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【参考動画付き】般若心経の唱え方は?意味やタイミング・唱えない宗派もご紹介!
般若心経は仏教の経典の一つ
般若心経(はんにゃしんきょう)は、仏教の経典の一つです。正式名称は「般若波羅蜜心経」と言われています。
「般若経」600巻をまとめたもので、大乗仏教の真髄を述べています。重点を置いているのは「空(くう)」思想です。この世のすべてのものは、不変ではないので、執着しないことで悩みや苦しみから逃れられると説いています。
文末はサンスクリット語を音写した「咒」(陀羅尼)で表されています。
複数の宗派で用いられている
般若心経を唱える宗派は、真言宗、天台宗、曹洞宗、浄土宗、臨済宗などです。ただし、宗派によって唱える場面が異なります。
また、般若心経に対する解釈も宗派によって違いがあります。
以下は各宗派による般若心経のとらえ方です。
・浄土宗:祈願や食作法時に般若心経を用いることがあります。
・真言宗:信者の修行や葬儀の折に般若心経を唱えます。
・臨済宗:謹行(ごんぎょう)や葬儀の折に般若心経を唱えます。
・曹洞宗:勤行の際に般若心経を唱えます。
・天台宗:修行の一つとして般若心経を唱えます。
ただし、儀式でなければ、般若心経は宗教の枠を超えて、一般の人でも唱えられます。リラックス効果のために般若心経を唱える人も多いものです。
玄奘(げんじょう、げんぞう)がインドから持ち帰った
玄奘(げんじょう、げんそう)は、唐の訳経僧(経典の翻訳をする僧)です。孫悟空で有名な「西遊記」では、三蔵法師とされています。そんな玄奘がインドから中国に持ち帰ったのが般若心経の元となった「大般若経」です。
サンスクリット語で書かれていた「大般若経」600巻は玄奘によって漢語に訳されました。それを300字に凝縮したのが、仏教の精神を示した般若心経です。
この記事では、般若心経全文と読み方、般若心経が表していること、唱えるタイミング、唱えない宗派について解説します。
般若心経の全文と読み方
ここからは、般若心経の全文と読み方を紹介します。宗派によって異なりがあるので、ふりがなとして記してあります。
ここでは、真言宗を参考にしています。
ぶっせつま かはんに は ら み た しんぎょう
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
かんじざいぼ さ ぎょうじんはんにゃは ら み た
観自在菩薩行深般若波羅蜜多
じしょうけんご うんかいくう ど いっさいくやく
時照見五蘊皆空度一切苦厄
しゃり し しきふ い くうくうふ い しきしきそくぜ
舎利子色不異空空不異色色即是
くうくうそくぜ しきじゅそうぎょうしきやくぶ にょぜ
空空即是色受想行識亦復如是
しゃり し ぜ しょうほうくうそうふ しょうふめつふ く ふ じょう
舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄
ふ ぞうふ げん ぜ こ くうちゅうむしきむじゅそうぎょうしきむ げんに
不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳
び ぜっしんい む しきしょうこうみ そくほうむ げんかいないし
鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至
む い しきかいむ む みょうやくむ む みょうじんないし む ろうし やく
無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦
む ろうし じんむ く しゅうめつどうむ ち やくむ とく い
無老死尽無苦集滅道無智亦無得以
む しょとっこ ぼ だいさつた え はんにゃは ら み た
無所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多
こ しんむけ げ む け げ こ む う く ふ おんりいっさいてんどう
故心無罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顛倒
む そうくぎょうね はんさんぜ しょぶつえ はんにゃは ら み た
夢想究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多
こ とくあ のくた ら さんみゃくさんぼだいこ ち はんにゃは ら み た
