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因果応報とは?言葉の意味・仏教での考え方をわかりやすく紹介!

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目次

因果応報とは「善いことも悪いことも自分に返ってくる」という意味の言葉

因果応報(いんがおうほう)とは「自分の行動の善悪に応じてその報いが自分に返ってくる」という意味の仏教用語です。

現代社会では「今苦しんでいるのは、自分の行いが悪いせいだ」など、ネガティブなシーンを表す四字熟語という印象を持つ人が多いかもしれません。しかし、本来は善いことも悪いことも、今自分が受けている結果は自分の行ったことによるものという仏教の教えを表す言葉なのです。

因果:原因と結果のこと

因果(いんが)とは、「因=事が起きたこと・原因」、「果=結果」であり、原因と結果を意味しています。

どんな結果にも必ず原因があり、原因のないまま起きる出来事はないということです。

・早く起きた(原因)から、ゆとりを持って会社に到着できた(結果)

・朝寝坊した(原因)から、会社に遅刻した(結果)

応報:原因に応じて報い(むくい)が現れること

応報(おうほう)は、原因に応じた報い(むくい)が現れることを意味しています。

報いと聞くと、悪いことを想像しがちですが、もちろん善いことも含まれます。仏教では原因に応じた結果しか現れることはないと説いています。

・ゆとりを持って出社できた(原因)から、気持ちよく始業できた(報い)

・会社に遅刻した(原因)から、大切な会議に出席できず、後悔した(報い)

因果応報の使い方の一例

因果応報の使い方の例文をご紹介します。

■彼は周囲にひどいことを言い続けてきた。トラブルが起きたときに、誰も彼を助けようとしなかったことも因果応報だろう。

周囲にきつく当たり続けることで、多くの人に「この人は嫌な人だ」と認識されてしまった。そう思われたことにより、自分だけでは対処できないトラブルが起きたときに、手を差し伸べてくれる人はいなかった。

これは、周囲にきつく当たるという悪い種を蒔き続けた結果によるもの。悪い意味の因果応報の一例だといえます。

■彼女が困ったときに誰もが手助けするのは、彼女がいつも笑顔で周りを気遣っているからだろう。これも因果応報といえるね。

彼女は、いつも笑顔を絶やさず、周囲の人々を気遣っていた。これが、「優しい素敵な人」だと受けとめられることにつながり、自分が困ったときに周囲が自然と協力してくれて、トラブル解決の糸口に繋がった。

これは、笑顔で周囲に気を配るという良い種を蒔いていた結果。善い意味での因果応報の一例だといえます。

因果応報は仏教の考え方の中心

因果応報は、仏教の考え方の根本に位置しています。

仏教では「人は輪廻転生を繰り返しながら、六道からの解脱・悟りの境地を目指す」と考えられています。

六道とは?

・地獄道(じごくどう):最も苦しみの多い世界

・餓鬼道(がきどう):飢えに苦しむ世界

・畜生道(ちくしょうどう):弱肉強食に脅える世界

・修羅道(しゅらどう):争いが絶えない世界

・人間道(にんげんどう):苦もあり楽しみもある世界

・天道(てんどう):最も楽しみの多い世界

六道について詳しくはこちら

輪廻転生で生まれ変わる世界は、前世での行いが影響すると説かれています。

今が善い人生と感じるなら、過去に善い行いをした結果。悪いと感じるなら、過去に悪しき行為を行っていた・努力を怠っていたことなどがその原因です。

この行為と結果の関係こそが因果応報の道理だと考えられています。

因果には法則がある

仏教では、因果には法則があると説いています。

その柱は、

・善因善果(ぜんいんぜんか):善い行いをすれば必ず善い結果を得る

・悪因悪果(あくいんあっか):悪い行いをすれば必ず悪い結果を招く

・自因自果(じいんじか):自分がやった行いは必ず自分に返ってくる=現在の状況

というもの。

善い行いには善い結果が、悪い行いには悪い結果が報いとして現れる。悪い行いに対して、善い結果は現れないと示しているのです。

さらに自分がやった行いが他人に返ることはなく、自分が受けているすべての結果は、自分自身が行った行為によるものだと考えられています。

自らの行いによって来世の運命が変わる:「三世因果の法則」

仏教では、さらに、過去・現在・未来の三世を通じて因果応報の関係にあるとする「三世因果の法則」も説いています。

現世で幸せな人生が送れているということは、前世で善いことをした結果です。そのため、未来も現生での行い次第で変わると考えられています。

善い行いをすれば、来世も善い人生が送れる一方、悪い行いにより来世の自分が苦しむこともあるのです。

また、結果を生み出すまでには時間がかかることもあります。同じ日に蒔いた種であっても、芽を出す日が異なることと同じで、結果が出ることには時間差があることを忘れないでおきましょう。

来世でも幸せな人生が送れるよう、三世因果の法則にのっとり、現世において善い行い・善いことの種を蒔くことが大切です。

まとめ:因果応報とは原因により報いを受けるという仏教の考え方の一つ

四字熟語として親しまれている因果応報は、本来「行いの善悪に応じて、善くも悪くも報いを受ける」という仏教の考え方の一つです。

仏教ならではの六道輪廻の考え方でも

・現世で良い行いをすれば来世は一つ上の世界、または同じ世界でも楽しい人生を歩める

・現世で悪い行いをすれば来世は一つ下の世界、または同じ世界でも苦しい人生を歩む

と考えられています。

また、因果応報の考え方は、いつの世も決して変わらない「人として正しい生き方」を示しているといえます。自分の行動は善くも悪くも自分に返ってくることを肝に銘じ、努力を怠らず、善い行いを心がけるようにしましょう。

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