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火葬炉とは?火葬炉の種類による火葬時間や特徴を解説
火葬炉は遺体を火葬する設備
火葬炉とは、遺体専用の焼却設備で、火葬場や斎場だけに設置されています。
火葬炉は一般的な焼却炉とは異なり、遺体を1体ずつ燃焼する構造になっていて、遺骨だけをきれいに残すための特別な仕様になっています。
この記事では、火葬炉の種類による特徴とあわせて、火葬場の設備についても解説していきます。
火葬炉の大きさは3種類
火葬炉は遺体の大きさに合わせて、3つのサイズを使い分けるのが一般的です。
標準炉は一般的な成人に用いるサイズで、身長170㎝くらいの遺体を火葬することを想定して作られています。
大型炉は文字通り大型の炉で、高身長の遺体や肥満体系の遺体を火葬する際に使用されます。
小型炉は、子どもの遺体を火葬することを想定して作られた火葬炉です。サイズが小さいというだけでなく、子どものやわらかい骨を焼き切らないよう、低温で時間をかけて火葬できるように設計されています。
火葬場によってそれぞれのサイズは異なりますが、目安としては以下のような大きさになります。
サイズ | 長さ | 幅 | 高さ |
標準炉 | 195~200㎝ | 55~65㎝ | 50~60㎝ |
大型炉 | 220㎝以上 | 60~70㎝ | 60㎝以上 |
火葬炉の種類と特徴
火葬炉は、燃焼方式によってロストル式と台車式の2種類に分かれます。
それぞれの火葬炉の違いについて解説していきます。
ロストル式
ロストルと呼ばれる網状の台の上に、棺を設置して上と下から一気に燃焼する方式の火葬炉です。
棺の下に空間があるので燃焼効率が良く、火葬時間が短いのが特徴です。
また、棺の上下に火を入れるので遺体に焼きムラが起こりにくい火葬炉です。
設備が低コストな一方で異臭が発生しやすく、環境への配慮から日本の火葬場の10%ほどしかロストル式を採用していないのが現状です。
台車式
耐熱煉瓦などで作られた台車に棺を乗せて、そのまま炉内に入れて火葬する火葬炉です。
棺の下面は台車と接しており、上方向からのみ燃焼するので、ロストル式に比べて燃焼時間は長くなります。
遺体を台車に乗せたまま火葬するので、遺骨がきれいに残りやすいのも特徴です。
設備コストが高い一方で環境への負荷が低いことから、台車式を採用している火葬場は日本の9割にものぼると言われています。
ロストル式・台車式の比較早見表
種類 | 燃焼時間 | 遺骨の状態 | 臭い | 設備コスト |
ロストル式 | 40~60分 | お骨が崩れやすい。 喉仏などの主要な骨を見つけにくいことがある。 | ある ※急速に火葬することで体液が漏れ出し異臭の原因になる。遺族の心理的な負担近隣住民への物理的な負担になることも。 | 低い |
台車式 | 70分以上 | お骨がそのままの状態で残るため収骨しやすい。 大きい骨は火葬場の職員に砕いてもらう場合もある。 | なし | 高い |
なお、火葬代は施設ごとに決まっているので、火葬炉の種類によって火葬代が変わることはありません。
つまり、設備コストが低いロストル式を選んだからと言って、火葬代は安くならないわけです。
また、遺骨をきれいに残しつつ、火葬による有害なガスを出さないための最適温度は800~1200℃とされていて、どちらの方式も燃焼温度をこの範囲に設定しています。
いずれの火葬炉も、火葬場の職員が遺体の状態を見ながら火葬する点は共通しています。
火葬場の設備
火葬場には、火葬前および火葬中に遺族が過ごすための部屋が、それぞれ設けられています。
それぞれの特徴について解説します。
炉前室
火葬炉の前室にあたる部屋で、火葬炉の前に設置されています。
複数の火葬炉が一面に並んでいる場合は、炉前室が共有スペースになっていることが多く、葬儀が込み合う時は隣に別のご遺族が並ぶこともあります。
個別にお別れをしたい時は、葬儀会社に相談して個別に利用できる火葬炉がある火葬場や時間調整ができる火葬場について確認すると良いでしょう。
棺ごしに故人と対面できるのはこの炉前室までで、火葬前に読経や焼香を行うのが一般的です。
火葬のみを行う直葬の場合は、炉前室で火葬式を行うこともあります。
火葬後に火葬炉から遺骨を取り出し、炉前室で冷ましてから収骨を行います。
火葬場によっては収骨室を別に設けているところもありますが、炉前室で収骨をするところが多いようです。
控室
火葬中に遺族が待機する部屋です。
控室は遺族ごとに個別で使用できるように区切られている場合と、共有スペースで他の遺族と一緒に過ごす仕様になっている場合とがあります。
火葬の待ち時間の間に、会葬者に食事を提供する場合は、個室を利用したいことを葬儀会社に伝えておくと良いでしょう。
火葬場によっては、簡単な軽食を取れる喫茶がある場合もありますが、大人数の食事となると仕出しなどを利用して外部から食事を手配する必要があります。
その場合も、仕出しを受け付けているか火葬場に確認することが大切です。
まとめ
火葬炉は遺体を焼くための専用の設備です。
遺体をできるだけ早く火葬しきれいに遺骨を残すために、火葬炉の機能も向上しています。
とはいえ、火葬場の職員が目視で確認しながら細かな調整を行っていることも覚えておきましょう。
火葬時間がそれなりに長いのは、それだけ故人を大切に扱ってくれている証でもあるのです。