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直葬とは?後悔しないための進め方・必要な費用を紹介

目次

直葬とは通夜や告別式を行わない別れのスタイル

直葬とは通夜や葬儀、告別式を実施せず、故人を送る葬儀のスタイルです。読み方は「ちょくそう・じきそう」であり「火葬式(かそうしき)」と総称されることもあります。

一般葬などに多い宗教的な儀式を省いたシンプルなスタイルであることが直葬の大きな特徴。直葬の多くは親族だけで実施するため、参列者へのおもてなしに追われる事も最小限にすみます。さらに長い時間葬儀に拘束されることもないため、参列者にとっても負担を大幅に軽減できる葬儀スタイルだといえるでしょう。

直葬の認知度は高まっている

イキカタ編集部が実施した西日本新聞読者モニターを対象とした「家族葬に関するアンケート」では「知っている葬儀形式」として、全体の約半数方が「直葬を知っている」と回答。特に60代が約60%と最も高く結果となりました。

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直葬経験者はまだまだ少数派

一方で、同じくアンケート調査によると直葬を経験したことがある方は全体の4%に留まるという結果に。認知度では約60%と最も高い認知率となった60代でも、実際に経験した割合は約7%。直葬の認知は高まっている一方で、経験数としてはまだまだ少ない事が分かります。

なぜ直葬のニーズが高まっているのか

アンケート結果が示すとおり直葬の認知度は上がっています。それに伴い、葬儀社でも直葬専用のプランが増えており、直葬のニーズは近年高まっているといえます。その背景には、核家族化が進んでいることや地域との関係性が変化していることなどがあると考えられます。

また、高齢化社会も直送のニーズを高めている要因のひとつ。高齢で亡くなったため、故人の友人達もすでに他界しており参列者が少ない場合や、遺族側も高齢で葬儀への負担が大きい場合などでも、直葬を選ぶケースがあるでしょう。

この他、宗教的な儀式を省く分、他の葬儀スタイルと比較すると費用を抑えることができます。時間や遺族の負担だけでなく、費用までもコンパクトにできる直葬は、現代にマッチした葬儀のスタイルだといえるかもしれません。

後悔なく直葬で送るためにメリットやデメリットを把握して

葬儀は、故人はもちろん、故人を送る遺族にとっても一度きりのこと。できるだけ後悔の念を残さないように過ごしたいものです。とはいえ、どの葬儀スタイルにもメリット・デメリットが存在します。それは直葬にもいえること。メリットだけでなくデメリットにも目を向け、デメリットを回避するためにはどうすれば良いか考えておくことも、必要な準備事項といえるでしょう。

直葬のメリット

喪主・遺族の負担を最小限にできる

直葬のメリットとしてまず挙げられる事が「喪主や遺族の負担を最小限にできること」です。一般葬の場合、多くの参列者が訪れるため、その対応はもちろん、食事や返礼品を用意するなどのおもてなしが必要。大切な家族を亡くした遺族にとっては心身共に負担が大きくなってしまいます。その点、直葬は葬儀がない上、多くの場合は身内だけの参列となるため、遺族側の負担も少なく済むでしょう。

参列者の負担も少ない

また、参列者にとっても長時間拘束されることがなく、火葬場への集合であれば移動に対する負担を大きく削減できます。特に参列者が高齢であることが予測できる場合は、この点も大きなメリットとなるでしょう。

費用が軽減できる

さらに、葬儀費用を大幅に節約できることも直葬のメリットです。葬儀・告別式を実施しない分、葬儀社への支払いは少なくなります。ただし一般葬と同様に見積はしっかりと確認しましょう。

直葬のデメリット

周囲の理解を得られないケースも

直葬のデメリットは「周囲からの理解を得られない可能性がある」という点にあります。認知度が50%ということは、知らない方も半数いるということ。想像している一般葬と全く異なるスタイルのため親族などから「大切な家族を葬式もせず見送るなんて!」と非難され、トラブルになる可能性も否定できません。

