MENU

霊璽とは?置き場所・文字入れのやり方・位牌との違い・繰り出し型・歴史・よくある質問をご紹介!

本ページはプロモーションが含まれています。

目次

霊璽は故人の御霊が宿る依り代

出典:楽天

霊璽(れいじ)は故人の御霊が宿る依り代で、故人の霊を移してお祀りするものです。主に檜(ひのき)で作られた白木台付きの札に故人の名前、亡くなった年月日などが書かれています。

やがて故人は家の神様となり、家族を守ってもらうようになります。そのため、霊璽は神式の供養でもっとも大事にされています。

因みに霊璽は「霊璽」という呼び方の他、霊形、神主、霊代、霊主と呼ぶこともあります。

そして、依り代は神霊が寄り着くところを差します。霊形、神主、霊代、霊主と呼ぶこともあります。

この記事では、霊璽の置き場所、文字入れのやり方、位牌との違い、複数の故人を入れられる繰り出し型、歴史、よくある質問について取り上げます。

依り代は神霊が寄り着くところ

依り代とは神霊が寄り着くところを指します。故人の御霊(みたま)が宿る霊璽も依り代の一つです。

その他に依り代は榊などの植物、御守り、山、岩、神輿、山車、巫女などさまざまな例が挙げられます。

霊璽の置き場所は祖霊舎の中央

霊璽は五十日祭に設置します。その置き場所は祖霊舎の中央部分にある中扉の中です。中扉は閉め、その前に神鏡(しんきょう)を安置します。

扉を閉めておくのは、目に見えない神様の存在を大事にするためです。ただし、祖霊舎本体の扉は開けておいても大丈夫です。

ここでは、霊璽を置くのに必要な祖霊舎について、神棚との違いも踏まえて説明します。また、霊璽を置くのにおすすめの向きについても紹介します。

祖霊舎が必要

霊璽を祀るには祖霊舎が必要です。霊璽は祖霊舎の中央にある中扉内に安置します

因みに祖霊舎は神棚とは異なります。ここでどんな役割があるのか詳しく説明します。

祖霊舎はどんなものか?

祖霊舎には以下に挙げる別名があります。

・神徒壇

・御霊舎

・みたまや

・神道祭壇

祖霊舎は先祖の霊璽を祀るためのものです

神棚との違い

神棚は伊勢神宮、氏神様など縁のある神社のお札を祀るものです。ご先祖様の霊璽を祀る祖霊舎と異なります。

また、神棚は高いところに設置し、仰ぎ見てお参りしますが、祖霊舎は床の上か台の上に置きます。お参りする順は神棚の方が先です。

そして、祖霊舎には神棚にあるしめ縄や上等なすだれである御簾もありません。

神棚祖霊舎
祀る対象伊勢神宮、氏神様などのお札ご先祖様の霊璽
設置場所部屋や店舗の高い部分(地上から1.8m以上の高さ)床か台の上
お参り順先にお参り神棚の後
しめ縄あり 毎年お札とともに取り換えるなし
御簾扉の内側にある 御簾をくぐって札を納めるなし

南向きや東向きがおすすめ

祖霊舎は南向きや東向きに設置することをおすすめします

もしも、この向きに置けない状況でしたら、清潔な場所に置きましょう。また、家族が手を合わせやすい場所もおすすめです。

神様が喜んでくださる場所と考えれば間違いないでしょう。

霊璽の文字入れのやり方

霊璽には文字入れがあります。仏教の戒名にあたる神道独特の霊号を書くのが特徴的です。霊号は男女、大人、子供により異なります。ここで詳しく説明します。

霊号を入れる

霊号は仏教の戒名にあたるもので、故人の御霊に付けられる名前です。氏名のあとに神道独特の称名(たたえな)がつき、諡(おくりな)とも呼ばれます。

霊号は決められているものなので、遺族が考える必要はありません。文字入れも神職に任せておけば大丈夫です。神職が霊璽に文字入れするのが一般的なやり方です。

氏名の次に霊号が書かれます。

男女別の書き方

霊号は男女や大人、子供で年齢により異なります。以下の表でご確認ください。

性別年齢霊号
3歳まで児(みどりご)
3~6歳稚児(ちご)、稚朗子(わかいらつこ)
男性6~15歳童男(わらべ)、朗子(いらつこ)
15~20歳彦、比古(ひこ)
20~40歳朗男(いらつお)
40~70歳大人(うし)
70歳以上翁(おきな)、老叟(ろうそう)
3歳まで児(みどりご)
3~6歳稚児(ちご)、稚朗女(わかいらつめ)
女性6~15歳童女(わらめ)、朗女(いらつめ)
15~20歳姫、比女(ひめ)
20~40歳朗女(いらつめ)
40~70歳刀自(とじ)
70歳以上媼(おうな)、大刀自(おおとじ)

