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喪家(そうか)とは?喪家が喪に服す期間や禁忌事項についても解説
喪家とは身内が亡くなった家のこと
喪家とは、身内が亡くなった家や家族のことで、遺族と類義語です。
2つの違いは、遺族が葬儀を出す家という意味で使われることが多いのに対して、喪家は葬儀中だけでなく喪中の家についても広く用いるところです。
この記事では、喪家の意味と、喪家が喪に服す期間やその間の禁忌事項などについて解説していきます。
喪家の読み方
喪家には3つの読み方があり、「そうか」の他に、「そうけ」「もけ」とも読みます。
また、関東では「葬家」とも書きます。一方、関西では喪家を使うのが一般的で、「もけ」と読むことが多いです。
喪家の由来は儒教
喪家の考え方は、中国の儒教が伝わり日本式に変化したと言われています。
古代中国では身内が亡くなった時の作法(礼制)として、遺族が身に着けるべき喪服の種類や期間を故人との関係性によって5つに分け、五服(ごふく)と呼んでいました。
日本には儒教の伝来とともに喪や五服の考え方が伝わり制度化されましたが、中国の家族制度とは異なるため、日本独自の喪の制度として取り入れられていきました。
後に仏教や神道の考え方とも融合する中で、現在の喪家の考え方に変化していったとされています。
喪家が喪に服す期間
家族に不幸があった時に使う、喪に服すという言葉には、喪家が故人の死を悼み(いたみ)、喪服を身に着け、身を慎んで生活を送るという意味があります。
現在は1年くらいが喪に服す期間として認識されていますが、厳密には故人との関係によって期間が異なります。
もともとは、江戸時代の「服忌令」(ぶっきりょう)に定められた期間が元になっていて、制定当時は男女で喪に服す期間が異なる不平等な内容でした。
現在一般的になっている続柄による喪中期間は、明治以降の考え方を元にしたものです。
喪家の範囲は2親等まで
喪家として喪に服すのは、以下の2親等までの親族とされています。
- 配偶者
- 父母
- 義父母
- 子
- 兄弟姉妹
- 兄弟姉妹の配偶者
- 祖父母
- 孫
続柄ごとの喪に服す期間
故人との続柄による喪に服す期間は、以下の通りです。
- 配偶者(夫)、父母:12~13ヶ月
- 義父母:5ヶ月
- 配偶者(妻):3ヶ月
- 子:3ヶ月
- 兄弟姉妹:3ヶ月
- 祖父母(父方):5ヶ月
- 祖父母(母方):3ヶ月
- 兄弟姉妹の配偶者:1ヶ月※
※兄弟姉妹の配偶者については2親等にあたりますが、昔のように家族が同じ地域に暮らすことも少なくなっているので、現在は喪中の範囲に含まないという考え方もあるようです。
喪家の禁忌事項
喪家の禁忌事項(きんきじこう)とは、喪に服している期間中はタブーとされる行為です。
かつては喪中の期間に黒以外の服を着ることや、肉類を食べることも禁忌事項とされていましたが、現在はこれらの慣習は薄れています。
また、故人との続柄によって喪中の期間は異なりますが、故人と同居していた場合は、続柄に関わらず1年くらいは喪中とするのが一般的です。
例えば、祖父母が亡くなった場合、孫の喪に服す期間は半年くらいまでですが、同居していた場合は葬儀後初めてのお正月の行事は半年以降であっても控える方が良いでしょう。
慶事の開催および参加
慶事とは結婚式やクリスマスパーティー、忘新年会などの祝い事の席です。
これらを主催するのはもちろん、参加することも喪中は控えることが望ましいとされています。
ただし結婚はそれ自体を取りやめる必要はないので、入籍だけ済ませ結婚式は延期する場合が多いようです。
正月行事
正月に関することも、喪中は控えます。
年賀状や新年の挨拶、正月飾りや初詣などは控えましょう。
喪家が年賀状を出さないのは当然ですが、喪家に年賀状を送ることも控えるのがマナーとされているので、11月から遅くても12月10日くらいまでに喪中であることを知らせるための年賀欠礼はがきを出します。
もし、12月中旬以降に不幸があった場合は、先方は年賀状の発送を済ませている可能性もあるので、寒中見舞いで対応するのが一般的です。
喪家の犬とは
喪家を使った言葉に「喪家の犬・喪家の狗(そうかのいぬ)」という諺があります。
これは、不幸があった家では悲しみのあまり犬に餌をやることさえ忘れ、犬がやせ衰えていることになぞらえて、ひどくやつれて元気のない人をたとえる時に使う言葉です。
これは孔子にまつわるエピソードが元になった諺とされています。
弟子とはぐれ心細そうに一人佇んでいた孔子を地元の人が見かけて、その様子を弟子に「喪家の犬のごとし」と伝えたことに由来しています。
まとめ
喪家は不幸があった家を意味する言葉で、葬儀では遺族というのが一般的です。
喪に服す範囲や期間は故人との関係によって異なりますが、現在は日常生活での制限は限られているので、1年くらいは慶事への参加と正月の祝いを避けると考えておけば間違いはないでしょう。