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雪見灯篭とは?読み方・由来・種類・構造・墓前灯篭や有名な雪見灯篭も紹介

目次

雪見灯篭とは庭園や池に用いられる石造りの灯篭

雪見灯篭は「ゆきみとうろう」と読み、主に庭園や池に用いられる石造りの灯篭を指します。

石灯篭の中では比較的小型で高さも低く、狭いスペースでも設置できるため、一般住宅の庭や店舗にも用いられます。

出典:イキカタ編集部

雪見灯篭の名前の由来

雪見灯篭の名前の由来は所説ありますが、滋賀県大津市の琵琶湖屈指の景勝地「浮御堂(うきみどう)」が有力といわれています。

出典:イキカタ編集部

浮御堂は、海門山満月寺のお堂で湖に伸びる橋の先に建つ宝形造の仏殿です。平安時代に湖上安全と衆生済度を祈願して建立されました。

池のほとりに設置した灯篭を「浮御堂」に見立て、「うきみ」が「ゆきみ」に変化し「雪見灯篭」になったといわれています。

灯篭の歴史や役割、石灯篭の種類を解説

灯篭の歴史や役割、石灯篭の種類についてそれぞれ詳しく解説します。

そもそも灯篭とは

灯篭は「灯(あかり)」の「篭(かご)」という意味で、灯が消えないように木枠と紙などで囲いをしたものです。

日本には仏教と共に伝来しました。現存する最古の石灯篭は、奈良県の當麻寺(たいまじ)にあります。

出典:當麻寺寺院 當麻寺の歴史(前編)

石灯篭は、献灯を目的とし寺社仏閣に建立されました。献灯とは神仏に灯を供えることにより、神仏のご加護をより一層強く祈るためと考えられています。

安土桃山時代以降、日本庭園の様式が確立する中、石灯篭は鑑賞目的で設置されるようになりました。

石灯篭には4つの種類がある

石灯篭は「立灯篭」「活込灯篭」「脚付き灯篭」「置灯篭」の4つの種類に分けることができます。

種類構成する部品特徴
立灯篭玉、笠、火袋、受、柱、地輪一般的に背の高い標準的な石灯篭を指します。神社仏閣の参道沿いなどに多く見られ、奈良県の春日大社に多く用いられているところから「春日灯篭」とも呼ばれています。
活込灯篭玉、笠、火袋、受、柱基礎がなく柱を直接地面に埋め込むのが特徴的です。立灯篭と比較すると小ぶりなため坪庭などで用いられます。
茶人大名の古田織部が愛好していたといわれ、「織部灯篭」の名でも知られています。
脚付き灯篭玉、笠、火袋、受、脚大きな笠と3つまたは4つある脚が特徴的です。
脚付き灯篭は池のほとりや庭石に設置され、雪見灯篭は脚付き灯篭の一種です。
置灯篭玉、笠、火袋、台比較的小型なため、坪庭や玄関周りに複数設置される場合もあります。

石灯篭の構造と部品の解説

一般的な「立灯篭」を参考に、構造とそれぞれの部品について解説します。

出典:イキカタ編集部
部品名用途
玉または宝珠石灯篭の一番上の部品です。灯篭の種類によりさまざまな形があります。
火袋の上にあり、屋根の役割があります。
春日灯篭は六角形、雪見灯篭は大きめなど灯篭の種類により丸や四角、八角などさまざまな形があります。
火袋灯火が入る、灯篭の主要部品です。
火袋を支える部品です。
受と地輪をつなぐ部品です。円筒形が一般的ですが四角、六角、八角形もあります。
活込灯篭は柱を直接地中に埋めるため、高さの調節が可能です。
地輪最下部の部品です。石灯篭のデザインに合わせ、円形や四角、六角などがあります。

雪見灯篭の材料や構造、種類、購入方法、設置上の注意点を解説

ここからは雪見灯篭の材料や構造、種類や購入方法、設置上の注意点について詳しく解説していきます。

雪見灯篭の材料は御影石

雪見灯篭をはじめ石灯篭の多くは、御影石(花こう岩)で作られています。

御影石は他の石材と比べると吸水率が低く、耐久性に優れているため、古くから神社の鳥居にも使用されています。

雪見灯篭の構造と種類

雪見灯篭は、「玉、笠、火袋、受、脚」の5つの部品で構成されています。

出典:イキカタ編集部

また雪見灯篭には「六角雪見型」「蘭渓型」「泉涌寺型」「古代雪見角型」など様々な種類があります。

六角雪見型は、笠の先端が反り上がり華やかで存在感があります。

蘭渓型はしっかりとした台座に弓なりに曲がった竿が伸び、六角雪見型を上部に据えているタイプです。灯篭部が浮いた形になり池などの水辺や枯山水の装飾として適しています。

