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    お布施とは?|意味や金額の相場・マナーを解説

    目次

    お布施とはお寺や僧侶へのお礼の金品

    お布施(ふせ)とは、葬儀や法事で読経や、故人の戒名(かいみょう)に対するお礼として、お寺や僧侶に渡す金品のことです。法要が始まる前に挨拶をするタイミングで渡すのが通例となっています。ここではお布施の意味や歴史をはじめ、お布施の金額相場や渡し方のマナー、お車代・御膳料(ごぜんりょう)との違いについても解説していきます。

    お布施の意味や歴史をチェック

    お布施は、葬儀や法事の際に、僧侶の読経や故人の戒名に対する謝礼として渡す金品で、現代ではお金を包むのが一般的です。サンスクリット語の「檀那(旦那:だんな)」が起源で、英語の Donation (寄贈者)やDonor(ドナー)の語源になったと言われています。

    お布施は英語で『offering』または『alms』

    お布施は英語に訳すと『offering』または『alms』となります。”donation”にもお布施の意味がありますが、一般的な寄付や寄贈も含み、より広義の解釈になります。教会に備えつけてある寄付金箱には、”an offertory box”や”an alms box”の他、献金を意味する”a contribution (またはcollection) box”が使われる場合があります。

    例文1:母は僧侶にお布施を渡した。

    My mother gave the monk an offering.

    例文2:私は教会の寄付金箱にお金を入れた。

    I put money in the church alms box.

    お布施の風習は昭和初期ごろから

    現在の金銭によるお布施がいつごろ定着したのか、正確な記録はありませんが、昭和初期以降という説が有力です。というのも、葬儀でお金を包む香典の習慣は、大正から昭和初期ごろに一般化したと推察されるからです。一方、貨幣経済が浸透せず、物々交換がまだあった室町時代の終わり頃には、貨幣だけでなく食糧などが香典として用いられていたと言われています。昭和初期ごろになって、ようやく現在のような香典の習慣が全国的に受け入れられるようになりました。

    その一方で、お布施の思想は、古くから日本に根付いていました。お布施は、もともと仏教の六波羅蜜(ろくはらみつ)の修行の1つ「施し(ほどこし)」に由来します。施しは、金銭や食料物資などの財を施す財施(ざいせ)、仏の教えを説く法施(ほうせ)、恐怖心を取り除く無畏施(むいせ)の三施(さんせ)を意味しました。

    また日本では、故人の成仏を願うための布施として、葬儀の際に僧侶をはじめ親戚や地域の人々に食事を振る舞う習慣があり、人々の間にも布施の思想が根付いていたことが伺えます。

    お布施の金額相場

    お布施はお寺や僧侶への感謝の気持ちをあらわす謝礼なので、金額に決まりはありません。事実、全日本仏教会は「布施に定価はない」としています。とはいえ、お布施が少なすぎて失礼になるのは避けたいもの。お布施の金額相場には幅があるので、法要の内容を考慮したうえで包む金額を検討すると良いでしょう。

    葬儀のお布施の金額

    通夜、葬儀、告別式での読経を2日間いただいた場合、お布施の相場は15万~30万円となっています。さらに、戒名をつけてもらった場合は戒名料が必要です。こちらはお寺や戒名のランクによって、10万~100万円とかなりの幅があります。また、招く僧侶の人数によっても金額が変わります。金額に迷った時は、葬儀会社に相談することをおすすめします。

    法要別お布施の金額

    葬儀が終わってからも、四十九日や納骨、一周忌など、お寺にお世話になる機会はたくさんあります。その都度、お布施が必要になりますが、葬儀から日が経てば経つほど、金額は下がるのが一般的です。

    それぞれの法要ごとのお布施の金額相場をご紹介します。

    法要別お布施金額相場一覧

    法要お布施の相場備考
    四十九日3~5万円あわせて行う場合は5~10万円
    納骨3~5万円
    初盆(新盆)3~5万円初盆以降のお盆は5千~2万円
    一周忌3~5万円
    三回忌1~5万円
    七回忌1~5万円

    お布施の包み方・渡し方

    お布施は、包み方や渡し方にも決まりがあります。お店で代金を支払う感覚で、現金が剥きだしのままや、手渡しすることはマナー違反です。普段はあまり使わない袱紗(ふくさ)や奉書紙(ほうしょがみ)なども必要になるので、事前に準備しておけば、いざという時に慌てずに済みます。

