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排泄とは?トイレの排泄の意義・排泄ケアのやり方・注意点・よくある質問をご紹介

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目次

排泄とは老廃物を体外に出すこと

排泄(はいせつ)とは、体内の老廃物を体外に排出することです。因みに老廃物は、体内に不要な物質や有害な物質です。たいていは、ある程度の量をまとめて排出します。

この記事では、トイレでの排泄の意義、排泄ケアのやり方、注意点の他、よくある質問を取り上げました。

便を排泄することを排便という

便を排泄することを排便と言います。排便は、肛門にある括約筋(かつやくきん)の伸び縮みによって起こります。

口から入った食べ物は、食道を通ります。そして、胃、小腸、大腸を経て肛門から便として排出されるという仕組みです。

尿を排泄することは排尿

尿を排泄することは排尿です。

尿は一定の量を膀胱に溜めます。そして、膀胱がいっぱいになると、脳に指令が起こり、尿意をもよおすので、トイレに行きます。

脳からの指令で膀胱が収縮して尿道が開き、そこから尿が排出されるという仕組みです。

トイレでの排泄

ここからは、以下に挙げたトイレでの排泄に関する情報です。

  • 排泄の身体的・心理的・社会的・文化的側面意義
  • 排便に必要な3つの力

それぞれについて詳しく説明します。

排泄の身体的・心理的・社会的・文化的側面意義

トイレでの排泄の身体的意義は、洋式トイレの便座に座って排泄することです。前傾姿勢(ぜんけいしせい)、床の上にしっかりついて開いた足が解剖学から見た排泄に最適なポーズだからです。

心理的意義は、トイレがプライバシー重視の場所であることです。誰の目もなくゆっくりと排泄できるので、精神的にも解放されます。

社会的・文化的意義は、誰にも迷惑をかけないことです。

トイレが存在しない世の中を想定してみます。人々があちこちで、自由に排泄をすることが許されていたら、世の中は見苦しい雰囲気の悪臭に満ちた場所になってしまいます。

特に日本は排泄物を嫌う国です。トイレは水洗で排泄物はすぐに流されます。したがって、自分の排泄物さえ、あえてみようとしなければ、目に入りません。

また、畑の肥料として使うこともなくなりました。犬の散歩でも排泄物を持ち帰ります。

こんな社会背景を考えると、自らの意思で排泄ができない高齢者は、精神的に辛い日々を過ごすことになると考えられます。

トイレでの排便には3つの力が必要

トイレで行う排便には、以下に挙げる3つの力が必要です。

  • 便を移動させる力
  • 便を下に落とす力
  • いきむ力

便を動かす力は、直腸に便を送り、直腸を収縮させる力です、この力を使う動作は、身体を起こした姿勢で行います。

便を下に落とす力も重要です。この力は重力の法則に従っているところが大きな特徴です。

トイレではなく、仰向けに横たわっている場合、直腸内に便がたまる場所が肛門より下になってしまいます。そのため、下から上に持ち上げるという重力の法則に反した動きになるので、体の負担が大きくなります。

また、仰向けに横たわった姿勢ですと、直腸と肛門の角度も狭まってしまい、上から下に排出するのには困難な状態になります。

便を正しく排出するには、洋式トイレがベストです。便座に座ってロダンの考える人のような前屈み(まえかがみ)のポーズができるからです。このポーズだと、重力に逆らわずに便を上から下に落とせます。

そして、いきむ力も必要です。ベッドで寝たままの状態だと、足を固定して呼吸筋、腹筋を利用していきむ事が難しくなります。

こうしたことから、トイレでの排泄の重要さがわかります。寝たきりの高齢者は、排便に適さない状態にあるため、排便の際はかなり苦しい思いをしています。

排泄ケアのやり方

上記のように、排泄の際に苦しむ高齢者に少しでも楽になってもらえるため、排泄ケアのやり方を知っておきたいものです。ここでは、排尿、排便のケアについてお伝えします。

排尿ケア

高齢者の排尿の特徴に合わせたケアが必要です。以下に高齢者の排尿の特徴を挙げてみました。

尿の生成量1日に1100~1200cc
膀胱の状態萎縮しており、弾力性がない膀胱支配神経が不安定内圧に異常骨盤底が衰えている尿道が狭くなっている
性別による障害男性:排出障害女性:畜尿障害
1回に排出される尿の量100~150cc
頻尿の程度1日に8~10回(夜間2~3回)夜間多尿傾向
尿流率(尿が出る勢いの比率)低下傾向残尿や尿路感染あり

