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お彼岸の意味は?お墓参りに行く理由や作法、お盆との違いや供花・お供え物についても紹介!
お彼岸とは春分・秋分の日を挟む7日間、またその期間におこなわれる仏事
お彼岸とは春分の日や秋分の日を挟んだ7日間です。
令和3年の場合、春は3/17~3/23でした。秋は9/20~9/26です。初日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸のあけ」と言います。国民の祝日になる春分の日や秋分の日は「お中日」と呼ばれます。
お彼岸は奈良時代から行われている日本独自の仏教行事です。この期間はご先祖様の供養のためにお墓参りに行く人が多く、法要を行うお寺も多いです。
この記事はお彼岸の意味、お墓参りやお盆に関する知識や情報、お彼岸に使われる供花、お供え品について紹介します。
彼岸とは悟りの境界に至ること
「彼岸」は仏教の言葉で悟りの境界に至ることを言います。または涅槃(ねはん)の境界のことです。
小学館「現代国語辞典」より
涅槃とは仏教で「死」を意味します。人が煩悩から放たれて安らぎを得た理想の境地です。
仏教の「波羅密多」に由来する
彼岸という言葉は仏教に由来する言葉で「波羅密多」(はらみった)というサンスクリット語が関連していると言われています。サンスクリット語は古代インド・アーリア語に属する古代語です。
「波羅密多」は此岸(しがん)という煩悩(ぼんのう)の世界にいる人が「六波羅蜜」(ろくはらみつ)という徳目(とくもく)の修行に励み、「彼岸」という悟りの世界に到達するという意味です。(「此岸」は人が生きている世界、「彼岸」は浄土といわれる死後の世界ではないかという説が一般的です。)
徳目とは、社会経験や道徳観によって育まれる人の心のありようである徳を分類した細目のことです。
以下は修行のための徳目「六波羅蜜」の6つの内容です。
徳目の名称 | 意味 |
布施(ふせ) | 見返りを求めない施し |
持戒(じかい) | 決まりを守ること |
忍辱(にんにく) | 辱められること、厳しい状況に耐えること |
精進(しょうじん) | いつでも努力して頑張ること |
禅定(ぜんじょう) | 心を安らかにすること |
智慧(ちえ) | 正しいものを見極めること |
お彼岸にお墓参りに行くと良い理由
お彼岸には、お墓参りに行くと良いとされています。その主な理由は、この期間に仏様の供養をすると極楽浄土に行くことができるといわれているからです。
しかし、理由は他にもさまざま挙げられます。今回はその中からいくつか説を紹介します。
ご先祖様に思いが伝わりやすい時期だから
お彼岸の日にお墓参りに行くと、ご先祖様に思いが伝わりやすいと言われています。
それは天文学にも関係する理由からです。春分の日や秋分の日は太陽が真東に昇り、真西に沈むことから、東西がつながって一つの直線になるとされています。
そのため、東にある此岸(しがん)といわれる私たちが生きている世界と、西にある悟りの開けた世界(極楽浄土)の行き来が可能になります。こうしたところから、ご先祖様に思いが届きやすいのではないかと言われるのです。
過ごしやすい季節だから
お彼岸は春と秋という暑くもなく寒くもない過ごしやすい季節なので、お墓参りには最適です。
猛暑といわれるくらいに暑い日や極寒の寒い日にお墓参りというと、なかなか大変で体力的にもこたえます。特に高齢者にとってはつらいものでしょう。
そのため、過ごしやすいお彼岸の時期がお墓参りにちょうどよいとされています。とりわけ、遠方にお墓がある人にとっては、家族で遠出するのに最適な時期でしょう。
中日の秋分の日、春分の日がベスト
上記の理由で、お彼岸の中日とされる秋分の日や春分の日がお墓参りにベストとされています。
ただしお墓参りの時期に必ずしも決まりはありません。
お彼岸の時期に行くのも良いですし、お彼岸でなくてもお世話になった祖父母に報告したいことがあるときに行くのも良いでしょう。
たとえば結婚が決まった、志望校に合格した、就職が決まったなど人生の節目の報告に行くのもおすすめです。
お墓参りの作法