    お布施は奉書紙(ほうしょがみ)に包むのが正式

    お布施の包み方で、もっとも正式で格式が高いとされるのは、奉書紙に包む方法です。奉書紙は和紙の一種で、かつては古文書を書く際の公式な紙として使われていました。表はサラサラと滑らかで、裏は少しザラザラしているのが特徴です。

    お布施を包む際は、まず、半紙でお金を包んでから奉書紙で包むのがマナーです。奉書紙は文具店や書道用具店、インターネットなどで購入できます。コンビニエンスストアでは手に入りにくいので、事前に準備しておくことをおすすめします。

    奉書紙が手に入らない場合は、白い封筒を使用してもOK。その際は、郵便番号や住所などの記入欄がない、一重のタイプを選びましょう。また、お布施用に「お布施」と印字された封筒を使っても問題ありません。

    お布施の表書き・裏書きのマナー

    まずは、濃墨(こずみ)の筆もしくは筆ペンを用意しましょう。香典には悲しみをあらわす意味で薄墨を使いますが、お布施はお寺や僧侶への感謝をあらわすものなので薄墨は失礼になります。

    お布施の表書きは、上段に縦書きで「お布施」や「御布施」と書き、下段に「〇〇家」と喪主の姓もしくはフルネームを書きます。これで誰が渡したのかがわかります。

    裏書きは、包んだ金額を縦書きにします。その際、金額の頭には”金”を、最後には単位をあらわす”圓也(えんなり)”を書きます。また、金額は旧字体の漢数字を使うのがマナーです。一は”壱”、二は”弐”、三は”参”を、十は”拾”、万は”萬”を使いましょう。ただし、お布施用の封筒にあらかじめ金額を記入する欄があり、横書きの場合は算用数字で記入してかまいません。

    お布施の渡し方とマナー

    お布施は、法要前のお礼の挨拶の際に渡しするのが一般的です。お布施を袱紗に包み、小さなお盆に乗せて運び、僧侶の前にお盆を置いて袱紗を広げ、渡します。くれぐれも手渡しはしないように気を付けましょう。袱紗を広げた時に、お布施の表書きが僧侶の正面になるように向きを整えることも大切です。また、複数の僧侶をお願いした場合は、一番位の高い方にまとめて渡します。

    お布施とお車代・御膳料の違い

    葬儀や法事では、お布施の他にお車代や御膳料を僧侶に渡すことがあります。お布施は、故人の供養の感謝として本尊に納めるのに対して、お車代や御膳料は僧侶への感謝をあらわす金銭で、そもそも目的が違います。ここではお車代や御膳料の包み方、金額の相場を紹介します。

    お寺以外の葬儀ではお車代を

    お寺以外で葬儀や法事を行う場合は、僧侶に交通費としてお車代を渡すのがマナーです。金額は一人5千~1万円が相場ですが、遠方から招いた場合は、実際の金額を考慮して額を決めましょう。逆に、寺院に出向いて法要を営む場合はお車代は必要ありません。

    包み方は、白い封筒にお金を入れて、表書きの上段に「お車代」、下段に「○○家」もしくは施主のフルネームを濃墨で書き入れます。渡すタイミングはお布施と同時でかまいません。お布施の下にお車代の封筒を重ねて袱紗で包み、お盆に乗せて渡します。その際、必ずお布施が一番上になるようにしてください。

    会食に参加しない僧侶には御膳料も

    法要後に参列者への感謝をこめて会食を催すことがありますが、その際、僧侶が参加されない場合に食事代として渡すのが「御膳料」です。金額は一人5千~1万円が相場です。僧侶が会食に参加される場合は、渡す必要はありません。

    包み方と渡し方は、お車代と同じく、お金を白い封筒に入れて表書きに「御膳代」と記入し、お布施とあわせて渡します。

    まとめ:お布施は故人を送り出すための感謝の気持ち

    葬儀のお布施は、金額だけをみると大きな負担に感じるかもしれませんが、お布施がそもそも修行のひとつだったことを踏まえれば、残された者として故人をいかに送りだせるのかを試される行いとも捉えることができます。その意味では、故人への感謝を込めることこそが、お布施の一番大切なマナーとも言えるでしょう。

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