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史跡の意味は?遺跡との違い・史跡の多い都道府県ランキングをご紹介
史跡とは人類の活動の痕跡や場所
史跡とは、人類の活動の痕跡や場所のことです。つまり、人類の歴史を知る上で欠かせないものです。
この記事では、そんな史跡について条件や遺跡との違い、史跡のように見えて史跡ではない文化財、史跡の多い県のベスト5をご紹介します。
文化保護法による史跡の意味
文化保護法による史跡は、貝塚、古墳、都城跡、旧宅など、学術上の価値が国に認められた文化財のことです。
史跡の条件とは
ここでは、史跡の条件について考えてみます。学術的価値の存在、国や地方自治体で認められているといったことが大事です。また、史跡の中で特に重要と認められたものは特別史跡になることも知っておきたいものです。
学術的価値がある
史跡の条件の一つに学術的価値があるものとされています。学術的価値とは、今後研究する価値があるという意味です。
歴史の解明は今だに進んでいない分野があります。そうした分野で考えられている仮説が正しいか否かの証明ができる文化財であることも、史跡と認められている理由です。
国や地方自治体で認められている
史跡は国や地方自治体で、その価値が認められている文化財です。
国としては、文部大臣が「史跡」という名称で指定します。地方公共団体では、それぞれの条例に基づき、国から指定を受けていない文化財を「~県史跡」「~市指定史跡」という名称で示すことが多いです。
ただし、東京都のように「旧跡」や横浜市のように「地域文化財」という名称を使っているケースもあります。
特に重要な史跡は特別史跡
特に重要と考えられる史跡が特別史跡です。文化財保護法109条第2項によりますと、特別史跡は、史跡名勝又は特別記念物のうち特に重要なものとされています。
つまり、史跡の中でも学術上の評価が高く、日本文化の象徴とみなされる文化財です。
有名な特別史跡としては、以下の文化財が挙げられます。
- 五稜郭痕(北海道函館市)
- 平城京跡(奈良県奈良市)など
史跡と遺跡の違い
史跡と混同しがちになるのが遺跡ではないでしょうか。ここでは、その違いについて説明します。
法律で保護されているか否かの違い
史跡と遺跡の大きな違いは、法律で保護されているか否かです。遺跡は、法律では保護されていませんが、貝塚や古墳、集落跡のように、歴史を物語るのに重要な当時の人々による生活の痕跡を見ることができます。
日本のみでなく、世界中に遺跡は存在し、その数は膨大です。有名な世界の遺跡を挙げてみましょう。
- アンコールワット(カンボジア)
- コロッセオ(イタリア)
- マチュピチュの歴史保護区(ペルー)
- フォロロマーノ(イタリア)
続いて日本で有名な遺跡の例です。
- 岩宿遺跡(群馬県みどり市)
- 山内丸山遺跡(青森県青森市)
- 大森貝塚(東京都品川区、大田区)
- 吉野ケ里遺跡(佐賀県吉野ヶ里町)
史跡のようで史跡でないもの
史跡のように見えますが、史跡ではないものもあります。貝塚や古墳のような遺跡、庭園、橋梁のような名勝地、動植物を指す天然記念物です。
貝塚、古墳、城跡のような遺跡
上記で説明しました遺跡で有名なものも国や地方自治体で認められていなければ、史跡ではありません。
史跡ではない遺跡の例を挙げます。
- 宇地泊西原丘陵古墳群(うちどまりにしはらきゅうりょうこふんぐん):沖縄県宜野湾市
- 菊名貝塚:神奈川県横浜市
- 津久井城:神奈川県相模原市など
庭園、橋梁、渓谷、海浜、山岳などの名勝地
文化保護法によりますと、庭園、橋梁、渓谷、海浜、山岳など国にとって、芸術や鑑賞上で価値が高いものを名勝地として指定しています。
