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止め焼香とは?止め焼香の意味や方法は?指名焼香や代表焼香との違いも解説

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目次

止め焼香は西日本に伝わる焼香の方法

止め焼香(とめしょうこう)は、一般的には故人と血縁の濃い順に行う焼香を、あえて縁の深い者が最後に行う方法で、西日本特有の焼香の風習です。あらかじめ止め焼香をする人を決めておき、親族または参列者の最後に止め焼香を行います。

この記事では、なぜ止め焼香が行われるのか、止め焼香の意味と方法をはじめ、遺族以外が止め焼香に近い形で行う指名焼香と代表焼香の意味についても解説していきます。

止め焼香の2つの意味

そもそも止め焼香の風習が、なぜ西日本に根付いたのでしょうか。

主に2つの意味があるとされています。

親族や参列者のもめ事を避ける

焼香は一般的には故人と血縁の濃い順に行います。しかし、親族が多い場合は誰が先に焼香をするのかがもめ事の種になることがあります。また一般の参列者の中にも順番を気にする人もいるので、喪主は焼香の順番に注意を払う必要があります。実際、焼香の順が前後したことで不満を持つ人から喪主にクレームが来たり、親族間でトラブルになるケースもあります。

こうした順番をめぐるもめ事を避けるために、故人と縁の深い人があえて最後に焼香をすることで、他の人にも順不同で容赦してもらうことアピールするのが止め焼香の大きな目的です。

不幸を止める

止め焼香には、これ以上の「不幸を止める」という意味もあります。遺族や親族が最後に焼香をすることで、この家からこれ以上の不幸をださないという願いを込めるのも、止め焼香の目的のひとつです。

止め焼香の方法

止め焼香を行う場合は、誰がどのタイミングで止め焼香をするかを決め、事前に葬儀社または進行役の人に伝えて、最後に読んでもらうようにします。止め焼香を行うことで、参列者に「失礼があってもご容赦ください」という気持ちが伝わります。参列者も止め焼香が行われたら遺族の気持ちを汲むのがマナーです。

止め焼香は故人に近い年配者が行う

止め焼香を行うのは、故人に縁の近い年配者が行うのが一般的です。故人の配偶者や兄弟姉妹、喪主の兄弟姉妹など、喪主の次に血縁の濃い人の中で年長者を選びます。

他の親族や参列者に焼香の順番を不問にしてもらうの目的なので、故人と縁の近い年配者でも最後まで待ったと示すことでが重要なのです。

また、妻が亡くなった時は、妻の血縁者(兄弟姉妹など)ではなく、夫の家系から代表者を選ぶのが一般的です。

止め焼香の順番を決める

止め焼香の順番を決める際は、誰に対してより配慮が必要かで止め焼香の順番が異なります。以下に、親族に配慮する場合と、参列者に配慮する場合の止め焼香の順番について解説します。

親族間の焼香の順番でもめ事を避けたい時

焼香の順番で一番もめやすいのが親族間です。そのため遺族親族の最後に止め焼香をして、親族に納得してもらうことが大切です。その後に、一般参列者が焼香する流れとなります。

  1. 喪主
  2. 遺族(同居の家族で親等の近い順に行います) 例:配偶者・子→親・孫
  3. 親族(同居以外の家族や親族が家族単位で行います) 例:別居の子と家族→兄弟姉妹と家族→叔父叔母と家族→甥姪と家族
  4. 止め焼香(配偶者や故人の兄弟姉妹など)
  5. 一般参列者

参列者の焼香の順番に配慮が必要な時

故人や喪主の関係者が多く参列する場合は、参列者の間でも焼香の順序を巡って不満を抱く人がいる可能性があるので、一般参列者まですべての焼香が済んだ後に最後に止め焼香をすると良いでしょう。

  1. 喪主
  2. 遺族(同居の家族で親等の近い順に行います) 例:配偶者・子→親・
  3. 親族(同居以外の家族や親族が家族単位で行います) 例:別居の子と家族→兄弟姉妹と家族→叔父叔母と家族→甥姪と家族
  4. 一般参列者
  5. 止め焼香(配偶者や故人の兄弟姉妹など)

指名焼香と代表焼香で焼香順を不問にしてもらう場合も

指名焼香や代表焼香を親族の最後に行い、参列者に焼香順は不同であることをアピールする場合もあります。指名焼香も代表焼香も遺族以外が行うもので、地位や知名度の高い人を選んでお願いします。

それぞれの意味やどのような人が選ばれるのか解説します。

指名焼香は地域の有力者が選ばれる

指名焼香とは文字通り、指名された人が焼香をする風習で、地域の有力者が選ばれることが多いです。地方の議員や町内会長など、地位や知名度の高い人を選びます。

指名焼香の順番

  1. 喪主
  2. 遺族
  3. 親族
  4. 指名焼香
  5. 一般参列者
  6. 止め焼香※

※止め焼香を指名焼香で行う場合もあります。

代表焼香は企業や団体の代表者が選ばれる

代表焼香とは故人や喪主が属していた企業や団体の代表者が焼香を行うことです。企業や団体の規模が大きい場合は、関係者が大勢つめかけると葬儀時間が長引いてしまうので、代表者が焼香するのが一般的です。

代表焼香の順番

  1. 喪主
  2. 遺族
  3. 親族
  4. 代表焼香
  5. 一般参列者
  6. 止め焼香※

※指名焼香と同じく、止め焼香として代表焼香を依頼するケースもあります。

止め焼香の風習が衰退してきている理由

止め焼香はもともと葬儀でのもめ事を避けるために行われてきた風習ですが、最近では家族葬や密葬のように親しい人だけで小規模に葬儀を行うケースが増え、焼香の順番にこだわる必要性が薄れてきています。

また、西日本の中でも止め焼香の風習を知らない参列者も増えているので、止め焼香を行っても参列者が意味を理解していない場合も。止め焼香はその意味や目的を共有していなければ、単に焼香の順番があべこべだと勘違いされかねないので、参列者が知らなければ意味がないのです。止め焼香をして親族や参列者に配慮したつもりが、逆に不快感を抱かせてトラブルの種になる可能性もあります。

止め焼香をするかどうかは、地域の葬儀事情に詳しい年長者や葬儀社に相談して検討する方が良いでしょう。

まとめ

止め焼香は争いごとを嫌う、日本ならではの気遣いから生まれた風習です。とはいえ、止め焼香の風習のない地域や若い世代には、せっかくの配慮も伝わりにくい可能性があります。葬儀の形も時代とともに変化しているので、それぞれの葬儀にあったスタイルを検討することも大切な気遣いです。

焼香についてのマナーについてはこちらの記事もチェック!

https://ikikata.nishinippon.co.jp/term/84/
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