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遺影とは?選び方は?いつまで飾るべき?処分方法や由来・歴史も徹底解説!

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目次

遺影とは故人との思い出にひたるための写真

遺影とは、故人の死後、残された家族や友人がその故人を思い出し、偲ぶための写真です。葬儀の際、祭壇の中央に飾られるのが通例です。ここでは遺影の選び方や金額、「遺影はいつまで飾るのか」、「遺影はどのように処分するのか」そして遺影の意味や歴史についても解説していきます。

遺影にする写真の選び方

遺影は故人の死を悼んで、その面影に死後も触れるために撮る写真です。ただ、不幸は突然訪れるもの。危篤の知らせから葬儀を手配し、そのほか諸々の手続き等をしていると忙殺されて、遺影選びについても気もそぞろになってしまうなんてことも。そうならないためにも、遺影選びについてのポイントをご紹介します。

その人らしい写真を選ぶ!

遺影はその故人について「気さくな明るい人だった」「頑固な方だった」「この笑顔が大好きだった」など、写真をみて思い出に触れることができるものです。そのため、遺影選びで最も大切なのは「その人らしい」写真を選ぶことです。例えば闘病中の姿は故人の常の姿ではありません。また、あまり昔の写真すぎても比較的最近の知り合いの方に馴染みがないですの、古すぎず、故人を知る人にとって「その人らしい」と思えるものを選ぶようにしましょう。

画素数は200万画素以上のものを選ぶ!

最近ではフィルムカメラよりもデジカメやケータイ、スマホの中の画像を遺影に選ぶこともあるかと思います。その際は画素数が200万画素以上のものだと、遺影として引き伸ばしても画像が荒れにくいです。近年のデジカメやケータイ、スマホであれば200万画素以上は当たり前なので、例えば古いケータイに入っているものは要注意です。

表面はツヤのあるものを選ぶ!

フィルムカメラで撮影した写真の中から遺影用の写真を選ぶ際は、表面が「ツルツル」しているツヤありのものを選びましょう。写真に表面の仕上げがツルツルしているものと、少しざらざらしている「ツヤ消し」を施されているものがあります。ツヤ消し加工されているもの、例えば「絹目」と呼ばれるものは画像を取り込んでから引き伸ばすとせっかくの表情がぼやけてしまったり、鮮明さに欠けることがあります。そのため、遺影用の写真は表面にツヤがあるツルツルしたものを選びましょう。

遺影にする写真のサイズの目安は

遺影として使える写真はスナップ写真や集合写真でもOKです。免許証や証明写真サイズでも引き伸ばしは可能です。ただし、本人の顔がカメラの方を向いているもの、ピントが合っているもの、表情が硬すぎないものが向いています。

遺影を生前に撮影するのもアリ!

故人との思い出に触れるための大切な写真ですので、本人含め残される家族も納得するもの選びたいものです。しかし、いざ遺影を選ぶとなると、意外に時間がかかり、あまりいいのがないのに時間に迫られて妥協で選ぶなんてこともあり得ます。また、「あまり写真を撮ってこなかった」、「今後自分の葬儀のときに子供たちが遺影選びに苦戦しそうだ」という方もいると思います。そのような場合は、生前にプロのカメラマンから遺影用の写真を撮ってもらうことも選択肢としてあります。納得のいく写真を使いたいという方におすすめです。

遺影にまつわる金額

葬儀は何かとお金もかかります。写真を選んで遺影にしたり、遺影用に写真を新しく撮影したりする場合にかかる金額も気になるところ。そこで、ここでは遺影用の写真にまつわる「金額」について解説していきます。

自分で写真を遺影用に加工するなら無料で作ることが可能

「DIY葬儀」という言葉が近年注目を集めているように、自分で遺影用の写真を作ることもできます。最近ではPCと画像加工用のアプリを使って写真を取り込んで引き伸ばしたり、背景を変更したりできるので、この場合は使った機材等の費用のみで遺影を作ることができます。

遺影用として写真をプロに加工してもらうなら数千円程度

葬儀会社やカメラ屋さんに遺影にしたい写真を加工してもらう際、手数料として数千円かかります。後述するプロのカメラマンに撮ってもらう場合は、この加工料にカメラマンの報酬が上乗せられます。

遺影として新たに撮影するなら2万円から3万円程度

遺影用の写真をプロに撮ってもらう場合の相場はおおむね2万円から3万円ほどです。中には1万円ほどで撮影してくれる業者もあるそうです。依頼する場合、葬儀会社や街の写真屋さんが窓口となってくれるので、費用等は相談してみると良いでしょう。

