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文殊菩薩とは?意味や得られるご利益・祀られている寺院や真言・モデルとなった人物・について解説

目次

文殊菩薩とは智慧を与え大衆を悟りへ導く仏様

文殊菩薩とは、智慧を司る仏様です。正式名称は「文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)」で、物事の正しい在り方を見極める力と判断力に優れ、その智慧で人々を悟りへ導くと伝えられています。

実在の人物がモデル

文殊菩薩には、モデルとなった実在の人物がいるといわれています。この人物は、古代インド・コーサラ国の首都、舎衛国(しゃえこく)の出身であり、身分制度上位に位置する司祭階級「バラモン階級」だったとも伝えられています。

仏教の経典を書物にまとめる作業に関わったとの言い伝えもあります。

文殊菩薩のご利益は?

智慧を司る文殊菩薩は、現在では知識や知恵の象徴とされ、文殊菩薩を参拝することで「正しい判断力が備わる」と言われています。特に試験や受験の合格祈願や学業成就を願う学生の験担ぎとして人気。有名な寺院だけでなく文殊菩薩を祀っている寺院は受験シーズンには多くの学生で賑わいをみせています。

卯年(うさぎどし)の守り本尊

文殊菩薩は智慧を司ると共に、卯年生まれの人の守り本尊(守護仏)です。卯年の人々の開運や厄除けなどを助けるともいわれています。

ことわざ「三人寄れば文殊の知恵」の由来

「三人寄れば文殊の知恵」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは「凡人でも3人集まれば、文殊菩薩のような知恵がうまれ、物事を良い方向に考えられる」という意味で使われていることわざです。

文殊菩薩像の特徴

文殊菩薩は観音像など多くの仏像に見受けられる顔や腕が多くある様子はなく、私たちと同じような容姿であることが特徴の1つ。この他に、

●右手に剣(利剣)を持っている

●左手に経典を持っている(頭や蓮華の上に乗っている場合もある)

●髪を5つに結っている

などがあります。剣は煩悩を打ち砕くときに使用し、経典は、良い教えを伝えるために使用するとされています。

髪を5つに結っているものが一般的で五髻文殊(ごけいもんじゅ)と呼ばれます。髪は結っている数により示す意味が異なり、5つは「敬愛」の意味。5つの他に、1つ、6つ、8つ結っているパターンの4種類があります。

若々しい姿を象っていることも多いです。

獅子に乗っている姿

智慧の力強さを表すために、獅子のうえに載っている姿の仏像も多いです。これは「騎獅文殊(きしもんじゅ)」と呼ばれ、どう猛な獅子の上に乗れるほど智慧の力が強いことを示しているといわれています。

この他、獅子がその強さで文殊菩薩を守るためとも伝えられています。

釈迦如来の脇侍(きょうじ・わきじ)としての姿

単独で祀られることもある文殊菩薩ですが、釈迦如来の左脇侍(向かって右側)として祀られることもあります。右脇侍(向かって左側)には普賢菩薩(ふげんぼざつ)が並び、この姿を「釈迦三尊」といいます。

釈迦三尊の場合、文殊菩薩は獅子に、普賢菩薩は象に乗っている姿の配置が多いです。

文殊菩薩の真言

真言とは、サンスクリット語の「マントラ」の略語であり「真実で偽りのない仏の言葉」であり、仏の教えがこもった言葉だといえます。

文殊菩薩の真言は「オン・アラハシャ・ノウ」。唱える回数により、得られるご利益が変わると言われ、10万回唱えれば「苦労を取り除くことができる」、50万回唱えると「サトリを開くことができる」そうです。

有名な文殊菩薩像

国内には文殊菩薩を祀る多くの寺院がありますが、中でも有名な場所が「奈良県の安部文殊院」です。

h3奈良県の安部文殊院

大化の改新の際に安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が安部氏の氏寺として建立した寺院が奈良県市の「安部文殊院」です。本尊は騎獅文殊菩薩(きしもんじゅぼさつ)であり、他に4人の脇侍を伴っています。

参照 安部文珠院 公式ウェブサイト 

安倍文殊院
寺宝と文化財 | 安倍文殊院
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安部文殊の騎獅文殊菩薩の特徴

安部文殊院に祀られている騎獅文殊菩薩は「渡海文殊(とかいもんじゅ)」とも呼ばれ、獅子に乗った文殊菩薩が4人の脇侍を伴った姿が大きな特徴です。この4人は文殊菩薩の説法を聞いていると言われ、「四眷属(しけんぞく)」と呼ぶこともあります。

