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仏様の世界観に浸れる仏画!歴史・有名な仏画・分類をご紹介

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目次

仏画とは仏様を描いた絵画

仏画(ぶつが)は、その字の通りに仏様の姿を描いた絵画です。仏教を題材にした絵画も含みます。

この記事では仏画の歴史や有名な仏画、仏画の分類を紹介します。また、よくある質問もピックアップしました。

版画や掛け軸も仏画

仏様の姿を彫った版画も仏画に含まれます。また、曼荼羅(まんだら)や掛け軸も仏画に分類されます。

仏画は広い意味で仏教美術の一つです。仏教美術は仏教の思想、信仰をモチーフに制作されています。仏画の他には、礼拝対象、建築物、彫刻、工芸等。視覚に働きかける芸術作品を指します。

仏教を理解してもらうために描かれた

仏画が描かれた背景には、仏教への理解の促進がありました。昔は言葉で仏教の教えを伝えていましたが、それだけではうまく伝えきれませんでした。

そのために仏画、仏像等が作られ、人々の視覚に訴えかけるようになったのです。

このように仏教美術は広まりました。

仏画の歴史は紀元前5世紀に遡る

仏画の歴史を紐解いていくと、紀元前5世紀に遡ります。紀元後はギリシャ文化に影響された仏像が作られ、仏画も描かれるようになりました。

世界最古と言われる仏画インドのアジャンタ石窟寺院の壁画は、この頃に描かれたとされています。

日本においては、平安時代が仏画の始まりでした。そして鎌倉時代になると、たくましい作風が生まれました。

その後は禅宗により仏画がさかんに描かれるようになりました。

日本の仏画の始まりは平安時代

日本の仏画の始まりは平安時代という説が有力です。仏教は飛鳥時代に中国から日本に伝来していましたが、仏画は残っていません。

平安時代は中国の仏画の影響を色濃く受けています。特にさかんだったのは「曼荼羅(まんだら)」と呼ばれる仏画です。密教における仏の世界を表しています。

平安時代後期になると末法思想が流行りました。浄土真宗で「来釈迦図」が描かれたのもその影響です。この絵画は人が亡くなると阿弥陀如来がお迎えに来る、という浄土真宗の考えを表しています。

たくましい作風が生まれた鎌倉時代

鎌倉時代は武士が政権を握った鎌倉幕府が作られた影響からか、たくましさを感じるような仏画が生まれました。たとえば「垂迹画」(すいじゃくが)や「六道輪廻思想画」(ろくどうりねんしそうが)等です。

また、この頃は「似せ絵」と呼ばれた肖像画も流行り、仏画においても開祖の姿を描くようになりました。

平安時代までは、仏教を題材にした作品が大多数を占めていましたが、鎌倉時代になると、人そのものに着目するようになりました。

禅宗による仏画がさかんだった室町時代

室町時代は禅宗による仏画として、多数の水墨画が描かれました。なぜならば、その当時の禅宗は幕府の手厚い保護を受けていたからです。

この時代の作品としては、北九州の豊前国分寺で見られる賢劫千仏図(けんごうせんぶつず)や胎蔵界曼荼羅図などが知られています。

江戸時代以降

江戸時代は狩野派の影響で襖、壁、障子にも仏画が描かれるようになりました。有名なのは、復古大和絵派の冷泉為恭(れいぜいためちか)、「五百羅漢図」で知られている狩野一信等が描く仏画です。

明治になると岡倉天心を師とする日本美術院系の画家により、それまでに描かれた仏画の模写が行われました。さらに狩野芳崖による悲母観音図も新しい仏画として描かれました。

有名な仏画

一般的に有名とされている仏画をまとめました。

描かれた時代作品名見られる場所
奈良時代釈迦霊鷲山(りょうじゅせん)説法図ボストン美術館
奈良時代吉祥天像薬師寺
平安時代仏涅槃(ねはん)図金剛峯寺
平安時代釈迦金棺出現図京都国立博物館
平安時代普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)京都国立博物館
平安時代伝船中湧現観音像(せんちゅうゆうげんかんのん ぞう)竜光院
平安時代善女龍王(ぜんにょりゅうおう)金剛峯寺
平安時代不動明王像曼殊院
平安時代両界曼荼羅図教王護国寺
平安時代慈恩大師(じおんだいし)像薬師寺
鎌倉時代閻魔(えんま)天像醍醐寺
鎌倉時代仏眼仏母像(高山寺)文殊渡海図醍醐寺
鎌倉時代山越阿弥陀図(やまごしあみだず)禅林寺
鎌倉時代阿弥陀二十五菩薩来迎(らいごう)図知恩院
鎌倉時代親鸞聖人像本願寺
鎌倉時代地獄草紙東京国立博物館
鎌倉時代餓鬼草紙京都国立博物館
鎌倉時代普賢十羅刹女(じゅうらせつにょ)図ギメ美術館
鎌倉時代阿弥陀三尊来迎図シカゴ美術館
鎌倉時代地蔵菩薩像大英博物館
鎌倉時代不動明王二童子像リートパーク美術館
鎌倉時代仏涅槃図ケルン市東洋美術館

