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無縁仏が増えているのはなぜ?無縁仏や無縁墓にしない・ならないための解決策について解説

目次

無縁仏・無縁墓とは供養をしてもらえなくなった霊魂やお墓のこと

「無縁仏」や「無縁墓」という言葉を聞いてどのような印象を持つでしょうか?いい印象ですか?それとも悪い印象ですか?仮に言葉の意味を知らなくても字面や言葉の印象でいい意味かどうかはわかりますよね。

突然ですが、みなさんは魂や仏を信じていますか?信じているとまでは言い切れなくても、死後の世界や霊魂の存在を完全に否定する人は少ないかもしれません。現代の日本でもお墓参りや回忌供養を行うのも、仏教信仰というよりもお墓参りや法要が文化的に浸透している現れでしょう。

しかし、今そんな日本では「無縁仏」や「無縁墓」の増加が問題となっています。「無縁仏」は供養されずに放置された霊魂やお墓を意味し、お墓に限っては「無縁墓」とも呼ばれます。

「無縁仏」や「無縁墓」という言葉を聞いて、今の自分には関係ないと思っていても、10年後20年後は自分も無縁仏や無縁墓の問題に直面するかもしれません。

今回の記事では、無縁仏や無縁墓が増える背景や自分が当事者となった時の解決方法について解説していきます。

無縁仏や無縁墓の何が問題?

無縁仏や無縁墓は、特に墓を管理する寺や自治体にとっては頭の痛い問題です。そもそも墓は賃貸物件のようなもの。管理者から使用権を得て、管理費を毎年納めるのが一般的です。

家賃を滞納したり、室内を汚したり破損したりすれば、大家さんから退去勧告を受けても仕方がないですよね。基本的には墓も同じですが、大きく違うのは墓の所有者はそこには住んでいないという点です。所有者に連絡がつかなければ、遺骨を処分することはできません。

ここでは、無縁仏や無縁墓の問題点と無縁墓になった後はどう処理されるのかについて解説していきます。

無縁仏や無縁墓の問題点とは?

無縁墓が社会的な問題になっているのは、墓の管理や撤去費用が寺や自治体の負担になっていることが大きく関係しています。

墓地の管理には、通路をはじめ公共部分の整備や補修のための費用がかかります。管理費を支払うのはこのためです。一方、個別の墓は所有者に管理責任があるので、掃除や墓参り供養まで、寺や霊園などの管理者が行うわけではありません。

管理費も支払われずに墓も放置されては、寺や霊園にとっては大迷惑。墓が荒れて隣接する墓の所有者から苦情が出るケースもあります。管理者としては、無縁墓は撤去して、新たに墓を建てたいという人に使ってもらいたいというのが本音でしょう。

しかし、遺骨の埋葬は法律によって定められているので、一定期間は墓を撤去したり遺骨をとり出すことができません。さらに、墓の所有者があらわれなければ、墓じまいにかかる墓石の撤去や整地の工事費用は、墓地や霊園を管理する自治体の負担に……。

つまり、税金を使って墓じまいが行われる可能性があるのです。

無縁仏や無縁墓の基準とは?

国は法律で無縁墓の撤去を認めています。ただし、無縁墓と認められるためには基準を満たす必要があります。

その際の手続きは、以下の通りです。

  1. 墓の所有者や縁故者を探す

まずは墓の所有者を探し、墓の管理費の支払いを求めます。連絡がつかない場合は、司法書士や弁護士に相談し、戸籍などからできる限り縁故者を探します。

  1. 官報に記載する

所有者や縁故者が見つからず連絡が取れない場合は、官報に記載し墓を撤去する旨の告知をします。

  1. 墓に立て札をたてる

墓にも撤去の立て札や張り紙をし、所有者に告知をします。定期的に写真で記録して、いつから撤去の告知をしたかがわかるようにしておきます。

  1. 無縁墓として認められ撤去が可能に

官報の掲載と立て札や張り紙による撤去の告知期間が1年経過したら、無縁墓として認められ撤去が可能になります。

このように国に無縁墓と認めてもらうまでには、最低1年はかかります。所有者と連絡がつかなくなって、すぐに官報に乗せるケースは稀なので、実際は撤去までに数年がかかると思って良いでしょう。

無縁仏や無縁墓になるとどうなるのか?

