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火成岩とは?鉱物・種類・火山岩や深成岩との違い・墓石に使われる御影石について解説
火成岩はマグマがかたまってできた
火成岩はマグマが固まってできた岩石です。因みにマグマとは、地下にたまっている岩石が溶けてできた高温の物質です。
そんな火成岩の鉱物は、マグマが冷える早さによって、粒子の細かさが異なります。つまり、時間が経てばたつほどに粒が粗くなります。
この記事では、そんな火成岩について鉱物、種類、火山岩や深成岩との違い、お墓に使われる御影石、よくある質問を取り上げます。
鉱物粒子の細かさはマグマの冷える早さによる
火成岩の鉱物粒子は、マグマの冷える早さによって細かさに違いがあります。年月を経てゆっくり冷えていくほどに粒が粗くなる傾向です。
下記はケイ酸(sio2)を70%ほど含むマグマが冷え固まった火成岩です。左から順に年月が古くなっており、冷え方もゆっくりです。そのため、左にいくほど粒が粗くなっています。
冷えるためにかかった時間を画像の下に記しました。左から花崗岩→花崗岩→流紋岩→流紋岩の順です。
出典:倉敷市
左から数千万年~百万年→数百万年~数十万年→数万年~数千年→数年~数時間になっています。
冷える速度は左から、かなりゆっくり→ゆっくり→急速→かなり急速という順番です。
火成岩の鉱物
鉱物とはマグマが冷え固まり、結晶になったものです。岩石はあらゆる鉱物で作られています。
ここでは、火成岩の鉱物を紹介します。鉱物には無色と有色が存在します。それぞれの色や特徴もピックアップしてみました。
鉱物の色で岩石の色が決まります。もとになるマグマのねばりけも異なり、白に近い色はマグマのねばりけが強く、黒に近い色は弱い傾向です。
・無色の鉱物が多いと白に近い色(マグマのねばりけが強い)
・有色の鉱物が多いと黒に近い色(マグマのねばりけが弱い)
無色と有色がある
火成岩の鉱物を無色の物、有色の物で分類しました。
- 無色の鉱物:石英、長石
- 有色の鉱物:黒雲母、カクセン石、キ石、カンラン石
上記の鉱物を表でまとめました。
①無色鉱物
鉱物 | 石英 | 長石 |
形 | 六角形 | 厚い柱状 |
色 | 無色や白 | 白・薄紅色 |
備考 | 形の良い物は水晶と呼ばれる二酸化ケイ素の結晶 | 岩石の約60%石英と似ている キズが付きやすい方が長石 |
②有色鉱物
鉱物 | 黒雲母 | カクセン石 | キ石 | カンラン石 |
形 | 六角板状 | 細長い柱状 | 短い柱状 | 短い柱状 |
色 | 黒 | 黒褐色、濃緑 | 暗緑 | 淡緑 |
備考 | 薄く、はがれやすく、柔らかい | 石鍋の材料になる | くだけやすい翡翠と呼ばれることもある | ペリドットと呼ばれるものもある |
かたさランキング
1.石英
2.カンラン石
3.長石
4.カクセン石
5.キ石
6.黒雲母
火成岩の種類
ここでは、火成岩の種類を紹介します。火成岩は火山岩と深成岩の2種類に分類できます。それぞれの特徴と代表的な火成岩を伝えます。
火山岩と深成岩の2種類
出典:ベネッセ
火山岩と深成岩は火成岩です。ここでは、代表的な火山岩と深成岩の種類についても紹介します。
火山岩も深成岩も、マグマが冷え固まってできました。ただし、場所が異なります。火山岩は地表や地表近く、深成岩は地下です。(上記参考)
ここにそれぞれの代表的な岩石を挙げます。
代表的な火山岩
火山岩の代表的な岩石は以下です。
- 玄武岩(げんぶがん)→鉱石:キ石、カンラン石
- 安山岩(あんざんがん)→鉱石:斜長石(しゃちょうせき)、カクセン石
- 流紋岩(りゅうもんがん)→鉱石:石英、カリ長石、黒雲母
代表的な深成岩
深成岩(しんせいがん)の代表的な岩石は以下です。
- 斑れい岩(はんれいがん)→鉱石:玄武岩と同じ
- せん緑岩(せんりょくがん)→鉱石:安山岩と同じ
- 花崗岩(かこうがん)→鉱石:流紋岩と同じ
火山岩 | 玄武岩 | 安山岩 | 流紋岩 |
深成岩 | 斑れい岩 | せん緑岩 | 花崗岩 |
含まれる鉱石 | キ石 カンラン石 | 斜長石 カクセン石 | 石英 カリ長石 黒雲母 |
火成岩と火山岩の違い