この5体の像は全てが国宝であり、文殊菩薩も高さ7メートルを誇る国内でも最大のもの。ご利益を得るだけでなく、文化財としての見ごたえもとても大きいといえます。

従者の読みや意味は以下の通り。

従者読み方役割と特徴
善財童子ぜんざいどうじ道案内役である。文殊菩薩に呼び止められ、振り返りながら見ている子どもの姿をしている
優填王うてんおう獅子の手綱をもつ役割がある。古代のインド国王
維摩居士(最勝老人)ゆいまこじ(さいしょうろうじん)文殊菩薩と知恵比べをした経験から、文殊菩薩に付き従うようになった
須菩提象(仏陀波利三蔵)すぼだいぞう(ぶっだはりさんぞう)文殊菩薩に合うために尋ねてきた僧侶。「仏頂尊勝陀羅尼経(ぶっちょうそんしょうだらにきょう)」を広めることを依頼された

維摩居士と文殊菩薩との逸話

維摩居士は釈迦の弟子たちを法論で言い負かした事もある人物。病気になった際も、言い負かされたことを良く思わない他の弟子達は見舞いに行きません。そこでお釈迦様は文殊菩薩を見舞いに送ります。

見舞いに行った文殊菩薩は、維摩居士と対等に話すことができ、素晴らしい法論が生まれます。その後お互いにたたえ合い、維摩居士は文殊菩薩に付き従うことになりました。

文殊菩薩は、維摩居士と対等に話すことできたことから智慧を与える菩薩となったといわれています。

日本三文殊とは

日本には「三文殊」と呼ばれ、そのご利益を得たいと多くの人が訪れる寺院があります。受験合格を祈願するだけではなく、お参りを済ませば書道が上達するとも伝えられています。

《奈良県》大和の安倍文殊

上段でご紹介している奈良県桜井市にある「安倍文殊院」は、「大和の安部文殊」といわれている三段文殊のひとつ。墨を智慧の水ですれば、筆が上達したとの言い伝えもあり

「硯の文殊」という別の通称でも親しまれていたそうです。

建立が645年であり、日本最古に属する寺院であることも大きな特徴的のひとつ。

文殊菩薩を祀っている寺院としてだけでなく、有名な陰陽師「安倍晴明」誕生のお寺としても有名です。

《京都府》丹後の切戸文殊

京都府宮津市にある「智恩寺(ちおんじ)」も「丹後の切戸(きりど)文殊」といわれている、三大文殊のひとつ。暴れていた悪龍を鎮め教化させたとの言い伝えがあります。

参照 智恩寺ホームページ https://www.monjudo-chionji.jp/

茶屋通りに面する山門は「黄金閣」と呼ばれるもので、市の指定文化財に、本堂の隣に位置する多宝塔と文殊菩薩脇侍善財童子優填王像は重要文化財に認定されています。

1月には「十日えびす」という例祭が行われており、商売繁盛のご利益を求め他府県からも多くの人が訪れています。

《山形県》丹羽の亀岡文殊

山形県高畠町にある「大聖寺(だいしょうじ)」は、「丹羽の亀岡文殊」といわれる三大文殊のひとつ。その歴史は平安時代からと古く、平城(へいぜい)天皇が中国五台山より伝来した文殊菩薩をここ亀岡に移したことが始まりだとされています。

直江兼続が歌会を開催した場所であったり、伊達政宗が寄進した鐘があったりと、戦国武将との縁が多い寺院でもあります。

参照 山形県庁ホームページ 日本三文殊 大聖寺(亀岡文殊)

https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/joho/koho/mailmag/mampo/kameoka.html

文殊菩薩とは「三人寄れば文殊の知恵」として知られる智慧を司る仏様

文殊菩薩は智慧を司り、学業成就のご利益があることでも有名な仏様です。実在の人物がモデルになっている事もあり、他の仏像のような顔や腕が多い様子はなく、私たちと同じような姿で祀られていることも特徴的です。

国内には文殊菩薩を祀る多くの寺院がありますが、奈良県の安部文殊院、京都府の智恩寺、山形県の大聖寺が日本三大文殊として有名。どの寺院にも学業向上や受験合格を祈願する学生が多れるなど、地域を問わず古くから親しまれています。

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