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極楽とは?どんな世界?念仏を唱えると行ける?天国との違いを解説
極楽とは阿弥陀仏が住まう浄土のこと
極楽とは、六道輪廻を離れ、あらゆる苦しみや災いのない安楽な世界であり、阿弥陀仏が住まう浄土(極楽浄土)のことです。
語源は「楽のあるところ」という意味のサンスクリット語「sukhāvatī」を漢訳したもので、読み方は「ごくらく」です。
浄土:穢れや煩悩がなく、仏や菩薩が住まう世界
浄土とは、一切の煩悩や穢れを離れ、仏や菩薩が住む清浄な世界・国土のこと。「清浄国土」を2字に縮めたもので、仏の国を指します。
また、浄土には
・西方極楽浄土
・東方浄瑠璃浄土
・霊山浄土
など、さまざまな種類があると考えられています。しかし、平安後期以降は浄土教が広まるにつれ、主として阿弥陀仏が住まう西方極楽浄土を指して浄土と呼ぶようになったと言われています。
極楽の世界観:苦痛を一切感じない素晴らしい世界
極楽の世界観は、浄土宗や西山浄土宗、浄土真宗の根本経典である浄土三部経(阿弥陀経、無量寿経、観無量寿経)に詳しく説かれています。
阿弥陀経には
『これより西のほう、十万億の仏土を超えて世界あり、名づけて極楽という』
とあります。
これは単にはるか遠い場所にあるという意味ではなく、煩悩にとらわれているうちは決して到達することのできない世界を象徴していると解釈されています。
さらに
『衆生には、もろもろの苦しみあることなく、ただもろもろの楽しみを受く。ゆえに極楽と名づく』
とも説かれています。
つまり、極楽は苦痛を一切感じない素晴らしい世界だと言えるでしょう。
極楽は「七宝」から成る
さらに極楽の様子は、以下のように説かれています。
- 極楽の国土の大地は黄金で、金・銀・瑠璃(青い宝石)・水晶でできた「七重の玉垣、網状の飾り、並木」で囲まれている。
- 七宝(7つの宝:金・銀・瑠璃・水晶・白いつやのある貝・赤い真珠・メノウ)でできた池があり、底は金銀の砂が敷き詰められ、四色の蓮華の花が咲き誇り良い香りがする。
- 七宝の池は八功徳水で満たされている。
- 池の四方には、金・銀・瑠璃・水晶でできた階段があり、その上には七宝で飾られた建物(楼閣)が建っている。
- どこからともなく美しい音楽が絶えず流れ、そよそよと風が吹いていて、暑くもなく寒くもなく、一日中穏やかな仏の声が響き渡り心地よい香りに包まれている。
八功徳水とは?
八功徳水とは
- 澄んでいる
- 清らか
- 甘露
- 軽く柔らか
- 艶やか
- 穏やか
- 患いを癒す
- 池の水を飲めば力がみなぎる
これら八つの優れた働きを具えた水のことです。
極楽に住まう住人も金色に輝いている
極楽に住まう人は、
- 体そのものが金色に輝き、縫い目のない衣装を身に纏い、装身具も煌びやか
- 一切の苦悩やストレスを感じさせない。
- 空腹時にはどこからともなくおいしい食べ物が現れ、満腹になれば自然に片付いてしまう。
- 極楽浄土に生まれた人は、大慈悲の心がある。
など、環境に負けず素晴らしい生活をしていると言われています。
極楽はもてなしを受ける場所ではない?
前述した極楽の世界観は、阿弥陀経で説かれているものの一部です。一言では語り尽くすことができないほど、壮厳な世界が極楽だと言えます。
しかし、極楽はたどり着いた人々をもてなすための場所ではありません。
極楽には「仏となるための修行に集中せよ」という阿弥陀仏の配慮があると言われています。言い換えれば、一切のストレスが取り除かれた状態で修行に集中できるところで仏の説法に耳を傾け、修行に励みなさいとのメッセージだと言えるでしょう。
極楽に関してよくある質問
まとめ:極楽とは修行に励むために阿弥陀仏が用意した悩みや迷いのない世界
極楽は極楽浄土とも言われ、阿弥陀仏が住まう浄土のことです。浄土とは「一切の煩悩を離れ、仏や菩薩がすむ清浄な世界・国土」を指します。このため、極楽浄土は、六道輪廻を離れ、あらゆる苦しみや災いのない安楽な世界だと言えるでしょう。
極楽の世界観は、浄土宗系の宗派が根本経典としている「浄土三部経(阿弥陀経・無量寿経・観無量寿経)」に詳しく説かれています。
▶︎極楽の世界観について詳しくはこちら
また、極楽はたどり着いた人をもてなすための場所ではなく、一切のストレスが取り除かれた状態で「仏となるための修行に集中せよ」という阿弥陀仏の配慮があると言われています。
なお、極楽には誰もがたどり着けるわけではありませんが、浄土宗系の4派では、阿弥陀仏を信じひたすら「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば誰しもが極楽に導かれると説いています。これは絶対他力の教えの象徴であり、浄土宗系の宗派の特徴だと言えるでしょう。