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種子とは?心の在り方?仏教語としての意味を紹介
種子とは「物事を引き起こす可能性・要因」
種子は植物の種のことを指しますが、仏教用語での種子は物事を引き越す可能性・要因を意味します。
植物の種子から草木が生えることを引用したものと言われており、読み方は「しゅうじ・しゅじ」です。
種子=個人を形づくっているもの
仏教では人間の中には「八識」があるとされています。
八識とは?
八識とは、五感である①眼識・②耳識・③鼻識・④舌識・⑤身識と、これらによって得られた情報を記憶し思考する⑥意識、さらにその奥にある⑦末那識、そして心の最も奥にある無自覚な意識とされる⑧阿頼耶識の8つのこと。
仏教では、種子は⑧阿頼耶識の中に蓄えられている膨大な記憶や業を指します。これが「因」となり将来「果(結果)」を生むと説いています。
2種類ある種子
さらに種子には、2種類あると説かれています。
- 生まれながらに持っているもの
- 生まれてからの環境や行いなどに伴うもの
つまり、この2つが相互作用することで個人を形づくり、そのもとで私たちは人生を歩んでいると言えます。
密教においては仏を象徴する真言
密教においての種子は、仏や菩薩を象徴する梵字のことで、一音節の呪文(真言)を意味します。この場合の読み方は「しゅじ」。種子真言とも呼ばれています。
日本の密教では梵字で表記したもの=種子字
日本の密教では、如来、菩薩、天部の神々の尊名を象徴的に梵字で表記したものを「種子字(または略して種字)」と言います。これは、本尊となる仏を想起するシンボルでもあります。
種子の例は以下の通り。
仏尊 | 種子 | 読み方 |
阿弥陀如来 | ह्रीः | hrīḥ(フリーヒ) |
金剛界大日如来 | वं | vaṃ(ヴァン) |
聖観音 | स | sa(サ) |
不動明王 | हां | hāṃ(ハーン) |
また曼荼羅など、仏尊の絵姿の代わりとして種子を描くことも多いです。これには、絵を書くよりも種子の方が早く描け、手間がかからないという手軽さの意味もあるようです。
まとめ:仏教での種子とは物事を引き起こす可能性をもつ「因」のこと
仏教でいう種子とは、物事を引き起こす可能性・要因という意味です。
また、仏教では人間の中には眼識、耳識、鼻識など8つの意識があると考えられています。この中の8番目である、阿頼耶識の中に蓄えられている膨大な記憶・業が種子とされ、これが「因」となり将来「果」を生むと説かれています。
さらに「生まれながらに持っているもの」と「生まれてからの環境や行いなどに伴うもの」の2種類の種子があります。私たちは、これらが相互作用することで個人を形づくり、人生を歩んでいると言えるでしょう。
なお、密教においては、種子は仏や菩薩を象徴する梵字のことで、真言の意味。この場合の読み方は「しゅじ」。曼荼羅などでは、仏尊の絵姿の代わりとして描き、本尊のシンボルとされています。