お墓参りの作法は、知っているようで知らない人も多いのでは?気づかずに失礼なことをしてしまわないように、きちんと把握しておきましょう。
持ち物
墓参りの際に必要な主な持ち物です。
- 仏花(花屋さんやスーパー、場合によってはコンビニでも仏花として売っています。)
- マッチかライター
- お供え物(故人が好きだったものなど)
- 雑巾などの掃除道具(お寺で貸し出しがある場合も)
- お線香
お墓参りにすべきこと
墓参りで最初にすべきことはお墓の清掃です。お寺によっては清掃道具が置いてあります。
きれいになったところで、お参りをするとご先祖様も気持ち良いものでしょう。
以下が清掃からはじまる、お墓参りの一般的な流れです。
- 墓石に水をかけて汚れている部分をブラシなどで洗う。
- 墓石についた水をタオルできれいにふく。
- 花を入れる花立や水鉢、お線香入れなどは汚れやすいので、ブラシを使って丁寧に洗う。
- 花を活けてお供え物を半紙に置いて供える。(供え物は持ち帰る決まりになっている場合もあります。)
- かがんで心を込めて手を合わせる。
親族以外は故人の自宅訪問は避ける
お墓参りの帰りに親しかった故人の家に寄って、お線香をあげたいと思う場合があります。
しかしこの時期の自宅訪問は避けた方が無難です。なぜならば、故人の親族がお線香をげあげに来ている可能性があるからです。故人の家族を気遣う意味で遠慮しておいた方が無難でしょう。
ただし、お墓参りであれば大丈夫なので、お墓に手を合わせて故人を弔ってください。
お彼岸のお供えは?
お彼岸のお供えというと「ぼたもち」や「おはぎ」を連想する人は多いのではないでしょうか。
その他に「いなりずし」や「海苔巻き」をお供えする地域もあります。また、故人が好きだったものをお供えするのも良いものです。
春は「ぼたもち」秋は「おはぎ」
春にお供えするのは「ぼたもち」秋は「おはぎ」が一般的です。
どちらももち米を小豆(あずき)でくるんだ餅菓子です。小豆の赤は魔物を寄せ付けない色とされているため、魔除けのためではないかという説があります。
「ぼたもち」と呼ぶのは牡丹(ぼたん)の花が咲くのが春だからです。「おはぎ」は秋に萩の花が咲くことから呼ばれます。
お彼岸の供花は季節の花など
お彼岸で供えるお花は、季節の花をはじめさまざまです。
四十九日までは白や淡い色の花、四十九日より後は明るい色でも可能になります。
- 菊
- カーネーション
- ヒャクニチソウ
- ストック
- キンギョソウ
- その他の季節の花
お盆との違い
お盆とお彼岸は似ているように思われますが、全く違うものです。
その違いについて知っておくと、お彼岸に対する理解も深まるでしょう。
考え方の違い
お盆とお彼岸は、そもそもの考え方が根本的に違います。
- お盆:ご先祖様が家に帰ってくるので招き入れる。
- お彼岸:故人の住む世界と現存の世界が近くなるので供養のためにお墓参りに行く。
時期の違い
お盆とお彼岸は時期も異なります。お彼岸は春と秋ですが、お盆は夏です。
お盆は8月13日~16日という地域が多いです。しかし東京の都市部、金沢市、静岡市などの一部の地域は7/13~7/16、沖縄県や鹿児島県の奄美地方は旧暦の7/13~7/16になっています。
家で用意するものや行事の違い
お彼岸はお供え物はしますが、特に家に飾り物をしません。しかしお盆は家にご先祖様が戻ってくるため、華やかな提灯やキュウリとナス、割りばしでつくったご先祖様が乗る精霊馬などの飾り物があります。
また、お盆はご先祖様を迎えるための迎え火、あちらの世界に戻るのを見送るための送り火もあり、地域によっては精霊流し(しょうろうながし)があったりします。
供える花の違い
季節が違うため供える花の種類も違います。
お彼岸に供える花は上記で紹介しました。
お盆に供える花は以下のものが一般的です。(白系の花が多いが、鮮やかな色の花でも可、地域や宗教によっても異なる。)
- 菊
- リンドウ
- キンセンカ
- カーネーション
- ケイトウ
まとめ:お彼岸の意味を知り、心を込めて手を合わせたい
お彼岸はご先祖様のいらっしゃる世界と私たちの住む世界が一直線になる時期と言われているので、ご先祖様をより身近に感じるのではないでしょうか。
そんなお彼岸にはお墓参りに行って、ご先祖様に心を込めて手を合わせましょう。