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梵鐘とは?除夜の鐘のこと?読み方や意味、日本三名鐘も紹介

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目次

梵鐘とはお寺にある釣鐘つりがねのこと

梵鐘とは、寺院の鐘楼しょうろうなどに吊るされている釣鐘のことです。読み方は「ぼんしょう」。

撞木しゅもくを用いてき鳴らすことが一般的で、重く余韻のある響きが特徴。大晦日の「除夜の鐘」としても知られています。

梵鐘は英語で「temple bell」

梵鐘を英語に訳すと「temple bell」となります。

例文1:お寺では毎日決まった時刻に梵鐘が鳴らされる。

Temple bells are rung every day at a fixed time.

例文2:除夜の鐘として梵鐘を撞くことは大晦日の恒例行事だ。

Ringing the temple bell on New Year’s Eve is an annual event on New Year’s Eve.

梵鐘の役割:①時刻を知らせる②仏の声を広く届ける

梵鐘は、法要など仏事の予鈴として撞くなど、仏教の重要な役割を担うものですが、この他にも

①朝夕の時報

②仏の声を広く届ける

という役割を持っています。

①朝夕の時報:梵鐘を撞いて時刻を知らせる

まず、梵鐘には時報の役割があります。

お寺では、朝夕のお勤め(法要)の際に梵鐘を撞くことが今でも習わしとなっているところもあります。中には、朝・昼・夕と3つの時間帯で梵鐘を撞く寺院もみられます。

現代は時計や携帯電話などの普及により、どこにいても時刻を確認できるようになりました。しかし、こういったものがなかった時代は、この梵鐘の音が地域の人々にとって時刻を把握する重要なツールとなっていました。

お寺で太陽(日)の動きをみて梵鐘を撞き、時刻を知らせていたことから「日」と「寺」で「時」という漢字ができたとも言われています。

②仏の声を広く届ける:梵鐘の音は仏様の声

梵鐘の「梵」はサンスクリット語のbrahmanブラフマンの音訳。神聖・清浄に加えて、仏という意味も込められています。つまり、梵鐘の音は仏様の声。梵鐘には、この声を多くの人の耳に入れ、全ての人が幸せであってほしいという「仏様の願い」を届けるという役割があるといえます。

また、梵鐘の音には、

・ご先祖様も見守ってくれている

・人が抱く煩悩や悩みを断ち切る力があり、その響きを聞くものは一切の苦から逃れ、悟りに至る功徳がある。

とも言われています。

梵鐘に関してよくある質問

梵鐘の突起は何?

梵鐘の上部に並べられている突起状の装飾(②の部位)は「乳」と呼ばれ、梵鐘の音響効果を高めるためのものとされています。

また、乳が並んでいる部分を「乳の間ちのま」といい、人の煩悩の数とされる108個の乳を並べたものが多いようです。

この他、梵鐘には名称がついている部位が多数あります。

一例)

  • 竜頭りゅうず:鐘楼に吊るすための釣り手
  • 撞座つきざ:蓮華状になっており、この部分を撞木で撞く
  • 銘文めいぶん:祈願・功徳などの文字が施されている
除夜の鐘として梵鐘を108回鳴らすのはなぜ?

12月31日の除夜(大晦日の夜)の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘が撞かれる除夜の鐘。清らかな心で新しい年を迎える行事のひとつと言われています。

撞かれる回数は、多くの寺院で108回。これは、煩悩の数と考えられていて、一回撞くたびに煩悩を一つ祓うことができると考えられています。

▶︎煩悩について詳しくはこちら

日本で最も古い梵鐘はどこにある?

日本の梵鐘は中国の様式をならったものが大半と言われています。その中でも、京都市右京区の妙心寺みょうしんじの梵鐘(飛鳥時代後期698年の鋳造・国宝・黄鐘調おうじきちょうの鐘と呼ばれている)が現存する日本製の鐘(和鐘わしょう)最古のものとされています。

妙心寺(臨済宗妙心寺派大本山 妙心寺)

住所:〒616-8035  京都市右京区花園妙心寺町64

電話番号:075-461-5226

公式HP:https://www.myoshinji.or.jp/

日本で有名な梵鐘「日本三名鐘」はどこにある?

日本国内の多くの寺院で見られる梵鐘ですが、中でも

・音色の良さ

・装飾の良さ

・銘文の良さ

として日本三名鐘に位置づけられているものがあります。

《日本三名鐘》

■音色の良さ:三井寺(国の重要文化財)

住所:〒520-0036 滋賀県大津市園城寺町246

電話番号:077-522-2238

公式HP:http://www.shiga-miidera.or.jp

■装飾の良さ:平等院(国宝)

住所:〒611-0021京都府宇治市宇治蓮華116

電話番号:0774-21-2861

公式HP:https://www.byodoin.or.jp

■銘文の良さ:神護寺(国宝)

住所:〒616-8292 京都市右京区梅ヶ畑高雄町5

電話番号:075-861-1769

公式HP:http://www.jingoji.or.jp

 

まとめ:梵鐘は時刻や仏の声を知らせる役割があり、寺院になくてはならないもの

梵鐘は、寺院の鐘楼などに吊るされている釣鐘のことで、仏教には欠かせない仏具の一つです。撞木で撞いた際の重く余韻のある響きが特徴です。

また、梵鐘には法要など仏事の予鈴として撞くという仏教の重要な役割の他に、朝夕の時報を知らせるという役割もあります。さらに梵鐘の響きは「仏の声」とされ、耳にする者は一切の苦から逃れ、悟りに至る功徳があるとされています。

現在では、12月31日の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘が撞かれる「除夜の鐘」が有名ですが、これは清らかな心で新しい年を迎える行事のひとつと言われています。

撞かれる回数は108回(煩悩の数)が多く、一回撞くたびに煩悩を一つ祓うことができると考えられています。

中国様式をならった梵鐘が多数とはいえ、国内には国宝に指定されている梵鐘を有する寺院も多くあります。寺院を訪れた際は、装飾や音色を心で感じてみると良いでしょう。

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