霊璽と位牌の違い

ここでは、霊璽と位牌の違いについて触れます。まず考えられるのは宗教による違いです。霊璽は神道、位牌は仏教なので、考え方が異なります。

霊璽には家の守り神となった故人、つまり神様が祀られています。それに対し、位牌は故人そのものが祀られています。

そして、見た目の違いも明白です。霊璽は白木がそのまま使われています。それに対し位牌は、漆でコーティングされていたり、金が使われていたりします。

宗教による違い

霊璽は神道による故人の御霊が宿るお札です。位牌は仏教における故人の供養のための仏具です。

霊璽には表に生前の名前・霊号・~命、~霊、~之霊、~の霊位等が書かれます。

例:95歳で亡くなったイキカタ次郎さん

イキカタ次郎翁之命霊

裏面は「令和5年4月1日帰幽 享年95歳」のように亡くなった年月、年齢が書かれています。

位牌の場合は仏教ゆえのルールがあり、梵字、戒名、没年月日、俗名、没年齢を記載するようになっています。最初は白木位牌に書き、それを本位牌に書き写します。

ただし、本位牌には入れない文字があるなど、仏教独自のルールが存在します。

見た目の違い

出典:ひるた仏具店

出典:伊勢宮忠

上の画像は位牌、下は霊璽の代表的な型です。ご覧の通り見た目が違います。

仏教の位牌は四十九日までは白木の物ですが、四十九日以降はコーティングされた本位牌になります。それに対し霊璽は白木です。故人の名前や亡くなった年月が書かれ、写真のような白木覆いを被せたり、錦覆いを被せたりします。錦覆いには鏡付きの物もあります。

繰り出し型霊璽は複数の御霊をまとめられる

通常の霊璽は故人一人に付き一つ用意しますが、複数人をまとめて祀ることが可能な繰り出し型も存在します。

住宅事情や祖霊舎の大きさ、複数人のスペースを確保するのが困難な場合に使用します。ここでは、5寸サイズ、6寸サイズの物を紹介します。

5寸の繰り出し型

出典:楽天

サイズ:総高15cm(多少誤差あり)

札板サイズ:約12cm

素材:木曽檜

一基に10枚のお札が収められるミニサイズの霊璽のため、祖霊舎に収めやすいです。札板も商品に含まれています。

すべて木曽檜(きそひのき)の無垢材で作られています。なめらかな木目の美しさが印象的な霊璽です。

6寸の繰り出し型

出典:AMAZON

サイズ:総高18cm(多少誤差あり)

              幅9cm

              奥行7cm

素材:ヒバ

高さ約18cmなので、5寸の物より多少大きいサイズです。同じように10枚のお札が収められるようになっている繰り出し型です。祖霊舎にぴったり収まります。

素材のヒバは檜科・あすなろ属の針葉樹です。抗菌・防虫に優れている木材として注目されています。

霊璽の歴史

ここからは霊璽の歴史に触れます。元々は中国の儒教で用いられ、日本に入ってきたとされます。そして、近世以降は日本特有の葬儀の形が見直されることになりました。

中国の儒教で用いられた

霊璽は元々、中国の儒教で祖先祭祀を行うために用いられました。祖霊の※御霊代(みたましろ)としての役目があったのです。木主(ぼくしゅ)や神主(しんしゅ)とも言われました。

この儀式が仏教に影響を与えたという説もあります。つまり、中世の日本で禅宗に位牌が用いられたきっかけが霊璽だったということです。やがて江戸時代になると、位牌は多くの人に普及しました。

※御霊代:故人の魂を移すこと

近世以降は日本特有の葬儀の形が見直された

近世以降になると、日本特有の葬儀が見直されるようになりました。神職や学者が神式の葬儀を考究するようになったのです。その際、祖霊祭祀の考えが似ている儒教が参考になりました。

そのため、現在の霊璽は儒教の物と似た形になっています。

霊璽は神道独特の考えの元、人の目に触れないように蓋をされるようになっています。仏教では本尊は拝観の対象となり、目に見える物ですが、神道の神は目に見えぬ霊性とされています。

霊璽が蓋をしたまま祀られるのも、こうした神道の考えによるものです。

霊璽のよくある質問

霊璽のよくある質問を集めてみました。

元々家にある霊璽は、五十日祭までに作り変えますか?

神道の位牌にあたる霊璽はそのままで大丈夫です。五十日祭までに作り変える必要はありません。

霊璽は仏壇に置けない?

霊璽は神道の位牌なので、祖霊舎に祀ります。しかし、住宅事情などがおありでしたら、お寺の住職や神社の神職にご相談してみてください。

霊璽の処分はどうしたらよい?

おすすめは神社でのお焚き上げです。手順は以下です。

霊璽を神社に持って行く

お焚き上げを申し込む

初穂料5000円ほどを納める

お祓い

お焚上げ

Q霊璽に蓋を被せるのはなぜ?

霊璽は神霊の依り代なので、人の目に触れてはいけないとされています。神道において、神様は、人の目には見えない霊性と考えられているからです。

葬儀の際に霊璽は用意するのでしょうか?

地域によっても異なりますが、葬儀の際は仮の霊璽を使います。五十日祭には正式な物を用意するので、仮の霊璽は神社で焼納してもらいます。

まとめ:霊璽は神霊の宿る依り代として大切にされている

霊璽は神様になる故人の霊が宿る大切な依り代です。そのため、五十日祭を過ぎたら、祖霊舎中央の内扉の中にそっと安置されます。

そんな霊璽は仏教の位牌とは、見た目や宗教による考え方が異なります。札や位牌に書く故人の名前の書き方もその教えにふさわしい書き方があります。

また、霊璽は故人1人につき1基とされていますが、祖霊舎に収まりきらないケースも少なくありません。そんな場合は1基に複数人の札が入る繰り出し型がおすすめです。

このように神道ならではの考え方を理解して、霊璽に二拝二拍手一拝で拝礼しましょう。

目次
閉じる