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灌頂とは?真言宗の儀式?読み方・意味・灌頂の種類について紹介
灌頂とは悟りの位に進んだことを証明する儀式のこと
灌頂とは、頭頂部に水を注ぎ、悟りの境地に進んだことを証明する儀式のことです。
国王即位の際などにインドで行われていた儀式ですが、仏教に取り入れられてからは、最後の修行を終えた菩薩が悟りを開いて仏になるとき、諸仏から智水の注ぎを受けて成仏するものと考えられるようになりました。
読み方は「かんじょう」。サンスクリット語の水を頂に注ぐという意の「abhiṣeka、abhiṣecana」の訳語です。
また、墓参などのときに、墓石の上から柄杓で水を注ぎかけることも灌頂と言います。
灌頂は日本密教と繋がりがある
日本における灌頂は、密教系の仏教宗派で執り行われる儀式の一つでもあります。
密教系の灌頂は、頭頂に香水 を注ぎ、仏の位を継承させるという意味をもっています。このほか、
・受戒(仏門に入った者に対して戒律(生活の規律)を授けること)のとき
・修行者が上の位に上がるとき
などにも行われています。
日本初の灌頂は天台宗の開祖「最澄」
日本初の灌頂は天台宗の開祖である最澄が高野山の神護寺で行ったもの(805年)だと言われています。
また、最澄は
・804年の入唐に際して中国唐代の密教の僧である、龍興寺の順暁から受けた秘密灌頂
・812年に真言宗の開祖である空海から受けた金剛界結縁灌頂・胎蔵界結縁灌頂
など、複数の灌頂を受けています。
灌頂の種類
日本密教で執り行われている灌頂の主なものには、
①結縁灌頂
②受明灌頂
③伝法灌頂
また、チベット仏教では
・瓶灌頂
・秘密灌頂
・般若智灌頂
・第四灌頂
の4種とされています。
①結縁灌頂:仏様と縁を結ぶための儀式
結縁灌頂とは、出家しているかどうかを問わず、あるいは一般の人に対しても仏様との縁を結び、どの仏様に守り本尊となってもらうかを決める儀式のことです。
投華得仏と呼ばれる、目隠しをして曼荼羅の上に華を投げ、華の落ちた所の仏様と縁を結ぶことから投華灌頂とも言われています。
②受明灌頂:密教の弟子になろうとする者にその資格を授ける儀式
受明灌頂とは、修行し、密教の真髄をより深く学ぼうとする弟子に対して行われる儀式のことです。
仏様と縁を結ぶという、いわば入門的な結縁灌頂とは異なり、弟子としての資格を得られるというもので、弟子灌頂とも呼ばれています。
③伝法灌頂:密教の教えを終えた僧に阿闍梨の位を授けるための儀式
伝法灌頂は、阿闍梨(弟子を教え、その師範となる高徳の僧の尊称)という位を授ける儀式のことです。四度加行という密教の修行を終えた者でなければ受けることができません。
また、この儀式で初めて密教の奥義が伝授され、弟子を持つことを許されます。弟子に仏典のほか口伝や仏意などで指導することもできるようになります。
阿闍梨の位を得ることは、真言宗の正式な僧侶となったことの証。そのため阿闍梨灌頂または受職灌頂とも呼ばれています。
灌頂に関してよくある質問
まとめ:灌頂とは密教系宗派で執り行われる尊い儀式
灌頂とは、菩薩が仏になるとき、その頭頂部に諸仏が智水を注ぎ、最上の位(悟りの境地)に達したことを証明する儀式のことです。
日本における灌頂は、密教系の仏教宗派で執り行われています。その主なものは
・結縁灌頂
・受明灌頂
・伝法灌頂
の三つです。中でも、結縁灌頂は仏様と縁を結び、受ける人に仏様の心を開くとされており、いわば入門的なもの。宗派を問わず、誰でも受けることが可能だと言われているため、興味がある場合はお近くの寺院で受けられるかどうか、確認してみると良いでしょう。