる金銭や物品などのことです。

一般的に香典は、通夜・葬儀などの際に、香典袋に入れて持参します。

弔慰金・死亡退職金との違いとは

慶弔金は企業が福利厚生の一環として支払うものなので、通夜や告別式に参列する場合は、別途香典を出すのがマナーです。

弔慰金・死亡退職金は、役員もしくは従業員が亡くなった際に、勤務先企業が遺族に渡す金銭のことです。

弔慰金は故人の功労に報いるもので、死亡退職金は遺族の生活保障が目的とされています。

弔慰金・死亡退職金と慶弔金は、違いがあるということではなく、慶弔見舞金制度の中に含まれると考えられています。

慶弔金と香典は目的が異なる

慶弔金と香典は、弔事に関する金銭という意味では同じですが、目的が異なります。

慶弔金は、企業が役員や従業員の慶弔時に支払うもの、香典は故人の霊前に供える金品のことです。

また香典は、通夜や葬儀の際に渡しますが、慶弔金は葬儀を終えたあと、一段落したころを見計らって渡すものです。

弔慰金と香典は渡すタイミングや目的が異なることを知っておきましょう。

慶弔金の種類と相場を知る

慶弔金には、さまざまな種類があり、各企業が独自で決めることができます。

一般的にはどのような種類と相場があるのかについて、解説します。

慶弔金の種類 目的 相場
結婚祝い金・結婚のお祝いとして支払うもの
・従業員だけでなく従業員の家族も対象とするケースもある
・従業員本人:1万円~5万円
・従業員の家族:1万円~3万円
出産祝い金・従業員や従業員の配偶者が出産した際に払うもの・1万円~3万円
死亡弔慰金・企業が遺族に対して支給する見舞金
・従業員本人:5万円~100万円
※業務中か業務外かで支給額が変わる
傷病見舞金・けがや病気で入院・休業したときに支給する見舞金
・業務に関わる傷病:2万円~10万円
・業務外の傷病:1万円~5万円
災害見舞金・従業員が被災したときに支給する見舞金・1万円~50万円

慶弔金の種類

主な慶弔金の種類は、5種類あります。

結婚祝い金

結婚祝い金は、従業員が結婚した際に支給されるお祝い金です。

中には従業員の家族が結婚した場合や、再婚の場合にも支払う企業もあります。

出産祝い金

出産祝い金は、従業員が出産をした際に支給されるお祝い金です。

従業員の配偶者が出産した場合は、支給をしないというケースや、夫婦が同じ企業に勤務している場合は、出産した従業員のみに支給するというケースもあります。

死亡弔慰金

死亡弔慰金は、従業員や家族が亡くなった際に支給される見舞金です。

死亡弔慰金は、故人の功労に報いる意味があり、遺族に対して支給されます。

傷病見舞金

傷病見舞金は、従業員がけがや病気で入院・休業したときに支給する見舞金です。

傷病見舞金は、基本的に労災(労働者災害補償保険)と同じ対象になります。

労災だけで賄うのか、プラスとして傷病見舞金も支給するのかは、各企業の判断によります。

災害見舞金

災害見舞金は、従業員が被災した場合に支給される見舞金です。

災害には地震・台風などの自然災害と、火事などの人為的災害に分けられることが多く、支給される金額についても差があります。

被害を受けた家屋が従業員自身の持ち家か、世帯主は誰かということを考慮して、支給されるのが一般的です。

慶弔金の相場

慶弔金の規定は、企業が独自で決めることができますが、おおよその相場があります。

  • 結婚祝い金:1~5万円
  • 出産祝い金:1~3万円
  • 死亡弔慰金:5~100万円
  • 傷病見舞金:2~10万円
  • 災害見舞金:1~50万円