無縁墓として認められると、墓から遺骨を取り出すことができます。平成11年には「墓地、埋葬などに関する法律施行規則の改訂」が行われ、所有者への通達方法が整備されました。さらに、この法律によって、管理料が支払われず放置された状態で一定期間が過ぎると、墓の管理者は遺骨を掘り返して合祀できるようにもなりました。

しかし、親族の合意なく遺骨を処理することは、気持ちの良いものではありません。そのため、全てのケースが法律にそって処理されているわけではないようです。

取り出した遺骨は、無縁仏を受け入れている寺院や霊園で、他の遺骨とともに納骨されます。これを合祀(ごうし)と呼びます。一度、合祀された遺骨はその後取り出すことはできません。

すでに無縁墓となった墓から取り出した遺骨ですので、合祀にかかる手続きや費用についても所有者を探して請求することは難しく、ここでも寺や自治体が費用をまかなうことに。

このような無縁墓は住民(の税金)によって、支えられているとも言えるのです。

なぜ無縁仏問題が増えているの?

現在、社会的な問題ともなっている、無縁仏や無縁墓の増加。もともと日本人は、死者や死後の世界への関心は比較的高い方です。仏や墓を粗末に扱って良いと思う人が、急に増えたわけではないでしょう。人々の関心が高いからこそ、無縁仏や無縁墓が問題になっているのです。

実は、無縁仏や無縁墓が増える背景には、供養をしたくてもできない日本社会の変化が関係しています。

孤独死の増加

社会問題となっている孤独死は、無縁仏の大きな原因のひとつです。独居老人が増えたことに加えて、社会とのつながりが希薄になっていることも、孤独死の増加に関係しています。

孤独死してしまった人は頼れる家族や知人がいない場合が多く、死後も供養してもらえないケースが少なくありません。遺体の引き取り手が見つからない場合は、自治体が葬儀を行うよう定められおり、火葬後の遺骨は行政が管理する霊園や無縁仏を受け入れている寺院などに納骨されます。

こうした墓は無縁墓地や無縁塚と呼ばれます。

墓の管理や墓参りの負担が大きい

墓を維持するためには、定期的な掃除や墓参りに加えて維持費も必要です。毎年の管理費に加えて、墓が遠方の場合は、交通費や宿泊費もかかります。このように墓を維持するための負担は小さくありません。負担が大きく管理が難しいと感じる人が増えています。

今は管理や墓参りができていても、後継者がいなければ無縁墓になる可能性が高く、少子高齢化が進む中、今後はさらに無縁仏や無縁墓が増えると言われています。

また、伝統的な家族観が薄れつつある現代では、墓や先祖に対する思いには個人差があり、中には供養を重視しない人もいるでしょう。そうした人にとっては、たとえ墓が近くにあっても負担を感じることに変わりはありません。

遺骨を引き取ることが困難

墓が荒れて無縁墓となっている場合、墓を管理する霊園や寺院は墓の所有者に墓の維持費に関して連絡をします。しかしそれでも遺骨を引き取ってもらえないケースが増えています。たとえ親族がいても疎遠になっていたり、すでに高齢のため引き取りが難かったりと、引き取りを拒否をする方がいるためです。

無縁仏や無縁墓の問題に直面しやすい人はこんな人

今は関係ないと思っていても、近い将来、みなさんも無縁仏や無縁墓の問題に直面するかもしれません。

次のチェックリストに1つでも当てはまる人は、無縁仏&無縁墓を抱える可能性のある予備軍です。

将来の問題に備える意味でも、まずは現状を把握しておきましょう。

無縁仏・無縁仏の危険度チェックリスト

  • 一人っ子
  • 実家あるいは墓が現在の住まいから遠い
  • 結婚していない又はする予定がない
  • 無宗教または信仰心が薄い
  • 子どもがいない又は持つ予定がない
  • 両親や親戚とは疎遠になっている
  • 墓の管理維持費を払うことが経済的に厳しい又は払いたくない

墓を一人で維持していくことは、想像以上に大変です。たとえ兄弟姉妹がいても、住まいやそれぞれの家族の状況によっては、協力し合えないこともあるでしょう。また、両親や家族との関係が悪い人や、そもそも信仰心が薄い人にとっては、墓があること自体が心理的な負担にもなります。非正規雇用の増加で経済的な不安を抱える人が多くなっている今、「墓の面倒まで見れない」という人は、今後も増えていくことでしょう。

祖先の墓を無縁仏にしないための方法

家族の墓がある、または墓を建てる予定がある人は、今後も墓の管理を続けていけるか、しっかり考えることが大切です。今は墓を管理できていても、近い将来に墓の維持が難しくなると予想されるなら、いずれは無縁墓になる可能性があります。

無縁墓にしないためには、次のような方法を検討することをおすすめします。

墓じまい

墓じまいに、罰当たりな行為という印象を持つ方がいるかもしれませんが、墓じまいは無縁墓にしないための解決策の一つです。墓じまいとは、現在の墓から遺骨を取り出して、墓石を撤去すること。遠方で墓の管理が難しい人や、墓の継承者がなく今後の管理が難しい人などが、墓じまいをするケースが増えています。