場所によっては、史跡や天然記念物と重複して指定されている場合もあります。
名勝地の例
- 特別名勝栗林公園(香川県高松市)
- 特別名勝松島(宮城県塩竃市・七ヶ浜町・松島町・利府町)など
動物・植物・地質鉱物等の天然記念物
天然記念物は、文化財の一つで自然との深い関わりがある動植物や地質鉱物などを指します。国指定のものや県指定、市町村指定のものが存在します。
例
- カモシカ
- カワウソ
- イリオモテヤマネコなど
史跡の多い都道府県ベスト5
上記のことを踏まえ、2022年3月現在、国指定の史跡が多い都道府県ベスト5を作成しました。それぞれの有名な史跡をご紹介します。
- 奈良県
- 福岡県
- 京都府
- 大阪府
- 神奈川県
1位 奈良県
奈良県は114件国指定の史跡があり、古墳や城跡が多く見られます。かつて日本の中心地だったことを物語っているのでしょう。
その中で有名な古墳として石舞台古墳をご紹介します。
石舞台古墳
筆者撮影
明日香村に位置する石舞台古墳です。蘇我馬子のお墓とされていますが、詳細はよくわかっていません。日本最大級の横穴式石室をもつ古墳としても知られています。
アクセス:橿原神宮前駅から周遊バスあり
2位 福岡県
2位は福岡県で83件です。1位の奈良県とは、ずいぶん差があります。有名な史跡として、福岡城跡をご紹介します。
福岡城跡
福岡城は、初代藩主黒田長政によって築城されました。平山城で天守閣はなく、大中小の各天守台、47の檜があったと言われています。
現在は内城を中心とした国指定史跡です。本丸から三の丸一帯は舞鶴公園になり、憩いの場として開放されています。
アクセス:唐人町駅から徒歩3分
3位 京都府
3位は82件の京都府ですが、2位の福岡県とは1件差なので大差ありません。京都も古くの中心地なので、歴史的建造物の多さは言わずと知れています。
ここでは、金閣舎利殿をご紹介します。
金閣舎利殿
金閣寺の正しい名称は、鹿苑寺(ろくおんじ)で、お釈迦様が初めて説法された地名鹿野苑に因んだとされています。きらびやかな金の舎利殿は特に有名で、修学旅行のコースになっている場合も多いです。
アクセス:京都駅からバス「金閣寺道」下車
4位 大阪府
4位は大阪府で70件です。古墳が多い地域としても知られている大阪府は、豊臣秀吉の築城でも有名です。
ここでは、特別史跡である大阪城公園をご紹介します。
大阪城公園(特別史跡)
大阪のシンボルでもある大阪城公園は、特別史跡に指定されています。大阪城天守閣には、豊臣秀吉が治めていた頃の資料や大阪の郷土資料などが多く展示されています。
2022年で90周年を迎える歴史ある史跡です。
アクセス:JR森ノ宮駅、大阪城公園駅下車
5位 神奈川県
5位は神奈川県で55件です。鎌倉や小田原など、歴史の舞台になった場所があるからでしょう。
ここでは、豊臣秀吉の一夜城で有名な石垣山をご紹介します。
石垣山
石垣山は標高240m。駿河湾と小田原市内を見渡せる小高い丘です。豊臣秀吉が小田原城を包囲した際に一夜で総石垣の城を築いたかのように見せたことで有名な場所です。
昭和39年に国の史跡に指定されました。
アクセス:JR早川駅より徒歩50分。バスはありませんが、無料の駐車場があります。
まとめ:史跡は国や地方自治体に認められた歴史的に価値のある遺跡
史跡は文化保護法により、国や地方自治体に認められた、歴史的価値のある遺跡です。古墳や城、城跡など多数の歴史的痕跡が日本各地に存在します。
国で指定された史跡は、日本各地に1,869、特別史跡は63あります。(令和4年3月現在)参考https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/shitei.html
今後の研究で、史跡に残された人類の歴史の痕跡が解明されていくことを期待しましょう。