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白骨化とは?どんなケースがあるか・かかる時間・ミイラ化との違い・火葬の遺骨との違いについて解説!
白骨化とは骨格だけが残された状態
白骨化とは、骨格だけが取り残された状態のことです。長期間放置されたか埋葬された状態の遺体と考えられます。腐敗が進み、内臓や骨は、すでに朽ち果てています。
因みに、海水中に沈んだ遺体であれば、白骨化が速いと言います。
この記事では、白骨化になるケース、かかる時間、ミイラ化との違い、火葬の遺骨は白骨化でないことについて、解説します。また、よくある質問もピックアップしました。
海水の中では白骨化が速い
海水に沈んだ遺体の場合、塩分濃度が高いため、白骨化が速いと言います。
たとえば、海中で白骨化した遺体が発見された場合は、白骨化のスピードを考えると、事件解明の手がかりになります。
実際、海中で白骨化された遺体が発見されるケースは少なくありません。
白骨化になるケース
ここからは、白骨化になって発見されるケースを紹介します。考えられるのは以下の2つのケースです。
・事件や事故
・戦争
これらについて詳しく説明します。
事件や事故
事件や事故で白骨化になるケースは少なくありません。ここで実際に起こった例を紹介します。
・亡くなった母親の遺体を放置し、一部が白骨化
・河川敷の草むらで首にロープにからまった白骨化遺体が発見された
・草刈り中だった男性が雑木林の中で全身白骨化の遺体を発見した
・宇治川で釣りをしていた男性が川岸に引っ掛かった一部白骨化した遺体を発見した
・うるま市の公園で身元不明の白骨化した遺体が発見された
戦争
戦争のために遺体が白骨化してしまうケースもあります。以下に挙げてみました。
・昭和19年に始まったインパール作戦では、日本兵の骨で埋め尽くされた「白骨街道」
ができた
・原爆投下後の長崎には、電車の座席に座ったままの白骨化した遺体があったという
・沖縄戦の後、戦地跡にはたくさんの遺体が折り重なり、一部白骨化した遺体も存在した
・ロシアに攻撃されたウクライナのイジュ―ムには、一部白骨化した遺体もあった
白骨化にかかる時間
白骨化にかかる時間は、地上・水中・土中では異なります。それぞれのかかる時間の目安を挙げてみました。
・地上は半年から1年
・水中は1年から2年
・土中は3年から4年
※いずれの場合も完全白骨化には5年かかる
それぞれについて、詳しく説明します。
地上:半年から1年
地上で白骨化する目安は、半年から1年とされています。ただし、条件によって多少異なります。
たとえば、夏場の場合は、腐敗が早く進むため、3~4ヶ月で白骨化することがあります。また、遺体を損傷する動物などがいる環境の場合は、数日で白骨化になる可能性が高いものです。
上記で挙げた事件や戦争のために放置されていた白骨化された遺体もこの類になります。
水中:1年から2年
水中の場合は、白骨化するまでかかる時間は、1年から2年と言われています。しかし、季節による違いもあります。
たとえば、夏場の場合は2週間で頭蓋骨の一部が白骨化します。冬の場合は1ヶ月です。また、海などの塩分濃度が高い水中では、白骨化の進み方が速いと言われています。
因みに骨格標本を作るために遺体を白骨化する時は、塩の一種である炭酸ナトリウム1%の水溶液を利用します。遺体をこの液に浸からせて、沸騰させないように煮込むと、短時間で白骨化します。
土中:3年から4年
土中の場合は3年から4年、あるいはそれ以上かかると言われています。酸素に触れにくい場所であることが要因と考えられます。
したがって、殺人事件で遺体を土中に埋めたり、棺に入れて土葬したりする場合、白骨化するまではかなり時間がかかります。
ただし、酸性の土壌であれば、もう少し早く白骨化する可能性もあります。
白骨化とミイラ化の違い
ここからは、白骨化とミイラ化の違いを考えてみます。主な違いは以下の2点です。
・白骨化は骨だけの状態
・ミイラ化は体の形がある状態
これらについて解説します。
白骨化は骨だけの状態
白骨化は腐敗が進み内臓などがなくなり、骨のみになった状態です。ここが体の形をとどめるミイラ化と違います。
白骨化の遺体となる経緯は人それぞれです。事件、戦争、何らかの事情による遺体の放置などが考えられます。
いずれにしても、長期間の放置により、体の内部は腐敗が進み、表皮や筋肉などはなくなり、骨のみになった状態です。ケースバイケースですが、一部白骨化の遺体として見つかることもあります。
ミイラ化は体の形がある状態
ミイラ化は体の形がある状態なので、骨のみの白骨化とは異なります。
ミイラ化となるには、人工的技術が加えられた可能性も否めません。なぜならば、体の腐敗が始まる前に乾燥させる必要があるからです。
死後の永遠の命を意識したエジプト時代に、内臓を取り出して人工的に作られた可能性も考えられます。
一説によると、水分量が人体組織の50%以下にならないと、乾燥状態になりません。そのため、乾燥地帯の砂漠といった自然環境の影響でミイラ化することもあります。
また、死体を分解する細菌のない高山の頂上や温度が二年以上連続で0℃以下になる永久凍土でのミイラ化も想定できます。
火葬の遺骨は白骨化ではない
火葬の遺骨は遺体が燃やされた骨ですが、その状態を白骨化と言いません。
ここでは、火葬によってきれいに骨のみになることを白骨化と言わない理由を考えてみます。
火葬によってきれいに骨のみになる
火葬の遺骨は、白骨化とは異なり、火葬によってきれいに骨のみになった状態です。
火葬は800~1000℃の高火力を利用します。その温度で行わないと、腐敗する肉体部分を無の状態にし、骨のみにすることは不可能です。
仮に火事で亡くなった遺体の場合でも、多少なりとも肉が付着しているものです。そのため、きれいな骨のみにするには、高火力の火葬が必要です。
したがって、火葬の遺骨は手を加えて骨のみにした状態です。放置により腐敗が進み、骨のみになった白骨化とは異なります。
よくある質問
- 死後何日で白骨化されますか?
-
目安として地上の場合は死後半年から1年、水中では1年から2年、土中は3年から14年と
言われています。ただし、遺体の損傷具合や周囲の環境によっても異なります。
- 白骨化の場合、白い状態ですか?
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白くありません。保存状態によっては、土色に変色してしまうことがあります。
- 白骨化された遺体の身元はどのようにして判明するのですか?
-
骨格から判断可能です。例えば、男性の骨の方が女性の骨より長くて厚い、性別判定式の数式で求めた値が限界値を超えていると言ったことで判断します。
- 孤独死で白骨化という場合はありますか?
-
よくあるケースです。たとえば、ここ2年ほど姿を見ていない人がいるという通報で警察官が捜索したところ、トイレに座っている白骨化した遺体を発見したというケースがあります。
まとめ:白骨化は体の内部が朽ち果てて骨のみになった状態
白骨化は、放置されていた遺体の内臓などが朽ち果て骨のみになった状態です。体の原型をとどめ、乾燥状態になっているミイラ化とは異なります。
白骨化に至るまでの要因は、事件や事故、放置など、さまざまなことが考えられます。そして、白骨化されるまでは、地上、水中、土中でかかる時間が異なります。
不幸にも白骨化されてしまった遺体は跡を絶ちません。どんな状況においても、死者への尊厳は大事にしたいものです。