墓じまいの際は、墓から魂を抜く閉眼供養の儀式を行うのが一般的です。墓じまいにネガティブな印象を頂いている人も、閉眼供養をすることで安心して墓を閉じることができるでしょう。

これ以上は墓の面倒が見れないとわかったら、墓じまいの検討を始めましょう。墓じまいの手続きや親族との相談には時間がかかる可能性があるので、早めに判断することが大切です。

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改葬

改葬とは、墓から遺骨を取り出して、別の場所に納骨する方法です。墓が遠く管理が難しい場合は、現在の墓を墓じまいして、近くの霊園や寺院に墓を建て改葬することで、無縁墓を避けることができます。

今後も先祖の遺骨を供養したい人や墓を建てる予定がある人は、改葬を検討することをおすすめします。

永代供養

無縁仏や無縁墓を解決するための救世主とも言えるのが、永代供養です。霊園や寺院が親族に代わって納骨や供養をしてくれる方法で、最初に永代供養料を支払うと一定期間の供養をしてもらえます。改葬で墓を建てるのに比べて、費用が安いことも魅力です。

永代供養は17回忌、33回忌、50回忌の法要に合わせた期間までというのが一般的で、期間が長いほど永代供養料は高くなります。納骨方法は個別納骨、樹木葬、合祀(他の遺骨とまとめて埋葬される方法)から選ぶことができ、個別納骨の場合は60万円前後、合祀の場合は10万円前後と金額には幅があります。

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自分が無縁仏にならないための方法

後継者がなく、自分の死後に不安がある人は、生きているうちに自分が無縁仏にならないための手を打ちましょう。

亡くなってしまえば何も気にならないと割り切れれば良いですが、葬儀や埋葬方法についてこだわりがある人にとって、自分がどのように供養されるかは大きな問題です。安心して人生の最後を迎えるために、死後のお悩みは解決しておきましょう。

死後事務委任契約を結ぶ

未婚率が上がり、少子化も進む今、注目されているのが「死後事務委託契約」です。文字通り亡くなった後の事務手続きを第三者にお願いするための契約で、家族や頼れる親族がいない場合に、葬儀や埋葬に関する手続きや住居・家財の処分などを委託することができます。

契約者は弁護士や司法書士などの専門家をはじめ、知人や友人でもOK。故人の希望にそって契約を履行するので、信頼できる人にお願いしましょう。

契約内容は財産に関すること以外なら、何を盛り込んでもかまいません。公共料金の解約から入院費の清算手続き、親族への連絡やインターネットでの死亡の告知まで、希望にあわせて契約書を作成しましょう。

死後事務委託契約を結ぶ際は、事前に以下の手続きはすませておくことをおすすめします。

葬儀方法の選択と葬儀社の生前予約

葬儀の規模や方法と葬儀社を決めて、事前に予約を済ませておきましょう。事前の支払いに不安がある場合は、預託金として受任者(契約を結ぶ人)にお金を預けておいてもOKです。

埋葬方法の選択と埋葬先の生前予約

後継者がいない場合は、永代供養や散骨葬をおすすめします。永代供養先、納骨方法や期間などを決め、生前予約しておくとスムーズです。散骨葬の場合も散骨専門業者に相談して、事前にできる手続きを済ませ、受任者の負担が軽くなるよう配慮しましょう。

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預託金の準備

葬儀や埋葬の他、家財の処分や役所の手続きなどにかかる費用を準備し、受任者に預けておきます。誰も自分の死期は予測できないので、もしもの備えとしてお金を預けておけば安心です。

自治体の制度を利用する

身寄りがなく健康状態に不安がある人は、自治体に連絡して定期的に巡回してもらうのもおすすめです。

孤独死の多くが、亡くなってから長期間が経過して発見されるため、腐敗が進み身元がわからなくなることが少なくありません。身元不明の遺体は自治体が埋葬することになっていますが、そのまま親族があらわれなければ無縁仏となってしまいます。

単身の高齢者向けのサービス以外にも、引きこもりのように社会から孤立している人を支援するサービスもあります。また、自治体によっては、葬儀や埋葬方法についての希望を記録して、自治体経由で葬儀社と生前契約を結ぶ仕組みがあるところもあるので、不安がある人は市区町村役所に相談してみましょう。

まとめ

無縁仏や無縁墓は、これからも増えていく問題です。一方、社会問題になっているからこそ、多様な供養の方法が出てきたとも言えます。伝統的な墓にこだわるあまり無縁仏にしてしまっては、意味がありません。先祖の墓を無縁仏にすることも、自分が無縁仏になることもないように、自分たちにあう供養の形を見つけてくださいね。

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