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化身とは?神仏が姿を変えて現れること?意味や例文、権化との違いを解説

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化身とは神仏が人々を救済するために姿を変えて現れること

化身とは、神や仏など抽象的な存在が人々の救済のために姿を変えてこの世に現れることを意味する仏教用語です。

語源は、サンスクリット語のnirmāṇakāyaニルマーナカーヤ(煩悩を脱し、人々を安楽の地へと至らせるために仏が現れる際の姿という意味)とされています。

読み方は「けしん」で、変化身へんげしんとも言われます。さらに、相手の能力や素質に応じて現れる仏という意味から「応身おうじん」と呼ばれることもあります。

キリスト教:イエス・キリストは人間救済のための神の化身と定義されている。

ヒンドゥー教:ビシュヌ神やシバ神は釈迦をはじめ、少年僧、獅子人、魚、亀、野猪(のじし)に化身したと言われている。

日本では、本来の意味に加えて、神や精霊、悪魔などの抽象的な存在が人や動植物、架空の生き物(龍など)の形でこの世に現れるという言い回しとしても使われています。

本来の意味が転じて使われることも

本来は、人々の救済という意味である化身ですが、鬼神が姿を表すとして「悪」のイメージで用いられることもあります。

化身事態に「悪」という意味があるわけではないものの「悪の化身」というと悪そのものであるかのような人間という意味で解釈されています。

化身の英語訳「incarnation」

化身を英語に訳すと、incarnationとなります。

例文1:慈悲に溢れる彼の行動は、まさに神仏の化身のようだ。

His merciful behavior is like an incarnation of the gods.

例文2:残忍な犯罪を犯した彼は、まさに悪の化身だ。

Committing a brutal crime, he is truly evil incarnate.

化身は「仏の三身」のひとつ

仏教では、仏の3種類のあり方として「仏の三身ほとけのさんじん」という仏語があります。化身はその中のひとつです。

法身ほっしん:永遠不滅の真理を本質とする仏身(釈迦)のこと

報身ほうじん:菩薩が衆生救済の願いをたて修行し、その報いとして成就した仏心のこと

化身けしん:衆生救済のため、真理により現世に姿を表す仏神のこと

これらは、特に日本の仏教宗派の中心となっている大乗仏教だいじょうぶっきょう(仏教宗派の総称)で説かれています。

化身に関してよくある質問

化身の使い方は?

化身は良いことや悪いことを象徴する言い回しとして用いられています。

例文は以下の通りです。

・容赦ない心で犯罪を犯してしまった彼は、まさに悪の化身と言えるだろう。

・年を重ねても美しさの変わらない彼女は、まさに美の化身で憧れの存在だ。

化身と権化の違いは?

化身の類語に「権化ごんげ」があります。両者は非常に似た意味の言葉ではありますが、

《権化》

① 仏・菩薩 が人々を救済するためにこの世に仮の姿となって現れること。

②抽象的な観念や思想が「具体的な姿をもって現れたかのように思える人やもの」という意味。

《化身》

衆生救済のため、真理により現世に姿を現わす仏身のこと

という意味であり、若干の違いがあると言えます。

違いはある一方でどちらも抽象的な神や仏が仮の姿となって現れるという点は同じだと言えるでしょう。

まとめ:化身とは神仏が人々を救済するために姿を変えて現れること

化身とは、神や仏などが人々を救済する目的で、姿を変えてこの世に現れることです。現れる姿は、人の場合もあれば動植物や架空の生き物である場合もあります。

一方ドラマや映画のセリフなどでは「悪を象徴する人間」を「悪の化身」と呼ぶなど、本来の意味とは違った言葉で使われることもあります。

また、仏教には仏の三身という言葉があります。これは、法身ほっしん報身ほうじん化身けしんからなるもので、特に大乗仏教で説かれています。

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