泉涌寺型は、京都の泉涌寺にある雪見型の石灯篭の形を指しています。全体的に重厚な作りは江戸時代から有名です。

古代雪見角型は、笠に反りがなく最も一般的な雪見灯篭です。

雪見灯篭のサイズは尺貫法の「尺(しゃく)」であらわす

雪見灯篭のサイズは、日本伝統の寸法規格である尺貫法の「尺(しゃく)」であらわします。1尺はセンチメートル法で換算すると約30cmです。

雪見灯篭は、2尺~3.5尺(60cm~105cm)の高さのものが多く流通しています。1尺ほどの大きさの灯篭は、店舗により10号などの号数で表示されている場合もあります。

雪見灯篭は石材店や大型ホームセンター、インターネットで購入できる

雪見灯篭はインターネットでも購入可能です。

1尺ほどの小型の灯篭ですと、1万円台と手頃な価格で購入ができるようです。しかし材料やデザイン、高さにこだわるとかなり高額な場合もあります。

石材店や大型ホームセンターでは雪見灯篭が展示されている場合があり、実物を確認できるメリットがあります。

用途に合わせ、購入方法を選択するのがよいでしょう。

雪見灯篭の設置の注意点は2つ

雪見灯篭を設置する際の注意点を2つ紹介します。

① 火袋の上下をしっかり確認する
火袋には上部の笠の接する側に穴があります。穴を必ず上にして設置しましょう。

② 受の上下をしっかり確認する
火袋を置く「受」にも上下があります。受に段がある場合は段が上になるよう設置します。また受の側面に「波・しぶき」の彫刻がある場合は、波の形としぶきの具合で上下が判断できます。

しかし「泉涌寺型」は受の側面に彫刻もなく、上面も下面も平らなため見分けが大変難しく、石材店に設置をお願いするのがよいでしょう。

墓前灯篭とは

墓前灯篭は、お墓に設置する石灯篭を指します。

墓前灯篭には、

① 灯篭を建て暗闇を明るく照らし邪気を払う目的

② 故人やご先祖様が道に迷ってしまわないよう道灯りの役割

このように目的や役割があるといわれています。

また墓前灯篭は仏教と神道で型が異なるといわれ、一般的に以下の違いが見られます。

・仏教:丸い形状の丸墓前型
・神道:四角い角墓前型

しかし昨今では墓前灯篭はお墓の空間デザインの一部としてとらえ、どちらの型も自由に選択できるようです。

出典:イキカタ編集部

墓前灯篭はお墓の敷地入口、またはお墓の手前に左右一対、もしくは片方に設置します。お墓の敷地やデザインに合せ、立灯篭や雪見灯篭、置灯篭など様々な灯篭から選択できます。

しかしながら墓前灯篭は必ずしも設置をする必要はなく、設置をしないからといって故人やご先祖様に対し失礼にはあたりません。

有名な雪見灯篭は兼六園の「徽軫灯籠」

雪見灯篭で有名なのは、石川県の兼六園にある「徽軫灯籠(ことじとうろう)」です。

出典:イキカタ編集部

徽軫灯籠は雪見灯篭が変化したものです。その形が琴の糸を支え、音を調整する琴柱(ことじ)に姿が似ているため、その名がついたといわれています。

まとめ:雪見灯篭は日本庭園の観賞用として発展した灯篭

灯篭は仏教と共に日本に伝わり、「献灯」を目的としていたため寺社仏閣で長い間用いられていました。

安土桃山時代になり、日本庭園の鑑賞用として石灯篭が設置されるようになると、庭園の趣旨や用途に合わせた日本独自の石灯篭が発展していきました。

その中でも雪見灯篭は様々な型が生み出され、石灯篭の中でも非常に種類が多いのが特徴的です。このことから雪見灯篭は日本庭園の意匠にかかせない灯篭であるといえるでしょう。

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