尿漏れ、尿失禁、頻尿などは、高齢者の特徴です。加齢による症状の他、病気も考えられます。様子を見て膀胱訓練などを行います。

尿が漏れてしまう場合は、オムツやパットを使用します。

病気が心配な場合はかかりつけ医と相談しましょう。

排便ケア

高齢になると便失禁になる可能性があります。その場合は排便ケアが必要です。

以下は高齢者の便失禁の原因です。

  • 脳血管障害が原因の神経因性
  • 認知症や活動性の低下
  • 刺激性下痢

寝たきりの高齢者は、動ける高齢者に比べて便秘になる確率が高いです。その主な原因は、排便に適したポーズを取れないことです。そのため、下剤が投与されることがあります。

状態によっては、オムツを利用します。その場合、上半身を上げぎみにして座位に近い姿勢がとれるようにサポートします。足は人によって上げられる角度が異なるので、無理をさせない程度にしましょう。

出来る範囲で膝を曲げ、場合によってはクッションを使用し、踏ん張れる姿勢になれるようサポートします。

その他、症状や介護度の高さによってケアの方法を変えます。

排泄ケアの注意点

ここからは、排泄ケアの注意点です。主に以下の3つを取り上げてみます。

  • 前屈みの姿勢になってもらう
  • プライバシーを大事にする
  • 排泄物を確認する

これらについて、詳しく説明していきます。

前屈みの姿勢になってもらう

トイレに行かれる高齢者の排便ケアの場合、便を出すのに適した前屈みの姿勢になってもらいます。

前にかがむことが難しい場合は、クッションを抱いてもらいます。そして、踏ん張るためには足が床に付くことが大事です。床に付かない場合は、足を乗せられる台を用意しましょう。

排便ケアは、便秘にならないようにすることが大事です。そのため、まずはトイレへの誘導から始めます。便秘を避けることで、健康的な生活を維持できます。

プライバシーを大事にする

排泄ケアはプライバシーを大事にしたいものです。以下に気を付けたいポイントを挙げてみます。

  • ポータブルトイレを利用するならば、カーテンや衝立で囲う
  • トイレに一人で入れる人ならば、介護者は外で待つようにする
  • 時間がかかるならば、一声かける
  • トイレに入る場合は本人の許可を得る

ただし、トイレの中で何があるかわからないので、常に「困ったことがあったら、教えて。」など、声掛けをしておきましょう。

排泄ケアに限ったことではありませんが、どんな時でも相手の気持ちを考えて接したいものです。

排泄物を確認する

排泄物を確認するのも大事です。排泄物の状態によっては、病気の心配などが出てきます

たとえば、下痢をしていないか、便が固くないかなど、相手に気付かれないようにさりげなくチェックしてください。

そして、お尻や陰部なども拭きながら、肌が荒れていないかどうかも確認します。その際は「きれいにしましょう。」など、優しく声を掛けます。相手がどんな気持ちになっているか考えて接してください。

よくある質問

尿取りパッドの選び方は?

外につけるオムツとの組み合わせを考えて選びます。たとえば、外につけるオムツがテープ止めならば、テープ止めタイプの尿取りパッドにします。そして、何回分の尿を吸収できるかもチェックしてください。

便に向くオムツはありますか?

固形の便はオムツで吸収できません。しかし、股下にギャザーがあり、便がもれないように受けとめるオムツは存在します。下痢の場合も水分は吸収し、固形の便はギャザー部分でキャッチします。

紙オムツの種類は?

大人の排泄物のための紙オムツの種類は以下です。

  • パンツタイプ
  • テープタイプ
  • ベルトタイプ
  • 尿取りパッド
  • 長時間パッド
  • 補助パッド
使用後のオムツの捨て方は?

家庭で使用済みの場合は、家庭用のゴミとして自治体のゴミ収集に出します。可燃ゴミか不燃ゴミかは、自治体によって異なります。地域でご確認ください。

排泄介助の際は転倒に気を付けるべきですか?

排泄介助の際は転倒に気を付けてください。トイレへの出入りで転ぶことも考えられるので、ドアを引戸にするなどの工夫が必要です。また、トイレに行くまでの段差をなくすことも大事です。

排泄介助の際はどんな言葉がけが必要ですか?

介助を受ける人の気持ちを考えた言葉がけをしましょう。排泄物に関する話は避け、なるべく明るく楽しい話をしてください。たとえば、今日のお洋服はすてきですねとか、この色がよくお似合いですねなど。

まとめ:排泄ケアは優しい気持ちで

排泄は体内の老廃物を外に排出することです。便の場合は排便、尿の場合は排尿と言います。

トイレで排泄することは、あらゆる面で大事な行為ですが、高齢になると困難な状態になります。そんな場合は、人としてのプライバシーを大事にした排泄ケアが必要です。

排泄ケアは受ける人の気持ちを考えて、優しい気持ちで行いたいものです

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