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熟年とは?年齢・実年や老年との違い・年齢の定義・熟年夫婦の問題を徹底解説
熟年とは中年と老年の間の世代
一般的に熟年とは中年と老年の間の世代です。中年期は45~64歳(厚生労働省の分類による)、老年期は65歳以上、熟年は45歳~65歳です。
この記事では、熟年と実年、老年の違い、年齢の定義、熟年夫婦の問題を解説します。また、よくある質問もピックアップしました。
45~65歳をさす
熟年は45~65歳をさします。元々は1980年代に広告代理店の電通がマーケティングに使ったことがきっかけで広まりました。
45歳~65歳といえば、人それぞれの人生模様があります。結婚して子供がいる人であれば、だんだん子供が大きくなり、離れて行く時期です。仕事でいえば、責任のある立場になり、定年退職に近づく年齢です。
いずれにしても、人それぞれの人生を彩り、老年に向かって準備をしていく年齢です。
熟年と実年の違い
熟年と実年は、似たような言い回しの言葉です。しかし、実年は50~60歳代のことなので、熟年とは違います。
実年は厚労省が1985年に国民から公募して採用した言葉です。50~60歳代は人生が一番充実するというイメージがあるため、実りの時代という意味を込めました。
実年は50~60歳代
実年は50~60歳代のことです。厚労省が採用した言葉ですが、熟年ほど広がりませんでした。多くの人が使用するようにはならず、役所などの一部で使われるのみです。
その背景には「熟年」の広がりがありました。熟年はCMなどで広く採用されていたので、人々にとっては親しみがあったと考えられます。
熟年と老年の違い
熟年に似た言葉として、老年もあります。一般的には65歳以上をさし、心身の不調を感じやすくなる年齢です。
熟年は45歳~65歳なので、それ以降が老年です。熟年から老年に進んでいくのが老いへの歩みと言えます。
老年期は65歳以降
老年期は、一般的にいうと65歳以降です。この時期は心身の不調や機能の低下が見られます。以下に主な低下を挙げてみました。
- 視力や聴力の低下
- 物事をなかなか覚えられなくなる
- 考えがまとまらない
- 記憶力の低下
- 短気になりやすい
- 落ち込みや気力の減退
ただし、人によって差があるので、全ての人にあてはまるわけではありません。熟年の場合は、老年ほど心身の不調や低下が見られないものです。
熟年も含めた年齢の定義
ここからは、熟年も含めた年齢の定義をまとめてみました。厚生労働省によると、幼年から老年は以下のようになっています。
- 幼年:0~4歳
- 少年:5~14歳
- 青年:15~24歳
- 壮年:25歳~44歳
- 中年:45歳~64歳
- 高年:65歳以上
熟年は広告代理店によって生み出された言葉なので、厚生労働省の定義にはあてはまりません。
一般的な分類になると、上記に初老、熟年、老年が加わります。ここでは、一般的な分類を整理します。
幼年~老年
幼年~老年の一般的な分類を表にしました。
分類 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|
幼年 | 0~6歳 | 就学前の子ども |
少年 | 7~15歳 | 小中学生をさす少年は主に男子女子を含む時は少年少女少年法は0~20歳未満※ |
青年 | 15~25歳 | 高校生や大学生があてはまる場合もある青年を募集する場合、団体によって年齢基準が異なる例:JICA青年海外協力隊の募集は20~39歳 |
壮年 | 25~60歳 | 現役で働いている世代 |
初老 | 60歳くらい | 本来は40歳だったが、平均寿命が延びたため、初老のイメージが変化した |
中年 | 40~60歳 | 現役で働いていたり、子育てで忙しかったりする年齢 |
熟年 | 45~65歳 | 1980年代から使われるようになった言葉中年から高年の始めにあたる |
高年 | 65歳以上 | 老年と同じ |
老年 | 65歳以上 | 高年と同じ |
※少年法:少年事件を裁くための法律
表からもわかりますように、厚生労働省の基準とはズレがあったり、曖昧だったりします。特に青年から熟年にかけては、とらえ方によってさまざまです。しかし、一般的には表のようにとらえる事が多いです。
この分類にはありませんが、昭和22~24年生まれを団塊の世代と分類することもあります。
熟年夫婦の問題
45~65歳の熟年夫婦には、その家庭にもよりますが、さまざまな問題に直面することがあります。
ここでは、多くの人が抱えがちな問題として、熟年離婚、親や自身の介護について取り上げてみました。
熟年離婚
熟年離婚は、結婚して長年連れ添った夫婦の離婚を指します。そのため、必ずしも熟年の夫婦の離婚とは限りません。
たとえば、お互い24歳の時に結婚して20年目を迎えた44歳同士の夫婦の離婚でも熟年離婚と言います。
厚生労働省の「令和4年度 離婚に関する統計」によると、2015年をピークに減少傾向です。(図1)しかし、同居期間で見た離婚の年次推移は、20年以上の割合が多いです。(図6)
出典:厚労省離婚に関する統計
出典:厚労省離婚に関する統計
離婚の原因は人それぞれですが、よくあるものは以下です。
- 定年後、夫が家にいることのストレス
- 浮気や浪費癖
- 些細な言動
- 妻の愛情が子供に傾いているため、居場所がないと感じる
- 愛情がないと感じる
- すれ違い
これらのことが原因で、老後を相手と一緒に過ごせないと思うケースが考えられます。
親や自分たちの介護
熟年夫婦の親は、介護が必要になる年代です。そのため、親の介護の問題が夫婦にのしかかってくることはよくあります。
夫婦のどちらかに介護の負担がかかるといったことで、夫婦関係に亀裂が入ることも考えられます。
また、それ以外に将来の自分たちの介護がどうなるのかという問題も出てきます。たいていは、親の介護が終わってからの問題点です。
しかしながら、お墓や相続の問題は話しやすいが、介護になると話しにくいと考える熟年世代の夫婦は多いものです。折を見て、自分たちが介護が必要になったら、どうすべきか話し合っておく必要があります。
よくある質問
- 熟年になったら家のリフォームは考えるべきですか?
-
将来的に介護が必要になることを考えてバリアフリー化にするなど、折を見て話し合っておいた方が安心です。
- 熟年者が親の介護で困った時にはどこに相談すればいいでしょうか?
-
地域で相談できる窓口があります。たとえば、江戸川区の場合は、熟年者介護相談という窓口が存在します。地域で尋ねてみましょう。
- 熟年夫婦の離婚が増えているのはなぜ?
-
上記の説明以外では、寿命が延びて熟年夫婦が増加したことも関係があります。昔はどちらかが老年になる前に亡くなるケースが多く、離婚に至らなかったと考えられます。
- 熟年離婚のデメリットは?
-
一番のデメリットは、相手が亡くなった時に相続権がなくなることです。配偶者であれば、1億6000万円までの財産を相続しても税金がかからないという特権があります。
まとめ:熟年は45歳~65歳・寿命が延びた分だけ問題も多い年頃
熟年は45~65歳です。1980年代に広告代理店が広めた言葉なので、厚生労働省による年齢の定義にはありません。
一般的な年代の定義としては存在する言葉で、中年と高年(老年)の中間部に位置します。
熟年離婚や介護問題など、それぞれにおいての問題がのしかかる年代です。しかし、老年に向けての準備ができる大事な時期です。
熟年と呼ばれる年齢になったら、いつかは来る老年に向けて、家族で話し合いながら、いろいろな課題に向き合いたいものです。