菩提寺によっては納骨を断られることも

お付き合いがある菩提寺がすでにある場合は、通夜や葬儀、告別式を実施しないことや戒名を付けないことが菩提寺の考え方と、相違してしまい、関係性が崩れてしまうことも。中には納骨を断られるケースもあるため注意しましょう。

h4故人とのお別れの時間は短くなる

僧侶の読経中に故人を偲ぶ一般葬とは違い、直葬の場合は火葬炉の前で過ごす5分〜10分程度が最期のお別れの時間になります。このように、故人とお別れする時間が圧倒的に短くなることは直葬のデメリットの1つといえるでしょう。

トラブル回避には直葬の内容把握が最重要

直葬のデメリットを回避するためには、しっかりと周囲に連絡・相談し、実施内容を報告する事が大切です。さらに、直葬の内容を十分に理解していても、実施していた後に「葬儀・告別式を実施し、見送れば良かった」と後悔する方がいることも事実。直葬を選択し、故人を火葬だけで見送ったとしても、あとから悔やむことがないかどうか十分考えておくことも必要だといえます。

直葬実施前に注意すべき事柄とは?

認知度が高まっている直葬ですが、経験者がまだまだ少数である様子。では、自分が「直葬で家族を送る立場」になった場合は、どのような事に注意する必要があるのでしょうか。

周囲や菩提寺の理解が必須

周囲への報告を怠ったり、菩提寺へ相談や連絡もなく直葬を実施してしまうと葬儀後のトラブルを引き起こしかねません。今後もお付き合いが続く相手でもありますので、トラブルに発展しないよう直葬を実施したい希望を伝え、理解してもらいましょう。

また、生前から故人が直葬を希望している場合は、生前から周囲や菩提寺へ報告・相談することでトラブルを予防できる可能性もあります。家族間でのコミュニケーションを密に、故人の希望を聞き出しておくことも必要だといえますね。

戒名をつけてもらえるのか確認

直葬は葬儀・告別式がないぶん、僧侶を招かないケースが一般的。しかし、戒名を頂戴したい場合もあるでしょう。その場合は菩提寺への確認が必須。お布施を用意し「今後の法要は実施したいので戒名をつけて頂きたい」と希望を伝え、可能かどうかを相談してみましょう。

遺体安置場所の確保は必須

死後24時間以内の火葬は法律により認められていません。そのため、時間が経過するまでの間は自宅等で故人を安置する必要があります。この場所を確保できるかどうかも確認が必要なポイントです。

また、病院で亡くなった場合でも、長時間病室で安置してもらうことが叶わないケースが多いです。自宅で安置できない場合は、葬儀社の安置室などに依頼できる場合もあるため、相談してみましょう。

直葬の一般的な流れ

直葬は通夜はもちろん、葬儀・告別式を実施せず火葬のみを執り行います。直葬当日は故人を納棺し、参列者がお別れを済ました後は出棺という流れが一般的です。

一方、直葬であっても少し宗教的な儀式を取り入れたいと希望されることもあるでしょう。僧侶への確認は必須ですが、炉前で僧侶に読経をしてもらうことや、焼香を行うことも可能です。

火葬後の流れは一般葬と変わらないケースもあります。葬儀は宗教的な儀式を省いたとしても、法要は実施したい場合、骨上げ後に初七日の法要まで進めることも可能。その場合は、僧侶への確認を忘れず行いましょう。

直葬の流れ

①臨終

故人の臨終後は、死後処置やエンゼルケアを受け、医師からの死亡診断書を受け取ります。

②搬送・安置

自宅で安置する場合は自宅へ、故人を搬送します。自宅が難しい場合は、安置専用の施設を利用できるかどうか確認しましょう。遺体の搬送は寝台車を使用することが一般的です。

③葬儀社との打ち合わせ

葬儀社の施設を利用したり寝台車、霊柩車の手配、火葬場の手配など葬儀社のサービスを利用する場合は、葬儀社との打合せが必要です。棺を手配してもらったり、遺影の準備を依頼するなど、希望事項はしっかり相談しておきましょう。

④寺院・僧侶への報告

菩提寺がすでにある場合は、寺院・僧侶へ故人の訃報を知らせます。この時「直葬で実施したいと思っている」という希望を伝えましょう。また、宗教的な儀式を取り入れないにしても、以下の希望がある場合は相談することも忘れず実施して下さい。

