本ページはプロモーションが含まれています。
法華経とは?日蓮宗の教え?意味や特徴、般若心経との違いを紹介
法華経とは大乗仏教の代表的な経典
法華経とは、大乗仏教の代表的な経典であり誰もが平等に成仏できるという思想が説かれています。読み方は「ほけきょう」または「ほっけきょう」。
大乗仏教とは?
大乗仏教とは、出家者に限らず在家者を含めた一切の衆生の救済を掲げる仏教宗派の総称です。単一の宗派を指しているものではありません。
法華経の原題は梵語:サッダルマ・プンダリーカ・スートラ
法華経を翻訳する前の題(原題)は、サンスクリット語のSaddharma-Puṇḍarīka-Sūtraです。それぞれの意味は以下の通りです。
サッ(sad)・・・正しい・不思議な・優れた
ダルマ(dharma)・・・法
プンダリーカ(puṇḍarīka)・・・清浄な白い蓮華
スートラ(sūtra)・・・経
全てを合わせると、白い蓮華の花のように最も優れた正しい教えのお経と訳せます。
このお経を漢訳したものはいくつかありますが、仏典の漢訳に従事した訳経僧「鳩摩羅什」が訳した「妙法蓮華経」が最も優れた翻訳として流行したと言われています。
日本へは飛鳥時代に伝来し、多くの宗派の信仰上のよりどころとされました。
なお、法華経は、妙法蓮華経の略称です。
仏教発祥の地インドでは重要視されなかった?
「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」は、中央アジアやネパールなどで写本が多数発見されているものの、仏教発祥の地であるインドでは重要視されなかったと言われています。
一方、日本では、重要視される経典とされていったことは言うまでもなく、困難な時代に衆生を救うための思想として、宗派の垣根を超え、読まれ続けています。
法華経の特徴は「誰もが仏になれる」と説いていること
お釈迦様の教えを説いたお経の数は8万4千とも言われています。その中で、法華経はお釈迦様が晩年8年間を費やして説いたものであり、まさに教えの集大成。
28章で構成される経文は文量も膨大です。さらに、不可思議な記述もあることから解読することが難しいとされています。しかし、あらゆる仏教のエッセンスが凝縮され「誰もが平等に成仏できる」という思想が説かれており、法華経に勝るお経は他にないとも言われています。
法華経を根幹としている宗派は日蓮宗・天台宗
日本で法華経を初めて研究したのは、平安時代初期の僧・最澄により開かれた日本天台宗の総本山である、比叡山延暦寺です。延暦寺は、日本仏教の母山とも言われ、多くの名僧を多数排出していることでも知られています。
中でも、法華経により強い信念を持った学僧が日蓮です。このため、日蓮宗と天台宗では法華経を根幹の経典としています。
ポイント
比叡山延暦寺が「日本仏教の母山」と言われる理由
京都市と滋賀県大津市にまたがる天台宗の総本山である延暦寺は、日本仏教史に名を残す、多くの名僧を排出している寺院として有名です。
仏教にはさまざまな宗派がありますが、浄土宗の開祖法然、浄土真宗の開祖親鸞、臨済宗の開祖栄西、曹洞宗の開祖道元、日蓮宗の開祖日蓮も延暦寺で修行を積んでいました。
そのため「日本仏教の母山」と言われ、歴史と伝統の高い評価からユネスコ世界文化遺産に認定されています。
日蓮とは?
日蓮は、1222年(承久4年)現在の千葉県鴨川市の小湊で生まれ、16歳で天台宗清澄寺に出家します。そこで修行を積み、32歳までの10数年間比叡山の延暦寺を中心に薬師寺・高野山などに遊学し、お釈迦さまの教えこそが人々を救うと確信します。
その後、飢餓や自然災害などで混迷する世を救うには法華経の教えしかないとの考えに至り、南無妙法蓮華経(法華経を心の拠り所にするという意味)と題目を唱え、清澄寺で初説法を行ったと言われています。なお、この時から自らを日蓮と名乗るようになったと言われています。
その後も、日蓮は法華経を「今をイキイキと生きる智慧」だとし、未来を心配したり、過去を悔やむのではなく「今を生きる」ことの大切さを説くとともに、身延山で多くの弟子や信者と共に日夜、法華経の講義・唱題行に精進します。
こうした並々ならぬ精進により、日蓮は享年61歳でその生涯を閉じますが、現在も多くの人々が日蓮宗を信仰し、世界にも広がりを見せています。
なお、日蓮宗の寺院では、毎年日蓮の忌日にお会式という法要(報恩会)が営まれています。
法華経と般若心経の違い
一度は耳にしたことがあるという方も多い般若心経。法華経も般若心経も大乗仏教に分類される代表的な経典です。
両者の違いは以下の通りです。
項目 | 法華経 | 般若心経 |
---|---|---|
信仰している宗派 | 日蓮宗・天台宗など | 真言宗・臨済宗・曹洞宗・浄土宗など多数 |
代表的なフレーズ | 南無妙法蓮華経 | 色即是空 |
経典の文字数 | 28章から成り、経典の中で最も長文 | 300字程度 |
示す内容 | ・文字数が多い分、感動的で美しい比喩、話も登場する ・誰でも平等に成仏できる ・今を生きるための智慧 | ・お釈迦様と弟子、観音菩薩との対話のような内容であり、お釈迦様と観音菩薩の神髄が凝縮されている ・世の中の価値観に執着することなく、本質に目を向けることが大切 |
法華経に関してよくある質問
まとめ:法華経とは日蓮宗などが信仰しているお釈迦様の教え
法華経とは、日蓮宗や天台宗などで大切にされているお釈迦様の教えが詰まった経典です。
サンスクリット語の「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」が原題であり、白い蓮華の花のように、最も優れた正しい教えのお経と訳せます。法華経は、この教えが漢訳されたもので、内容は長文で不可思議な記述も多く難解とも言われていますが、誰もが平等に成仏できると説いています。
また、南無妙法蓮華経という題目は日蓮宗の開祖である日蓮が唱えたことが始まりです。加えて日蓮は、法華経を「今をイキイキと生きる智慧」だとして、過去・未来ではなく今を生きることの大切さも説いています。
法華経は、仏教の教えの集大成と呼べるものだとも言われています。