仏画の分類

ここからはジャンルによって仏画を分類します。崇拝・礼拝の対象、曼荼羅、変相図、浄土図などを紹介します。

崇拝・礼拝の対象が描かれている

出典:楽天市場

崇拝、礼拝の対象の仏様が描かれている仏画です。以下に主な仏様を挙げます。

  • 釈迦如来(しゃかにょらい)
  • 阿弥陀如来(あみだにょらい)
  • 大日如来(だいにちにょらい)
  • 薬師如来あ(やくしにょらい)
  • 弥勒菩薩(みろくぼさつ
  • 観音菩薩(かんのんぼさつ)

密教の世界観を表した曼荼羅(まんだら)

出典:AMAZON

主に仏教における密教の世界観を描いた曼荼羅です。さまざまな色を使った模様で仏教の教えを表しています。

密教はインドで生まれました、修行によって仏と一体化するという教えです。身・口・意の三密業を通じて仏と一体するとされています。また、悟りの仏・大日如来の世界観を表しています。

天台密教・真言密教があります。画像は「両界曼荼羅」です。

極楽浄土や地獄を描く変相図

出典:AMAZON

極楽浄土や地獄を描く「変相図」という仏画があります。雰囲気が曼荼羅にも似ているため、「浄土曼荼羅」とも呼ばれます。ただし、密教との関係は皆無です。

画像はチベット仏画の「文殊変相図」です。

仏教の浄土信仰による浄土図

出典:薬師寺公式HP

平安時代後期にさかんに描かれた仏教の末法思想による仏画です。一般的には浄土図と呼ばれています。

その背景には、法然や親鸞による浄土信仰が広まったことがあります。画像は奈良薬師寺の食堂(じきどう)に飾られている「阿弥陀三尊浄土図」です。

六道輪廻(ろくどうりんね)思想による仏画

出典:楽天市場

仏教によると、世に生きるものすべては、六道と呼ばれる世界で生死を繰り返しているとされています。六道は生きていた時の行いによって決められる死後の六世界です。

六道は地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上を指します。輪廻は霊魂は不滅で何度も生まれ変わるという考え方です。車輪が回転することにたとえています。

そんな考え方を絵画で示した仏画です。画像は「六道輪廻図」です。

仏教と神道がミックスされた垂迹画(すいじゃくが)

出典:根津美術館HP

仏教と神道がミックスされて仏画を垂迹画(すいじゃくが)と言います。垂迹とは神を意味します。

仏様や菩薩が垂迹と呼ばれる神に姿を変え、困っている人々を救うために現れたという本地垂迹説に乗っ取って描かれています。

曼荼羅のような雰囲気の仏画が多いです。画像は那智瀧図(なちのたきず)です。

よくある質問

仏画はどこで見られますか?

美術館や博物館、ギャラリーやホテルなどで見られます。仏画展として開催されることも多いです。または仏画師のアトリエや教室の展覧会でも見られます。

仏画師になるにはどうしたらいいでしょうか?

仏画師になるには、現役の仏画師に弟子入りして修行する道があります。仕事は寺院に頼まれる絵画の制作や仏画教室の講師などが考えられます。

一般人でも仏画を描いていいのでしょうか?

大丈夫です。カルチャー教室や寺院で教えてもらえます。お近くの教室を探してみてください。

骨董価値のある仏画の条件は?

古い作品で保存状態が良いこと、希少価値があることです。また、上記で紹介したように名の知られた作品であることも重要です。

まとめ:仏画は仏教を理解してもらうために描かれた

仏画は、多くの人に仏教を理解してもらうために描かれました。仏様の姿を描いた物、極楽浄土や地獄を描いた物等、さまざまなジャンルに分類されます。

その歴史は紀元前5世紀のインドに遡りますが、日本で描かれるようになったのは平安時代からです。鎌倉時代にはたくましい画風、室町時代は禅宗の影響などが見られました。

江戸時代には狩野派の影響を受けました。明治時代からは模写がさかんになり、現代に至ります。

仏画は美術館や寺院等で見られます。実際に出かけて本物の価値を味わってみてください。

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