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弔辞とは?弔辞の書き方とマナーを解説

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目次

弔辞とは、葬式で故人におくる言葉

弔辞とは、故人におくる別れの言葉です。遺族に向けた慰めではなく、故人に向けた別れの悲しみや寂しさを表します。遺族から「お別れの言葉」として依頼を受けることもありますが、弔辞とお別れの言葉の意味の違いはありません。

またグローバル化が進む昨今、英語で弔辞を述べることもあります。ここでは弔辞の書き方と弔辞を述べるときのマナーについて解説します。弔辞の中に故人とのエピソードを入れますが、エピソードをどう書けばいいかもお伝えします。

弔辞の書き方

遺族から弔辞を頼まれたら、是非引き受けましょう。遺族にすれば故人が親しくしていたことを知っているので、弔辞を依頼してくるのですから。人前で話すのは苦手といった理由であっても、断られると遺族は残念に思ってしまいます。

それでは実際に弔辞はどう書いたらいいのでしょうか?故人への思いは溢れるほどあるのに、その思いを文章に置き換えるのは難しいと感じるかもしれません。ここでは、礼を欠かない弔辞の書き進め方をご説明します。

弔辞を述べる時間

葬式の規模にもよりますが、弔辞を述べる人数はだいたい3〜5人、1人3分くらい、長くても5分以内におさめましょう。それぞれ違う立場の人に依頼されますが、内容が他の人とかぶらないようにしたいですね。弔辞を読む人数やそれぞれの立場を、あらかじめ遺族に確認しておくと、故人と自分の関係での話に絞ることができます。

どんな紙に書くか

奉書紙(ほうしょがみ)や巻紙に筆を使い薄墨で書き、奉書紙で包むのが正式な作法です。最近は、白で無地の便箋に万年筆や黒ボールペンで丁寧に書いて、一重の封筒に入れる人が増えています。

弔辞の構成と書き方のポイント

弔辞は、下記の順番で書くのが一般的です。

 ①導入

 ②訃報を知ったときの信じられない気持ちや悲しみ

 ③エピソード

 ④死後の世界での故人の幸せを祈る言葉

まず①導入として、故人の名前やニックネーム、〇〇部長と呼びかけて始めます。

   例 〇〇部長のご霊前に、謹んでお別れの言葉を申し上げます

     〇〇さん、お別れのときがきてしまいました。

次に②訃報を知ったときの信じられない気持ちや悲しみをそのまま書きます。

そして③エピソード。

まず故人との出会いから始めます。いつ、何歳のときにどこで出会ったかを書けば、参列者は故人との関係がわかります。

それから故人が友人の場合は、楽しい思い出や故人の人柄を偲ぶことができるエピソードを書きます。楽しい思い出は遺族が不快に思わない内容で、故人を尊重する言葉遣いで表しましょう。といっても難しい言葉や形式ばった言葉より、自分の言葉で綴ったほうが参列者に伝わりやすいですよ。ちょっとした出来事、自分が困ったときに手伝ってくれたことや何気ない一言に勇気づけられたこと、何かを黙々と頑張っていたことなどもあげてみましょう。

故人が会社の上司や恩師の場合は、仕事に取り組む姿勢や生き方に影響を受けたことを、感謝の気持ちをこめて書きたいですね。故人と出会ったことで自分がどう成長したかを具体的にあげてみてください。

ただし故人の勤続年数や実績、経歴を書く場合、数字や内容は間違えないように注意してください。故人への礼儀ですから。

最後に④死後の世界での幸せを祈って、お別れの挨拶とします。これからも頑張るからその姿を見守っていてほしいことも伝えたいですね。

     例) 〇〇さん、安らかにお眠りください。

        〇〇部長、これからも私達を見守っていてください。

弔辞を書く際に気をつけたいこと

句読点は「切れる」「離れる」を連想させてしまうので、使わないのが伝統としてあります。句読点の代わりに一字分の空白をあけたり、改行したりします。最後に日付と記名をします。

弔辞は葬式の後で遺族に渡されます。自分が弔辞を述べるときにわかればいい、ということで走り書きにするのはやめて、遺族が読みやすいように一字一字丁寧に書くことを心がけましょう。

弔辞でのNGワード

①~④、特に③で気をつけたいのはNGワードです。弔辞は自分らしい言い方で書きますが、忌み言葉は使わないようにしましょう。「死ぬ前」を表現したいときは「お元気な頃」と言い換えるなどの配慮が必要です。

