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禰宜とは?宮司や神主との違い・禰宜のランク・禰宜になるには・よくある質問をご紹介

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目次

禰宜(ねぎ)とは神職の総称

禰宜は「ねぎ」と読む神職の総称です。伊勢神宮では、大宮司・少宮司の下に10人の禰宜や大内人、物忌などが働いています。

禰宜は、主に祭事や事務などの仕事を担っています。

禰宜は宮司(ぐうじ)を補佐する

一般的な神社では、禰宜は宮司を補佐する役目です。

禰宜の語源は「ねぎらう」という意味がある「ねぐ」の説が有力です。「ねぐ」を目上の人に使う場合、「祈ぐ」と書きます。

つまり、「祈る、祈願する」という意味です。神様の心を慰め、加護を請います。

そして、禰宜は今も昔も祭祀における重要なポジションを担います。

明治以降、禰宜は伊勢神宮などに設置された役職です。第二次世界大戦後は、宮司とともに全ての神社に置かれるようになりました。

禰宜の呼び方は関東、関西で異なります。関東では神職に関わっている人はすべて神主さんと呼びます。それに対して関西では禰宜さまと呼ぶ場合があります。

この場合、神主は神職の中の上司にあたる宮司を指すと考えられます。禰宜は宮司のサポートとして祭祀や祈祷を行います。

禰宜・宮司・神主との違い

禰宜・宮司・神主は混同されやすいポジションです。ここで、それぞれの役割をまとめます。因みに神主は職種ですが、禰宜や宮司は役職です。

・宮司:神職をまとめる神職全体の頂点(神職の中で一番位が上)

・神主:神職に携わる人のこと(神主は職種)

・禰宜:祈祷などを行う役職

以下で詳しく説明します。

宮司は神職をまとめる

宮司は神職全体をまとめる役割があります。位としては、神主の中で一番上です。神社の代表取締役です。

宮司の仕事は以下です

・巫女や神職をまとめる

・各種祭祀の責任を担う

・宗教法人(神社本庁)の代表役員

神社本庁の包括神社は、日本全国で約8万社ありますが、宮司の数はその中の8分の1ほどの1万人程度です。つまり、宮司不足になっています。

そのため、小さな神社には神職が常駐していない場合もあります。しかし、宮司は必ずいるものです。なぜならば、1人の宮司が複数の神社の宮司を務めているからです。

宮司が複数の神社を回っている場合、正式に奉仕している神社を本務神社と呼びます。それ以外の神社は兼務神社です。

ケースバイケースですが、人材不足など神社の都合により、1人の人が役職を変えて努めることもあります。たとえば、A神社では禰宜、B神社では宮司とその神社によって役職が変わります。

特に祭祀の多い季節は、兼務神社での勤務が多くなります。

神主は祭祀を執り行う資格を持つ

神主は職種です。つまり、神主は祭祀を執り行う資格も持っている神職に携わる人のことで

多くの人に「神主さん」と呼ばれる人の正式な職業名は「神主」ではなく「神職」です。お寺の住職や僧侶を「お坊さん」と呼ぶのと同じです。

禰宜は祈祷などを行う

祈祷などを行う禰宜は、神社では宮司に次ぐ役職です。禰宜の禰(ね)は、神様の場所という意味があります。宜(ぎ)は神様が降りてきて宣言するという意味です。

また、禰宜には労うという意味もあるので、禰宜は神様と人の間を取り持つという役目があります。

禰宜が祈祷を行うのも、そのためと考えられます。

禰宜のランク

ここからは、禰宜のランクを紹介します。

神職には身分制度があり、禰宜は宮司に次ぐナンバー2です。しかし、その他にも細かい身分制度が存在します。

神職の身分規程がある

神職には、神社本庁が定める身分規定があります。上から順に特級、一級、二級上、二級、三級、四級と定められています

これらの身分は経歴や神社への功績をもとに決められます。その基準となるのは以下です。

・特級:神本庁統理、神宮司

・一級:神宮少宮司

・二級または二級上:神宮禰宜、権宮司など

・二級または三級以上・正階以上:神宮禰宜、権宮司など

身分役職
特級神本庁統理、神宮司
一級神宮少宮司
二級または二級上神宮禰宜、権宮司など
二級または三級以上・正階以上神宮禰宜、権宮司など

昇給の場合は地域や神社庁支部への貢献度、神職としての実績、尊敬すべき人物か否かなどを見られます。ただし、神職の人数が少ない地域の場合は、多いところと比べ、昇給が早まる傾向です。