故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多
ぜ だいじんしゅぜいだいみょうしゅぜいむ じょうしゅぜいむとう とうしゅ
是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪
のうじょいっさいくしんじつふ こ こ せつはんにゃは ら み た
能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多
しゅそくせつしゅわつぎゃてぎゃ て は ら ぎゃ て は ら そうぎゃ て
呪即説呪曰羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦
ぼ じ そ わ か はんにゃしんぎょう
菩提薩婆訶般若心経
読み方の注意
読み方の注意です。宗派によって異なる部分もありますので、一般的な読み方として紹介します。
般若心経は、読みにくいところも多々あります。最初はゆっくり練習して、徐々に理想の速さで読めるようにしましょう。
3分54秒の練習用YouTubeもあります。参考にしてください。
青字以外は漢字一文字1拍で読む
青字以外は、漢字1文字につき1拍で読むのが一般的です。
青字で示した波羅僧 薩婆訶はそれぞれ漢字3つですが、1拍ずつ読まず、1拍に2語入れるように読むことが多いです。
音符で示してみました。♩は1拍を意味する四分音符(タン)、♫で1拍の八分音符(タタ)で表しています。
波羅僧:×はらそう(♩♩♩タンタンタン)→〇はらそう(♫♫タタタタ)
薩婆訶:×そわか(♩♩♩)→〇そわかあ(♫♫タタタタ)
赤字はのばしぎみに
赤字で書いた最初と最後の「心経」は少しテンポをゆるめて、のばし気味にすることが多いです。
「しーんきょうー」といった感じです。
音程、テンポは一定に
般若心経は歌ではありませんが、音楽に近いものがあります。音程はなく、一定の調子で抑揚を付けずに声を出します。こういったところは、ラップ音楽と似ているかもしれません。
テンポも一定です。赤字で示した「心経」以外は、特に速くなったり遅くなったりはしない方がそれらしい唱え方です。
テンポが気になる方はメトロノームで練習するのもおすすめです。理想のテンポは80~110とされていますので、最初はそれよりも遅いテンポに設定しましょう。慣れてきたら、徐々にテンポアップしてみてください。
適度にブレスする
歌や楽器演奏のように、適度なブレスを入れます。どこで入れるかの指定は特にありません。息つぎしやすいところで入れます。
ただし、お経の流れが止まらないように気を付けて入れるようにしてください。フレーズを考えながら、ブレスを入れると良いです。音楽を奏でるかのような気持ちで、入れる箇所を考えましょう。
般若心経は観音様の教えを表している
般若心経は、観音様の教えを表しているとされています。
主な構成は、観音様と弟子のシャーリープラとの会話です。簡単な現代語訳と共に、中心思想となる「空」について説明します。
観音様と弟子シャーリープトラの会話
観音様と弟子シャーリープラによる仏教の神髄についての会話です。主に観音様が、弟子に向かって説いているような形です。
1~2行目:観自在菩薩行深般若波羅蜜多 時照見五蘊皆空度一切苦厄
観自在菩薩(観音様)は、五蘊(ごうん・・この世のすべての物事)はすべて空であると悟られました。
ここが出だしになり、観音様が弟子に「空」について説いていきます。内容を箇条書きで挙げてみました。
- この世のすべては実体がない。
- 実体がないから、生まれたり消えたりしないし、汚れも清らかさもなく、増えもせず、減りもしない。
- 人が感じたり考えたりすることには、何の存在もないので悩みも苦しみもないはず。
- 存在がないといっても、人の世では老いや死、悩み、苦しみは避けられない。
- こだわりを捨て、欲望から離れることで悟りを得られる。
- 悟りを得たら、涅槃(悟りの境地)にたどり着く。
簡単な現代語訳
上記の内容を元に現代語にしてみました。一例として参考にしてください。
まず、観音様が弟子のシャーリープラに語ります。
観音様:シャーリープラ、今日は「空」の境地について話そう。
シャーリープラ:はい。お願いいたします。
観音様:世の中には、何も存在しないのだ。人も物もすべては何もない。
シャーリープラ:何もないのでございますか?私たちも存在しないということでしょうか?