NGワードも宗教によって違います。冥福、往生、供養は仏教用語なので浄土真宗、神道、キリスト教式葬式ではNGワードです。

宗教ごとの推奨ワード

一方、宗教によっては推奨されるワードもあります。

 浄土真宗・・・浄土、彼の土など

 神道・・・・・御霊、御安霊など

 キリスト教・・昇天、神に召されるなど

故人との関係を考えながら、遺族や故人の親しい人たちが不快に思わない、適切な表現をするように心がけましょう。

葬儀で弔辞を述べるときのマナー

弔辞を通夜で述べることは原則ありません。葬儀、告別式で述べます。僧侶が読経や説教をした後に弔辞を述べる時間となることが多いです。祭壇の前に行って弔辞を読む際の、故人と僧侶、遺族に対してのマナーをお伝えします。

弔辞は読む?語りかける?

あらかじめ弔辞を書いておきその場で弔辞を読み上げる方法と、遺影に向かって語りかける方法があります。遺影に向かって語りかけるのは、有名人の告別式などでみたことがあると思いますが、人前で話すことに慣れている人にはおススメです。実際に語りかけると参列者は説得力を感じます。ですが、不安を感じるという人は、あらかじめ書いておいた弔辞を読むほうがいいですね。早口にならないこと、棒読みにならないことに気をつけさえすれば、故人への思いは参列者にも伝わります。

弔辞を読むときの流れ

 ①名前を呼ばれたら立ち、僧侶と遺族に一礼します

 ②祭壇の前に進み出て、遺影に一礼します

 ③弔辞を封筒から取り出して広げます。封筒は側に台があれば置きますが、なければ左手で持ちます

 ④弔辞を目の高さになるように両手で持ち、落ち着いてゆっくりと読みます

 ⑤弔辞を封筒に納め、祭壇に置きます

 ⑥遺影に一礼した後、僧侶と遺族に一礼して席に戻ります

英語で弔辞を述べるとき

海外でも弔辞の時間はあります。

海外の場合、通夜(visitation)→葬式(funeral)→埋葬(burial cremation)→昼食会(luncheon)の順で行われます。

葬式のときに賛辞(追悼)という意味のeulogyの時間があり、故人との楽しい思い出を語り賛辞をおくります。日本と同じように、死(dieやdeath)という言葉は避けて、pass away、loss、passingという表現を使います。故人を意味する the deceased(person) がフォーマルでよく使われますが、loved one も使われます。日常では「最愛の人」として身近な家族や恋人を意味しますが、葬式では故人を意味することになります。

 I’m sorry for your loss. 

これはお悔やみの言葉ですが、your は遺族や残された親しい人たちを意味します。

また、日本では「あなたの気持ちはわかります(心中お察しします)」と言う人がいます。英語で言うと

 I know how you feel.

となりますが、この表現は海外では反感を買うことがあります。全く同じ経験をしたわけではない、同じ思いのはずがないというのがその理由です。実は、日本人も本音は同じという人は案外多いのかもしれませんね。

 I don’t know what to say.      何と言っていいかわからない

 I can’t imagine how you feel.   どんなに辛くて悲しいか、私には想像すらできない

と言うほうが遺族は慰められます。

また、海外はキリスト教信者が多いので「神に召された」「天国に行く」と捉えるとされていますが、やはり「今生の別れ」は悲しいものです。その悲しみに寄り添った言葉を使うことを心がけましょう。

遺族として弔辞を述べてもらったお礼は?

弔辞を述べてもらったお礼は、遅くても1週間以内にしましょう。お礼として三千円前後のフルーツやお菓子を選ぶ人が多いです。

現金や商品券を贈るのは避けたいですね。故人に対する厚意をお金に換算されたようで不快に感じさせてしまうことがあります。

贈り物が決まったら直接渡したいところですが、どうしても訪問が難しい場合は、手紙をつけて配送してもいいですね。

まとめ

弔辞とは葬式の場で、故人との別れを悲しみ、お世話になったことへの感謝、別れがたい思い、これからも見守っていてほしいなどの思いを込めたメッセージです。

訃報を知って信じられない、信じたくない気持ちや故人との思い出を率直に表現しましょう。形式ばった言葉というより自分の言葉で綴るほうが、故人の人柄が参列者に伝わりやすいですよ。

弔辞を述べる機会が与えられたことで、自分の最期について少し考えてみるといいかもしれないですね。

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