遺影は葬儀から四十九日まで飾る

葬儀で遺影を飾り、無事葬儀を終えた後、遺影はいつまで飾っておくのか。それは葬儀から四十九日までと言われています。葬儀の後、遺影は「後飾り祭壇」と呼ばれる葬儀後の祭壇で四十九日を迎えるまで飾られます。故人の魂は葬儀の後、四十九日まではこの世にいると言われており、その間は後飾り祭壇に飾っておくことが一般的です。

後飾り祭壇とは

「後飾り祭壇」とは火葬後の遺骨を「忌明け」の「四十九日の法要」まで安置しておく祭壇です。後飾りの祭壇は火葬をしている間に葬儀会社が設置してくれることが一般的で、2段から3段作りで、上段に遺骨、その下の段に位牌と遺影、香炉や燭台などを置きます。

四十九日とは

火葬後、七日周期で「忌み日」が計7回訪れ、この合計7回の忌み日を終えると「忌明け」となります。この忌明けを迎えると故人の魂は極楽へと向かうとされており、この期間を四十九日と呼びます。またこの忌明けのタイミングで四十九日の法要を行い、納骨する流れが一般的です。

遺影を処分する場合

四十九日後の遺影は仏壇のある部屋などに飾るのが一般的でしたが、近年では遺影を写真として保存せずにPCやケータイ、スマホにデータとして保存する方もいます。理由はさまざまありますが、額縁に入れて保存しておくスペースがない場合などはデータ保存は有効な手段となります。一方、残された写真をどのように扱うかは悩ましいところ。そこで、ここでは遺影の写真の処分方法について解説していきます。

通常のゴミ出しと同じく処分する

基本的に遺影に関しては、葬儀の他のマナーやしきたりに比べて歴史も浅いため、取り扱いが定まっておらず、個人の裁量に任せられています。そのため、通常の写真と同じように燃えるゴミとして処分することは可能です。ただし、それでは心苦しいという場合は、次に紹介する閉眼供養やお焚き上げを検討してみてください。

閉眼供養をしてお焚き上げ

閉眼供養とは、写真から魂を抜き、「ただの写真」とすることです。これによって、写真に故人の魂が残らず、お焚き上げをする際にただの写真として燃やせるのです。この閉眼供養は自身のお家がお世話になっているお寺にお願いするのが一般的ですが、もしお寺とのつながりがない場合は、葬儀会社に相談してみましょう。

遺影の意味や歴史もチェック

遺影は亡くなった故人を偲ぶための写真です。故人や家族の希望で絵画を用いる場合もありますが、一般的には写真を使います。写真はもともと日本には無い技術であり、故人を偲ぶ写真を撮る文化は西洋に起源を持ちます。

遺影は英語で『photograph of the deceased』

遺影は英語に訳すと『photograph of the deceased』または『portrait of the deceased』となります。”the deceased”の後ろには”person”と続くことがあります。また、遺影の英訳は定型の決まった形のものではなく、『photo of dead〜(亡くなった〜の写真)』と訳す時もあります。

例文1:彼は母親の遺影を抱いて歩いた。

He walked holding the photograph of the deceased his mother.

例文2:これは私の父の遺影です。

This is the portrait of my dead father.

遺影の風習は明治時代ごろから

日本において遺影を撮影する文化がいつから起こり始めたのかについては諸説あり、日露戦争の戦没者を供養するために生前に撮った写真を遺影としたという説、または明治時代ごろ、一般民衆の中に写真を撮る文化が馴染み始めた頃に、「死ぬ前に写真を撮っておく」という風潮はあったと言われています。また、さらに遡って江戸時代には歌舞伎役者が亡くなると、その死を悼んで浮世絵を芝居小屋に飾る文化がありました。

このようにもともと日本にあった「故人の死を偲ぶために、故人の面影のあるものを残す」という文化と、西洋からやってきた写真文化が一般民衆に広まるにつれて「故人の写真を残す」ことへと姿を変え、そして多くの戦死者を出した日露戦争時に一層広まったと言われています。

まとめ:遺影は故人との思い出に触れるための写真

遺影を選ぶことは簡単なようで意外と難しいこと。ただし、最も大切なことは故人を想い、「その人らしい写真」を選ぶことです。時間もかかる作業なので、できれば本人と一緒に思い出話をしながら選んでみたり、写真を撮りに行ってみてはいかがでしょうか。

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