観音様:そうだ。存在しないのだ。何もないのだから、何も感じないはずだ。
シャーリープラ:お言葉ですが、私たちは悩んだり苦しんだりします。実際、私の祖父母は老いており、近頃は腰が痛いと言っております。
観音様:そうであろう。存在しないと言っても、実際には老い、死といった苦しみからは逃れられないものだ。
シャーリープラ:はい。
観音様:しかしな。こだわりを捨て、あらゆる欲望を捨て去ることで、人は悟りを得られるよ。
シャーリープラ:そうなんですね。
観音様:悟りを得られたら、涅槃にたどり着くはずだ。
シャーリープラ:涅槃とは悟りの境地ですね。すばらしい。
観音様:さあ往くのだ。彼岸へ、悟りの境地へ。
中心思想は「空」
般若心経の中心は「空」の思想です。
インド仏教による空の思想は、この世にあるものはすべて存在しないという否定が基礎になっています。
すべては存在しないという「空」ですが、ある到達した新しい地点を目指しています。そこに到達することで、すべてが無として否定した作業が生かされるということです。
ピアノの練習にたとえてみます。ある人がコンクールを目指て、すべてを犠牲にしながら日々練習していたとします。すると、ある時今までできなかった箇所がすんなりと弾けるようになりました。その瞬間、今までとは違う新しい世界が見えてくるものです。
このたとえから考察しますと、空は弾けるようになるまでの練習段階です。その行為によって、目指すものが見えてくるということです。
少し意訳になりますが、心を無にして努力すること(生きること)によって、新しい世界が見えてくると解釈できます。仏教では、到達する先は涅槃での幸福と考えられます。
般若心経を唱えるタイミング
般若心経を唱えるタイミングとして儀式の場面があります。
通夜、葬儀、告別式の他、、初七日や四十九日といった法要です。それぞれ紹介していきます。
通夜、葬儀、告別式
通夜、葬儀、告別式においては、いくつかの場面で唱えられます。いずれも、目的は故人が安らかに旅立てることです。僧侶はお釈迦様に故人へのご加護を祈ってくれます。
まずは、納棺前の枕経として唱えられます。枕経とは、故人が亡くなってすぐに唱えてもらうお経です。
たとえば、病院で息を引き取った後、自宅や葬儀社の安置所に僧侶を呼び、枕経を唱えてもらいます。その枕経が般若心経です。
その他には、通夜や火葬場で唱えてもらうことが多いです。但し、宗派やお寺の考え方にもよります。宗派によっては、他のお経とともに唱えることも考えられます。
初七日や四十九日といった法要
初七日や四十九日といった法要で、般若心経を唱えることもあります。しかし、葬儀で唱える考え方とは異なります。
葬儀では、故人の冥福を祈るために唱えられますが、法要は「回向(えこう)」に基づいて唱えられます。
回向とは、自分自身がお経を読んで得た功績を故人に回し向け、故人が安らかに過ごせるようにすることです。般若心経を唱えることで故人の冥福を祈ると考えられます。
般若心経を唱えない宗派
般若心経を唱える宗派は多く存在しますが、唱えない宗派も存在します。ここでは、日蓮宗関係の宗派、浄土宗関係の宗派を紹介します。
日蓮宗関係の宗派
日蓮宗関係の宗派が般若心経を唱えないのは、お釈迦様の教えによる法華経が教義の元であるからです。その他の教えは法華経にたどり着くためにあるものと考えられています。
つまり、最高の教えと考えられている法華経を唱えているので、その他のお経は唱える必要はないという考えです。
日蓮宗の宗派は、日蓮宗の他、法華宗、顕本法華宗、陣門流法華宗など多数あります。
浄土真宗関係の宗派
浄土真宗関係の宗派も般若心経を唱えません。その理由は全ては阿弥陀仏様によって救われるという他力本願の考えだからです。
したがってお経を唱える必要はなく、阿弥陀仏様以外を拝む必要はないと考えられています。
この宗派は、真宗興正派、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派など10派存在します。
まとめ:多くの人に唱えられる般若心経は空の思想に基づいている
般若心経はリラックス効果などで話題になったこともあり、多くの人に唱えられています。また、浄土宗や真言宗など、多くの宗派でも儀式の折に取り入れられています。
唱え方は宗派によりさまざまですが、いろいろな動画などが出ているので、一般の人でも気軽に唱えられます。
元々は西遊記に出てくる三蔵法師として有名な高僧、玄奘がインドから中国に持ち帰った「大般若経」600巻を300字に漢訳した物と言われています。
3分~4分程度で唱えられるので、興味のある方は唱えてみてください。