火成岩と火山岩は同じカテゴリーです。上記の説明のとおり、火山岩は火成岩の一部です。
火山岩は、マグマが急速に固まって作られました。それに関して詳しく説明します。
火山岩はマグマが急速に固まったもの
出典:photo AC
火山岩はマグマが急速に固まってできた岩石です。その特徴を下記に挙げてみました。
- マグマが地表や地表近くで急速に冷えて固まった
- 粗い結晶構造
- 石基の中に結晶になった斑晶(はんじょう)が広がる斑状組織
このように、火山岩はマグマが急速に冷えて固まってできました。大きな特徴は、粗い結晶構造で石基の中に斑晶(はんじょう)が広がる斑状組織です。
火成岩と深成岩の違い
深成岩も火成岩です。深成岩は、そのネーミング通り、地下の深い部分でじっくりとマグマが冷えて固まりました。
下記で詳しく説明します。
深成岩はマグマがゆっくり固まった
出典:photoAC
以下に深成岩の特徴を挙げます。
- 地下の深い部分でマグマが冷え固まった
- 均等な粒子がそろっている等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)のタイプが多い
- 斑状組織、流理組織、球状組織のタイプもあるが、数は少ない
深成岩は、地下の深い部分でマグマがゆっくり固まってできた岩石です。時間をかけて固まったので、粒子が均等です。この状態を等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)と言います。
墓石に使われる御影石は火成岩
出典:photo AC
墓石によく使われる石の一つである御影石(みかげいし)は、火成岩です。分類としては、深成岩で花崗岩の一種です。
ここでは、御影石の特徴やお墓に使われる理由を紹介します。
御影石の特徴
御影石の主な特徴です。
- 風化に強い
- 耐久性がある
- 水を含みにくい
- 硬質でキズが付きにくい
- 一つひとつが個性的
御影石には、いくつかの種類があります。そのため、多少のばらつきはありますが、一般的には上記のような特徴があります。
御影石がお墓に使われる理由
御影石がお墓によく使われます。その理由は、上記に挙げた特徴が関係しています。
まず、風化に強く、耐久性があることです。お墓は長い年月、その場所に存在するものなので、風雨にさらされます。そのため、風化に強く耐久性のある石が墓石としてふさわしいです。
また、水を含みにくいことも墓石としてふさわしい部分です。雨や地域によっては、雪にさらされるので、水が含みにくい石であれば劣化を避けられます。
さらに硬質でキズが付きにくい点でもお墓に向いています。お墓は何年もその場にあるものなので、硬質でキズが付きにくければ、何年もキレイな状態でいられます。
そして、さまざまな鉱物が混じっているため、一つひとつの石が個性的です。故人や遺族の好みにあった個性的なお墓を作りやすいです。
よくある質問
- 溶岩と火成岩、火山岩、深成岩の違いを教えて下さい。
-
火山岩:マグマが地表で急速に冷えて固まった岩石
溶岩:火山の噴火で地表に出たマグマが冷えて固まった岩石
深成岩:マグマが地下の深い部分で時間をかけて冷え固まった岩石
- 火成岩と堆積岩の違いは?
-
火成岩:マグマが冷えて固まった岩石
堆積岩:砂、泥、生物の死骸などが海や湖の底で固まった岩石
- 鉱物とは何ですか?
-
火山から出てきた火山噴出物が結晶になったものです。さまざまな色や形があります。
- 溶岩と火成岩の違いは?
-
マグマが地上に流れ出て冷えて固まった噴射物が「溶岩」です。それに対し、マグマが冷えて固まってできた岩石が「火成岩」です。
まとめ:火成岩はマグマが冷えて固まった岩石
火成岩はマグマが冷えて固まった岩石で、火山岩と深成岩に分類されます。そして、火山岩には玄武岩、安山岩、流紋岩があり、深成岩には斑れい岩、せん緑岩、花崗岩があります。
また、それぞれの岩石には鉱物が含まれており、鉱物によって岩石の色が異なります。
こうした火成岩は墓石にも使われます。よく使われるのは、花崗岩の一つである御影石です。丈夫で風化しにくいなど、お墓としてのメリットが多く存在するからです。
このように、自然界の産物である火成岩の成り立ちを理解し、冷え固まった長い年月に思いを馳せてみませんか?