因みに出雲大社の場合、教統は一級になっています。

禰宜になるには

ここからは、禰宜になるには、どんな経路をたどるか、一般的な例を元にご紹介します。

まずは階位取得課程のある学校や機関に入り、単位をとる必要があります。または、通信や講習会でも資格を取れます。

階位の取得

神職における階位は、神社本庁が定める「階位検定及び授与に関する規定」で5つの区分が定められています

また、これらの階位の名称は神道で大事とされている「浄明正直(じょうみょうせいちょく)」※をもとに作成されました。

※浄明正直:祝詞に「明き、浄き、正しき、直き、真の心・・・」とあるように、明るく美しく正しい心を大切にという意味です。

階位は以下のように定められています。

1.浄階(じょうかい)

2.明階(めいかい)

3.正階(せいかい)

3.権正階(ごんせいかい)

4.直階(ちょっかい)

それぞれの特徴について表で説明します。

階位名特徴
浄階(じょうかい)階位の最高位。長年、神道に貢献した神職に与えられる。
明階(めいかい)伊勢神宮大宮司以外であれば、宮司の階位
正階(せいかい)禰宜や宮司
権正階(ごんせいかい)地域の神社の宮司か宮司代表者、権禰宜
直階(ちょっかい)地域の神社の禰宜・権禰宜

階位の取得方法

階位検定で階位を取得できます。そのためには、以下の課程を修了するか、試験に合格しなければいけません。

以下は階位ごとの必要な取得方法です。

・明階:神職養成機関高等課程か同専攻課程・同明階総合課程・階位検定試験

・正階:神職養成機関普通課程、階位養成通信教育、階位検定試験

・権正階:神職養成機関普通課程、神職養成通信教育、階位検定講習会、階位検定試験

・直階:神職養成機関普通課程予科、神職養成通信教育、階位検定講習会

最高位になる浄階は現職の神職者で在籍年数、功績によって任命されます。したがって、試験があるわけではありません。

取得課程のある大学に入る

神道の勉強ができる大学に入れば、資格を取得しやすいです。

しかし、その数は少なく全国に以下の2校しかありません。

・國學院大學:神道文化学部

・皇學館大學:神道学科

こちらの2校は、大学のカリキュラムで勉強すれば、卒業時に正階の取得が可能です。

養成機関に入所

養成機関に入所して神職の資格を得ることも可能です。こうした養成機関は日本全国に7つあります。

1.國學院大學別科神道専修:東京都

2.志波彦神社鹽竈神社神職養成所:宮城県

3.出羽山神社神職養成所:山形県

4.熱田神宮学院:愛知県

5.京都國學院:京都府

6.大社國學館:島根県

7.神宮研究所:三重県

通信や講習会

通信は大阪国学院のみです。ここで1年の直階課程を修了した場合は、直階を取得できます。また、2年の権正階課程を修了すれば権正階の取得が可能です。

仮に直階の資格があれば、2年で編入ができ1年間で権正階を取得できます。

その他、講習会を利用して短期間で取得することも可能です。しかし、神職養成講習会を受けるには、条件があります。すでに奉職する神社が決定されていること、奉職する神社の宮司や都道府県神社庁長の推薦があることです。

こうした方法以外に考えられるのは「階位検定試験」での合格です。しかし、かなり難易度が高い試験です。

禰宜のよくある質問

禰宜は一般社会でいうとどんな役職?

神社でナンバーワンの宮司を社長とすると、権宮司が二番手の副社長、禰宜は現場の社員を取りまとめる常務や課長です。その下の権禰宜は一般社員にたとえられます。

禰宜などの神職に就くために必要な勉強は?

大学の神道学部や神道学科に入るための勉強が必要です。専門的な勉強は大学で行います。検定試験に合格したら、神社での研修期間もあります。それらを経て神職として働けるという仕組みです。

禰宜などの神職に向く性格は?

向く性格というより、神様へのご奉仕という仕事に情熱を保てるか否かが大事です。ただ興味があるというのみでは出来ない仕事です。たとえ、神様を信じていなくても仕事として関わるうちに存在を感じるようになったという人もいます。

ただ、わがままでどんなことにも不満を持つタイプの人は、神職に限らず厳しいかもしれません。

禰宜と権禰宜はどちらが上の位?

位の上では禰宜の方が上です。会社でたとえると、権禰宜は禰宜の部下です。

まとめ:禰宜は宮司の補佐をする大事な役目

禰宜は神職における役職名です。宮司の補佐をする仕事で、ランクとしては宮司、権宮司の下に位置します。一般社会でたとえると、常務や部長といった役職です。禰宜の下には、一般職として権禰宜が存在します。

神職に関わりたい場合は、神道の勉強ができる大学への進学、養成機関、通信、講習会で学ぶなどの方法があります。いずれにしても、資格が必要なので、強い意志をもって頑張りましょう。

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