結婚祝い金・出産祝い金の場合は、従業員本人よりも配偶者が対象となった場合、金額が低くなる傾向があります。

死亡弔慰金・傷病見舞金の場合は、業務中か業務外かによって、支給金額が異なるので、注意が必要です。

災害見舞金は、被害が大きいほど支給額は上がります。

どの慶弔金も、支給の可否や金額の条件などが異なるため一概には言えませんが、一般的な相場として、参考にしてください。

担当者なら知っておきたい・慶弔金の正しい渡し方

慶弔金には、渡し方のマナーがあります。

慶事も弔事も、マナーが重んじられるため、失礼のないようにポイントを押さえておきましょう。

慶弔金で使用する封筒の種類

慶弔金で使用する封筒の種類は2種類です。

  • 慶事は祝儀袋
  • 弔事は不祝儀袋

傷病見舞金や災害見舞金など、その他の場合は市販の白い封筒でもOKです。

注意したいのは封筒の大きさや装飾です。

通常封筒の大きさや装飾は、包んだ金額の大きさによって変えるものだとされています。

  • 金額が少ないのに華美な装飾のある大きな封筒
  • 金額が多いのに貧弱な小さい封筒

は不適切ですので、金額に見合った封筒を選びましょう。

市販の祝儀袋や不祝儀袋には、包む金額の目安が記載されているものもあります。

失礼にあたらない最低限のマナーとして、知っておくことが大切です。

慶弔金の表書き

慶弔金の表書きは、通常の祝儀袋・不祝儀袋とは異なります。

  • 差出人名は会社の正式名称
  • 表書きには慶弔金の正式名称を記入

『寿』や『お祝』、『御香典』『御仏前』などの表書きは絶対にNGです。

理由は、個人としてではなく、会社から支給されたものと区別するためです。

会社で定められている名目の表書きと、会社名を書くことは忘れないようにしましょう。

慶弔金が銀行振り込みの場合

慶弔金を手渡し+現金ではなく、銀行振り込みで行う場合もあります。

銀行振り込みの場合は、目録を作成し、白い封筒に入れて渡します。

表書きに関しては、現金で渡すときと同じです。

慶弔金を渡すタイミング 

慶弔金を渡すタイミングは、2つのケースがあります。

  • 本人に渡すとき:次に出社してきたとき
  • 遺族に渡すとき:葬儀の際でも後日でもOK

状況に合わせて、臨機応変に対応しなければいけません。

特に遺族に渡す場合は、配慮を忘れないようにしましょう。

慶弔金に関するQ&A

慶弔金を受け取ったら税金はかかりますか?

慶弔金は、所得税の課税対象外です。

ただし、死亡退職金などの弔慰金の場合、定められた金額以上の弔慰金が支払われた場合は、相続税の対象となることもあります。

業務上の死亡の場合:普通給与の3年分に相当する額

業務上の死亡でないとき:死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

参考:弔慰金を受け取ったときの取扱い|国税庁

慶弔金の支給方法にはどのようなものがありますか

慶弔金の支給方法は、現金の手渡しと銀行振り込みが一般的です。

慶事で本人に渡すことのできる場合は、本人に手渡しすることが多く、死亡弔慰金など金額が大きくなる場合は、銀行振り込みとしているケースが多いです。

ただし、あまりにも少額な金額を銀行振り込みにするのは、風習慣習的にどうなのかという見方があるのも事実。

銀行振り込みにする金額の設定や、条件などを社内で決めておくのが良いでしょう。

慶弔金の申請方法を教えてください

従業員が慶弔金の申請を行う場合は、社内で決められている『慶弔見舞金申請書』に記入し、上長に提出するのが一般的です。

多くの企業では、人事部・総務部などの管轄となるため、上長の承認を受けたのちに、担当部署へ提出するという流れになります。

注意したいのは、申請書以外の必要書類です。

申請する事柄を証明する書類が必要になることもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

慶弔金の受け取りには条件がありますか?

基本的には、企業の規定によって異なります。

慶弔金の支給は、勤続1年以上など条件が定められているケースもあるので確認が必要です。

本人が受け取れる場合は、基本的に本人が受け取ることが条件になり、本人の死亡に伴う弔慰金などは、配偶者などの遺族が受け取ることになります。

まとめ:慶弔金とは福利厚生として会社が定めるもの

慶弔金とは、従業員のエンゲージメントを高めるために、会社が定める福利厚生制度の1つです。

慶弔金は法定外福利厚生制度に含まれるため、内容や支給の可否などは、会社ごとに決めることができます。

慶弔金に関する知識やマナーを知り、失礼のない対応ができるように心がけましょう。

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