・戒名は付けて欲しい

・炉前での読経を依頼したい

・今後の法要時は寺院・僧侶にお世話になりたい

直葬に異論を唱える僧侶や寺院があることも事実です。菩提寺はどのような考え方であるのかを把握し、トラブルにならないようコミュニケーションを持つことが大切です。

⑤通知

故人の親しかった友人・知人などへ故人の訃報を知らせます。その際は、直葬で実施することをお伝えし、遺族側の意向を理解してもらいましょう。

直葬に参列してほしいと思っている方へは、出棺時刻や集合場所をお伝えしましょう。

《臨終から24時間以降》

⑥納棺・参列者と故人のお別れ

納棺後は、棺にお花などを一緒に納め、参列者が故人とお別れを済ませます。故人の好物などを一緒に納めることも可能ですが、入れてはいけない物もあるため不安な場合は、葬儀社のスタッフに確認すると良いでしょう。

⑦出棺

⑧火葬

希望がある場合は、炉前での読経を頂戴します。その後焼香を行うことも可能です。

⑨骨上げ

⑩還骨法要(かんこつほうよう)・初七日法要

還骨法要(かんこつほうよう)や初七日の法要を実施することも可能です。骨上げと同時に実施することで、参列者の負担を軽減できるメリットがありますが、僧侶との打ち合わせが必要です。

⑪終了

精進落としは実施しない?

一般葬で故人を送る場合は、火葬後に会食の席を設け「精進落とし」を実施することが多いですが、直葬で故人を送る場合には、会食の席を設けない場合が多いです。

しかし、食事の席を設けないとはいえ、火葬の時間帯によっては参列者の空腹も予想できるでしょう。そのため、仕出しのお弁当や待機中につまめる軽食などを用意する等の配慮も必要となるケースもあります。

直葬に必要な費用とは?

直葬に必要な費用は、火葬代だけではありません。この他にも遺体を搬送したり、棺や骨壺、遺影にも費用が発生することを把握しておきましょう。もちろん、戒名を依頼する場合には、これらの費用の他にお布施も必要となり、葬儀場の一室で故人を安置してもらう場合は、施設利用料等が別途必要です。

とはいえ、葬儀・告別式の食事や会葬に対する返礼品を用意する一般葬と比較すると、直葬の費用は大幅に抑える事ができるでしょう。

香典は受け取る?辞退する?

直葬で故人を送る場合、香典をお渡しするかどうかは喪主の意向により異なります。事前に「香典辞退」を決めている場合は、直葬の報告と同時にお伝えしておくと良いでしょう。

参列者側は、香典辞退の意向を聞いている場合は、香典の用意は不要です。しかし、何も聞いていない場合は渡すことを前提に用意しておく方が無難だといえますね。

香典を渡す場合の相場

香典を渡す場合は、以下を参考に金額を包み用意しておきましょう。

関係性金額
祖父母1万円
両親5〜10万円
兄弟・姉妹1〜5万円
親戚1〜3万円
会社の関係者5千円

「香典は香典袋に入れる」、「新札を使用しない」など、香典の用意方法やマナーは一般葬と同じです。

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香典を受け取ったら香典返しは必要

直葬の場合でも、参列者から香典を頂戴した場合は香典返しが必要という意識に違いはありません。葬儀時に用意していた場合はその場で渡し、準備していない場合は四十九日の忌明け後に渡すように準備しましょう。

なお、香典返しはいただいた香典の3分の1〜半額程度をお返しすることが一般的ですが、直葬の場合も金額の目安は同じです。

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直葬とは遺族や参列者の負担を減らした静かな別れの時間

近年認知度が上がっている直葬は、喪主や遺族だけでなく参列者の負担を最小限にとどめられる静かな別れの時間です。参加経験数はまだまだ少ないとはいえ、認知度が上がり核家族化や高齢化が進む現代でニーズが高まりつつある葬儀スタイルともいえるでしょう。

葬儀一連に必要な費用を抑えられることもメリットである一方、周囲や菩提寺とのトラブルの要因になること、短い別れの時間を後から後悔してしまうことなどがデメリットだといえ、事前の相談・確認が必須。

故人のお見送りが満足できる時間になるよう、周囲への報告・相談を入念に実施し、喪主側も直葬の内容を把握しておくことが大切です。

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